6月の生き物観察会~田んぼから境川遊水地 (original) (raw)
2024年6月4日に
天王森泉公園で行われた生き物観察会。
田んぼから境川遊水地編です。
whispering-of-trees.hatenablog.jp
whispering-of-trees.hatenablog.jp
植物
アレチハナガサ(荒地花笠)
田んぼ脇にて撮影
・原産国:南アメリカ
・開花期:6~9月
・草丈:1~2m
・分布:東北南部~琉球
河川敷や道端に生育する。
海外では園芸種として庭園を飾るが、やはり野生化して侵略的外来種とされる。
(帰化&外来植物見分け方マニュアルより)
日本では侵略的外来種には
指定されていないようです。
でも、川を見るとそこらじゅうに
咲いているのを見かけるので、
爆発的に増えているのでしょう。
お花は細かくてかわいらしいです。
チチコグサの仲間
チチコグサの仲間が何種類か
生えていました。
日本の在来種はチチコグサ。
今、道や空き地で見かけるのは
外来種のチチコグサの仲間です。
こちらはタチチチコグサのようです。
キク科ウスベニチチコグサ属の一年草または越年草。
・原産国:北アメリカ
・花期:5~9月
花が段々咲きで、葉が線状であれば本種と見てよい。
仲間が混生する周辺では、本種は交雑し、形態が一定せず、識別は困難。
(帰化&外来植物見分け方マニュアルより)
在来種のチチコグサと交雑したら、
チチコグサは消えていく種に
なってしまいます。
在来種を守りたいと思いますが、
すでにチチコグサが
見当たらなくなっています。
こちらはチチコグサモドキのようです。
キク科ウスベニチチコグサ属の一年草または越年草。
・原産国:北アメリカ
・花期:4~10月
市街の道路わき、住宅地の側溝の周辺、歩道の割れ目などに好んで住みつく“都会派”。
(帰化&外来植物見分け方マニュアルより)
花の咲き方はタチチチコグサと同じですが、
葉っぱの形がチチコグサモドキの方が
ヘラ型をして先が丸いです。
ハハコグサ(母子草)
道端にて撮影
キク科ハハコグサ属の越年草。
・在来種
・花期:4~6月
全国の道端、耕作地、空き地などに棲む。
古代に日本へやってきた史前帰化植物で、畑地や庭園では迷惑な雑草として疎まれることが多い。
花期の最盛期は春から初夏にかけてであるが、近年は12月までぱらぱらと開花している。
そっくりなものにアキノハハコグサがある。
見た目がそっくりだが42都府県で高度の絶滅危惧種。
山地の道端に棲み、夏季に下の葉が枯れる(ハハコグサは残る)、茎は上部で枝分かれする(ハハコグサは株もとで枝分かれする)。
(帰化&外来植物見分け方マニュアルより)
ハハコグサに似た
アキノハハコグサという植物が
あることを初めて知りました。
ハハコグサに似た外来種として、
セイタカハハコグサがあるそうです。
こちらは、花が咲くと茶色~淡紅色
なので、すぐに見分けがつくそうです。
ハハコグサ。
ありふれた雑草と思っていましたが、
知ると奥が深そうです。
クスダマツメクサ(薬玉詰草)
道端や境川遊水地にて撮影
・原産国:ヨーロッパ
・花期:5~6月
20~30個の花が美しいまん丸にかたまる。
(帰化&外来植物見分け方マニュアルより)
花期が長くて、
4月の生き物観察会で観察しています。
今の時期、枯れた花が
見られるようになりました。
花が枯れても花びらが残る。
その中に小さな豆果が眠る。
(帰化&外来植物見分け方マニュアルより)
群落になっていますが・・・
かわいらしいお花なので、
刈られずに残っていることが多いです。
ニワゼキショウ(庭石菖)
境川遊水地にて撮影
・原産国:北アメリカ
・花期:4~6月
(帰化&外来植物見分け方マニュアルより)
5月の観察会のブログで、
ニワゼキショウには白と赤紫色が
あることやオオニワゼキショウがある
ことをお伝えしました。
そして、ニワゼキショウの仲間を
判別するのは難しいことも。
6月のニワゼキショウは、
種が多くなっていました。
コバンソウ(小判草)
境川遊水地にて撮影
緑色から黄金色に変化して、
本当に小判のようです。
・原産国:地中海沿岸
・花期:5~6月
本州から九州にかけて、道端や荒れ地、河川敷などに多い。
一度でも“埋蔵金(埋土種子)”と化した連中は、土地開発や造成があるたびに、大量の土砂の運搬に紛れ込み、新天地を獲得している。
植えたわけでもない場所に見事な大群落が出現するのはそうした理由がある。
普通に育てる分にはまるで問題なく、逃げ出しても眉を吊り上げ激高する人も少ない。
見た目で得をしている帰化雑草の代表例。
(帰化&外来植物見分け方マニュアルより)
埋蔵金とはおもしろいですね。
5月の観察会で写真に
撮れなかったのですが、
ヒメコバンソウを観察しました。
その時参加されていたTさんが、
コバンソウを金運のお守りとして
いただいたという話をしていました。
なるほど~~~
コバンソウとヒメコバンソウで、
大判小判がざっくざくですね(^^♪
ネーミングからしても得をしている
植物ですね。
ナヨクサフジ
境川遊水地にて撮影
見事な群落をつくっています。
華やかです!
・原産国:ヨーロッパ
・花期:4~7月
緑肥、食用としての利用される。
日本の在来種のクサフジは、市街地よりも丘陵や高原に棲みつくことが多く、花の色が違う(グレープ系ではなく、血の気が失せたような青色)。
近年、在来クサフジと思われていたものの中に外来系が混在するという。
(帰化&外来植物見分け方マニュアルより)
クサフジと外来クサフジとの間で
交雑が起こっているのでしょうか。
昆虫
キアゲハ(黄揚羽)
空き地にて撮影
くわくわ森に行く途中にも
見かけました。
こちらにキアゲハについて
詳しく書いています。
→キアゲハ
この空き地にいたキアゲハは、
まるで花畑の楽園にいる蝶のようでした。
とても優雅に舞いながら
花々の蜜を楽しんでいるようでした。
アメンボ(飴棒)
境川遊水地にて撮影
境川遊水地の小川にいました。
交尾中。
ちょうどNHKの「ダーウィンが来た」で
アメンボを取り上げたばかり。
テレビで見たことが目の前で
起こっていました。
半翅目アメンボ科
水飴のような匂いがするそうです。
4月の観察会でも交尾中のアメンボに
出会いました。
その時の記事はこちらです。
アメンボについても詳しく書いています。
→アメンボ
ダーウィンが来たで、
水の中なるべく深くに潜って
卵を産み付けるのだと
やっていました。
でないと、アメンボの卵の中に
寄生バチが卵を産み付けてしまうのだそうです。
キマダラカメムシ
境川遊水地にて撮影
成虫の体長は20-23mm。
国内に生息するカメムシ亜科最大種である。
食草はサクラ、カキノキ、フジ、ニセアカシア、クワ、エノキ、ウメが確認され、カキに関してはその果実(渋柿)からも盛んに吸汁し、またリンゴの果実も飼育下で代用食となる。
市街地、都市部の街路樹、庭木などで普通にみられ、食草も広範にわたる。
幼虫、成虫ともに4-11月に出現、活動する。
産卵場所となる樹木はソメイヨシノ、シダレザクラが知られている。
成虫で越冬する。
本種は台湾から東南アジアを原産地とする外来生物である。
日本国内には長崎県出島から侵入し、その後各地に分布を拡げたとみられている。
キマダラカメムシは、
臭いか臭くないか、
意見が分かれるそうです。
温暖化で南から生息域が広がって
きているとのことです。
シロスジヒゲナガハナバチ(白筋髭長花蜂)
境川遊水地にて撮影
ミツバチ科のハチ
・大きさ:12~14㎜ほど
・出現期:4~6月
・分布:本州、四国、九州、南西諸島
・成虫の食べ物:訪花して蜜を吸う
オスは触覚が長いので
この名前がついているそうです。
この写真のハチは、メスですね。
ニッポンヒゲナガハナバチとよく似ていて、
羽の模様が違うくらいだそうです。
虫に詳しいHさんによると、
シロスジヒゲナガハナバチは
ナヨクサフジが大好きのようで、
ナヨクサフジには必ず
シロスジヒゲナガハナバチが
いるのだそうです。
日本の在来種のミツバチが
外来種のお花の蜜ばかり吸うって
どうなのよ!といわれているそうです(笑)
モンキチョウ(紋黄蝶)
境川遊水地にて撮影
シロチョウ科の蝶
・大きさ:23~26㎜
・出現期:3~11月
・発生回数:年2回
・分布:日本全土
世界でも、ヨーロッパ、アフリカ、中央アジア、台湾まで見られる。
二羽でずっとたわむれながら
飛んでいました。
白色は必ずメスなのだそうです。
黄色はオスの場合とメスの場合があるとのこと。
鳥
カルガモ
田んぼにて撮影
今の時期、田んぼには
たくさんの食べ物があるらしく、
たくさんのカルガモたちの
食事処&憩いの場になっています。
田んぼにて撮影
植物の種子などを食べるそうです。
・大きさ:約61cm
・生息地:湖沼、河川、池、沿岸海域、港、水田地帯
(自然散策が楽しくなる野鳥図鑑より)
子どもたちと連れだって泳いでいる
カルガモの親子にも出会いました。
境川遊水地にて撮影
コチドリ(小千鳥)
田んぼにて撮影
今の時期、コチドリにとっても
田んぼは最高のレストランのようです。
生き物に詳しいKさんによると、
田んぼに水を張ったばかりの時が
狙い目なのだとか。
水を張ると、
土の中にいた生き物が息ができなくて
出てくるのだそうです。
そこを狙って食べているとのこと。
今年4月にコチドリにあった時の
記事はこちらです。
→4月の観察会の時のコチドリ
4月の野鳥観察会では、抱卵している
コチドリに出会うことができました。
その後は、卵をカラスに食べられて
しまったそうです。
残念です。
オオヨシキリ
境川遊水地にて撮影
スズメ目ヨシキリ科の夏鳥。
・大きさ:約18cm
・生息地:アシ原、灌木のある草地
・食べ物:昆虫類、クモ類、草木の実など
繁殖期になるとオスは縄張りをもち、数カ所のソングポストを移動しながら濁った大声でさえずる。
ソングポストは周囲を見渡せる高いアシの先であることが多い。
地鳴きは「ジュッ」だが、繫殖期のオスは「ギョギョギョギョシギョギョシケッケッケ」などと鳴き続ける。
この特徴的なさえずりから、「行々子(ぎょうぎょうし)」という俗名で呼ばれることも。
(自然散策が楽しくなる野鳥図鑑より)
私は初めてオオヨシキリと出会いました。
けたたましくさえずる独特の鳴き声に
圧倒されました。
枝かぶりしていますが、
ギョギョシと鳴いているところ
鳥の到来で季節を感じる。
鳥の鳴き声で季節を感じる。
というのもいいものですね!
ダイサギ
境川にて撮影
美しい飾り羽。
成鳥夏鳥では、背に飾り羽があります。
目先は青く、くちばしは黒色。
冬羽になると目先とくちばしは黄色になります。
ペリカン目サギ科
・大きさ:88~98cm
・食べ物:魚類、カエル、ザリガニなど
(自然散策が楽しくなる野鳥図鑑より)
夏のダイサギの顔
ホオジロ
境川遊水地にて撮影
毎回のように見られるホオジロ。
ありがたいです。
大きさは17㎝くらいです。
こちらはオス。
ハクセキレイ
田んぼにて撮影
田んぼの水で水浴びしていました。
写真は水浴び後に羽を
ブルブルさせているところ。
田んぼを多くの鳥たちが利用していて、
田んぼって豊かだな~と
改めて思いました。
魚
メダカ(目高)
境川遊水地の小川にて撮影
写真にはとらえられませんでしたが、
エビもいました。
メダカ科メダカ属の淡水魚。
日本の東北・北陸、本州の日本海側にはキタノメダカ。
日本の本州の太平洋側、中国地方、四国、九州、南西諸島にはミナミメダカが住んでいます。
この二種を合わせて二ホンメダカと呼ぶそうです。
目が大きく、頭部の上端から飛び出していることが、メダカ(目高)の名前の由来になっている。
流れの穏やかな小川や水路、池などに生息し、雑食性でミジンコなどの動物プランクトンや藻や小型の水生昆虫、植物プランクトンを食べる。
蚊の幼虫ボウフラを好んで食するため、ボウフラを退治する益魚としても知られている。
1回の産卵で、約10個の卵を産む。
球形の卵の直径は1-1.5mmで、卵黄は淡黄色、卵膜は透明で厚く、表面に長さ0.5mmほどの細かい毛があり、長さ10-20mmの付着糸が数十本ある。
通常、春から夏にかけて産卵し、孵化した仔魚は夏、秋の間をかけて成長し、次の年に産卵する。
早い時期に孵化した個体の中には、その年の秋に産卵をするものもある。
メダカの産卵時期と水田に水が張られる時期は一致しており、日本の稲作文化と共存してきた「水田の魚」とも称される。
また、腎機能が発達していることから耐塩性が非常に高く、慣れさせれば海水で生活することも可能である。
この体質のおかげで、洪水で海に流されても河口付近の汽水域に留まり、流れが緩やかになってから遡上できる。
小学生の時、学校でメダカを飼って
観察したのを思い出します。
卵に目玉が見えるのがかわいくて
毎日見えていました。
卵が孵った時は感動しました!
そんなメダカですが、
絶滅危惧の危機
↓
保護活動下での遺伝子汚染
などの問題が起こったそうです。
かつて日本では、童謡『めだかの学校』にも歌われたように、小川にはごく普通にメダカの群れが見られた。
しかし、1980年代あたりから野生のメダカが各地で減少し始め、姿を見ることが難しくなった。
減少の主な原因は、
・農薬の使用や生活排水などによる環境の悪化
・護岸工事や水路の整備などによる流れの緩やかな小川の減少
・繁殖力の強い外来種(ブルーギルやカダヤシなど)による影響
が挙げられている。また、メダカは水田のような一時的水域に侵入して繁殖する性質が強く、近年の農地改良に伴う用排分離により、用排水路から繁殖時に水田内に進入することが困難になっていることが特に致命的となっており、メダカの繁殖力を著しく削いでいる。
こうしたメダカを取り巻く環境の変化により、1999年2月に環境庁(当時)が発表したレッドリストにて**絶滅危惧II類 (VU)**(環境省レッドリスト)(絶滅の危険が増大している種)にメダカが記載され、メダカは2003年5月に環境省が発表したレッドデータブックに絶滅危惧種として指定された。
身近な生き物だったメダカが絶滅危惧種となったことはマスメディアにも大きく取り上げられ、日本各地で保護活動が活発に行われるようになった。
しかし、絶滅危惧種であるメダカを守ろうとする保護活動が、メダカの遺伝的多様性をを減少させる遺伝子汚染という新たな問題を起こしている。
絶滅危惧に指摘されたことで、にわかに保護熱が高まった結果、こうした遺伝的な違いなどへの配慮をせずにメダカ池やビオトープ池を作り、誤って本来その地域に放流すべきでない他の地域産のメダカや、観賞魚として品種改良を施された飼育品種であるヒメダカを放流した例が多数ある。
現在は、地域ごとに遺伝的に大きな多様性を持った地域個体群の局所的な絶滅の進行が危惧されており、遺伝的多様性に配慮した保護活動が望まれている。
メダカの保護には生息地の保全がまず重要とされ、安易な放流は慎むことが求められる。
生態系全体を考慮したうえでやむを得ず放流が必要な場合は、日本魚類学会が示した『生物多様性の保全をめざした魚類の放流ガイドライン』などを参考にしつつ、専門家の意見を聞くべきである。
地域個体群として保護・繁殖に取り組んでいる例もある。神奈川県藤沢市の境川水系にいた「藤沢メダカ」はかつて絶滅したと思われていたが、1995年に民家の池で生き残っているのが見つかり、水槽や藤沢市役所分庁舎前の人工池で飼育されている。
(ウィキペディアより)
ここのメダカはどうなんだろう?
と気になってしまいます。
外来種というと、
海外から入ってきた生物という印象が
強いですが・・・
**国内外来種**による問題も
クローズアップされていないだけで、
問題になっているようです。
メダカはその代表ですね。
やはり、遠くに住んでいた生物を
むやみやたらに移動させない方が
種の多様性を保つことになります。
オイカワ(追河)
境川遊水地にて撮影
コイ科の淡水魚。
成魚は体長15cmほどで、オスの方がメスより大きい。
日本国内では利根川水系と信濃川水系以西の本州各地、四国の吉野川水系、九州に自然分布する。
国外では朝鮮半島、中国東部、台湾に分布する。
雑食性で、藻類や水草、水生昆虫や水面に落ちた小昆虫、小型甲殻類、ミミズ、赤虫、などを食べる。
繁殖期が5月-8月で、この時期のオスは顔が黒く、体側が水色、腹がピンク、尾びれを除く各ひれの前縁が赤という独特の婚姻色を発現し、顔に追星と呼ばれる凹凸が現れる。
写真の先頭のオスが婚姻色に
なっているそうです。
***
植物に昆虫に鳥に魚。
たくさんの生き物たちに出会えて
お腹いっぱいの観察会でした。
いろいろ教えてくださった
リーダーの方々、
参加してくださったみなさま、
ありがとうございました。
また来月、お会いできるのを
楽しみにしています(^^♪
すべてに感謝☆
天王森泉公園のホームページはこちらです。
参考文献