「残酷」を娯楽とし、「他人の苦痛」を見世物にして、慰安にする (original) (raw)

「残酷」を娯楽とし、「他人の苦痛」を見世物にして、慰安にする

暴君の治下の臣民は、おおむね暴君よりもさらに暴である。暴君の暴政は、しばしば暴君治下の臣民の欲望を満たすことはできない。

暴君の臣民は、暴政が他人の頭上で暴れてくれるのを望むだけだ。自分はおもしろがって眺め、「残酷」を娯楽とし、「他人の苦痛」を見世物にして、慰安にするだけだ。

自分は「運よく逃れた」のが自慢の種である。

(「魯迅評論集」竹内好岩波文庫)