忘れっぽい (original) (raw)
「これまで私の野球人生の成長に携わっていただいた方、応援していただいたファンの方、全ての方々を幸せに出来るように頑張ります!」
これは2024年1月、シカゴ・カブスと契約を締結した今永昇太が球団を通じて発表したコメントだ。
このコメントをみたとき、「ファンを幸せにしたい」という気持ちの重さに驚いた。
こちらは勝手に応援して日々の活力を貰ってるだけだ。今永がそんな重い気持ちを背負うことを望んでないし、ただ健康に楽しく野球をしてくれれば本当にそれで良い。それだけで十二分に幸せだ。
では、今永はどのようにファンを幸せにしたいというのか。
その答えは彼がMLBへの挑戦を表明した会見での発言にあると思う。
「僕の挑戦を見て同じような境遇の人や、自分自身を塞ぎ込んでいる人がいたら、僕自身が野球をプレーしている姿を見て『彼が頑張っているなら私もちょっと頑張ってみよう』と思われるような選手になりたいと思っている」(2023/11/13)
DeNA今永昇太 メジャー挑戦 “生き方を変えるのは今しかない” | NHK | プロ野球
「野球をしている自分」を見た誰かに前向きな気持ちを持ってほしい、という旨の発言は、今シーズン中も度々みられた。
6/21のメッツ戦、これまで記録的な快投を続けていた彼が、3回0/3を10失点と大乱調で黒星を喫した。炎上からの翌週、次の登板を控えた今永は、「なかなか厳しい1週間だったが、立ち上がろうとする姿勢を誰かに見てもらえればいい」と話した。
渡米した彼は、自分の「勝つ姿」「活躍する姿」だけを見てほしいという訳ではなさそうだ。NPB時代に比べて、弱っている心のうちも吐露するようになったと思う。この登板を5回無失点とした後のインタビューではこのような発言もしている。
「眠れない日があったり、今日の試合前も弱気になってしまった。でも、最後やるのは自分しかない。へこみそうになりながらまた戻して、へこみそうになりながらまた戻してみたいな感じで」
今永昇太、不屈の魂「殴られても立ち上がる」…前回10失点KO糧に、序盤から出力全開:中日スポーツ・東京中日スポーツ
今永は、落ち込んでいる自分が立ち上がる姿をさらけだし、「試合」という結果だけでなくその過程ごと私たちに見せようとしているのだろう。
ゲッティ共同通信
彼と親交が深い横浜DeNAベイスターズの上茶谷大河投手は、今永の人柄について以下のように語っていた。「一番先頭に立ってちょけてました。もう日常がずっと面白い」
「今永昇太」の知られざる一面…「この人まじで何なんやと思いました(笑)」上茶谷大河をも驚嘆させた「エピソード」(日比野 恭三) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)
横浜ファンであれば、投げる哲学者の愛称とは裏腹に、彼が笑わせたがりな性格なことは知っているだろう。しかしこういった振る舞いにも今永なりの信念があるようだ。
なかなか良い結果を残せずに悩んでいた上茶谷に対し、今永は「周りの選手たちを不安にさせないためにも、落ち込んでいるところを見せないほうがいい」と助言したことがある。それは今永自身が実行していることでもあった。
「今永さんが不安に感じているときっていうのが、だんだん分かるようになってきました。ずっとボールを触ってるんです。それを見ると『今、相当悩んでるんだな』って。それでも表向きは普通にちょけてるんですけどね」
先頭に立って周囲を笑わせる姿勢は、周りに対する気遣いでもあったようだ。落ち込んでいる姿を隠す点は、MLBに移籍して少し変わったように思われる。
この変化については、今永自身もMLB挑戦表明会見で自覚的に語っていた。
自分の生きざまとして僕自身、非常に他者の目を気にしてしまったりとか、いろんな人の評価を気にしてしまう性格で、自分を取り繕って話してしまったり、過ごしてしまったりする性格。
自身をこのように分析したうえで、
「そういう自分を変えたい。自分の生き方を変えるのは今しかない」と口にしてメジャーへの扉をあけた。
シーズン終盤の9月、ドジャース戦で山本由伸との投げ合いを制した今永は、登板直前までの心境を振り返った。
「今日はマウンドに上がるまですごく恐怖心があって、足もガタガタ震えてましたし、ボール持った手もすごく震えてました。すごく恐怖心と闘っているなという気持ちでマウンドに上がりました……なんでなんですかね、分からないですけど。プレッシャーだったりとか、周りの期待に応えなきゃいけないというので、自分を追い込みすぎていたなという感じです」
加えて彼は、登板前日に食べた昼食をすぐ吐いてしまったのだという。弱っていた姿を知ったうえでこの日の登板をもう一度見ると、自分を奮い立たせてマウンドに1人あがる姿に、これ以上なく心をうたれる。
ただ、やはり今永らしいなと思うのが、前日に吐いたことを明かしながらも「僕、世の中の9割9分は笑いに変えられると思っている人間なんで、吐いちゃったけど『これ、めっちゃオモロイやんっ!』て思ったんです」と一言付け加えるところだ。今永が持つ「人を笑わせたいユーモア心」と「心配かけまいとする気遣い」が同時に感じられる。
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彼はマウンド外でも私たちに多くの話題を提供してくれた。
4/22の登板日、外野の前方にいた6人の野球少年が「SHOTA!」と一文字ずつ裸の上半身に書き込んで今永を応援し、これが日本でも笑いを呼んだ。
「アメリカの大リーグを目指す子どもたちが球場に僕のユニフォームを着て足を運んでくれる、それがはじめの目標です。」と表明会見で口にした今永も、さすがにこれは予想が出来なかったはずだ。彼らに対して今永は、「SHOTA!」と書かれたTシャツを一枚ずつプレゼントした。
今永昇太、半裸で熱烈応援「SHOTA!ボーイズ」と大爆笑対面!粋なプレゼントにファン感激「神対応泣ける」 - スポーツ報知
このほかにも、選手の球場入り写真をSNSにアップする有名なカブスファンの叔母様に、今永がいつも飲んでいるダンキンドーナツのカフェオレをプレゼントしたり、オールスターゲームで季節外れのコーデュロイをエドウィン通訳とお揃いにしたり。
彼はNPB時代、頑なにSNSを始めなかったが、「横浜ファンと離れるのが寂しい気持ちもあったから」と渡米を機に開設したInstagramでアメリカでの生活を発信してくれた。
彼自身が持つ面白さや明るさ、気遣いが、世界に受け入れられ愛されていく様子を見るのは、送り出したファンとしてとても嬉しく誇らしいものだった。
今永は7回無失点とした9/22が最終登板となった。
29試合に登板し15勝3敗、防御率2・91。勝利数と防御率はナ・リーグ3位。オールスターゲームにも選出され、7回無安打無失点の好投をした9/5には継投によるノーヒットノーランも達成。横浜のエースはシカゴのエースとなり、新人王やサイヤング賞の候補として挙がるような好成績を残した。
彼は「1年間すごく苦しみながらも、前向きな気持ちで球場に来ることができたという自負はある。最高に楽しかった」と今季を振り返った。そんな今永から、私も本当にたくさんの幸せを与えてもらった。
カブス・今永昇太、シーズン最終戦は登板せず メジャー1年目は15勝「最高に楽しかった」(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース
とにかく来シーズンの今永の挑戦がとても楽しみだ。苦しいことがあっても、逆境を覚醒の機としながら前に進んでいってくれるだろう。ファンである自分は彼から受け取ってばかりの関係でしかないが、応援もお祈りも精いっぱいしたい。どうか健康に過ごすことが出来ますように。
そして、来シーズンだけではない。
今永がユニフォームを脱いで自身の野球人生を振り返ったときに、「幸せな野球人生だった」と思うことができるように願っています。
カブスのプレスより
以前ブログに書いたローソンのマチカフェアイスティーがレジから無くなっていた。どう考えてもオペレーションに負担がある商品だったので納得はできるが残念な気持ちだ。いつも行くコンビニもファミレスも、ずっと変わらないようで常に変わっている。
・サイゼリヤ
サイゼリヤについて考えるとき、今あるものより失ったものを指折り数えてしまう。効率化を目指すなかでふるい落とされてきたものが多すぎる。まずは言うまでもなく「真イカとアンチョビのピザ」。謎のオリジナル辛味ソースに取って代わられたタバスコ。ほうれん草のグラタン、野菜ときのこのピザ…。ただ時々、思い出したように期間限定で復活したりグランドメニューに定着するものもある。だから定期的に来店してメニューをチェックしないといけない。私が今だいたい食べているのは「コーンクリームスープ」と「塩味ボンゴレビアンコ」。後者はいつか無くなりそうな気もする。あと、修論執筆で家ごもりしていた時期、業務用の冷凍辛味チキンを買い込み日々の楽しみにしていたので感謝の気持ちがある。
・桃菜(中国茶)
すかいらーく系列から突如あらわれた点心に特化した中華ファミレス。点心や中華の小皿がバイキングでお得に食べられるのが一番のウリだろう。私はバイキング利用はしたことがないが、何品か食べてみてバーミヤンの味付けだなあと思った。桃菜が出色なのはドリンクバーがないところ。ホットの中国茶を頼むと、茶器とお湯の入った大きいポットを出してくれる。本場中国の飲茶文化を引用していてなかなか面白いアプローチだが、同時にソフトドリンクは単品注文というのは尖っていると思う。夏場とかちょっとヘイト買いそうなスタイル…。しかし私にとってこのスタイルは大変ありがたい。ファミレスで勉強するとき、ドリンクバーで離席するたびに集中力がきれる(雑魚)ので、自席でたっぷり飲み物を飲めるのは作業向きだ。
・デニーズ(誕生日パンケーキ)
デニーズの誕生日サービスは他のファミレスと一線を画している。無料会員登録をするだけで誕生月に来店するとパンケーキがもらえちゃう。しかもこのパンケーキが立派で季節ごとにトッピングも異なるのだ。(店員さんのオリジナリティもありそう)20代の半ばになっても私は毎年これを食べている。こんなにホスピタリティに溢れているんだから、沢山通って還元しなくては。
【無料パンケーキ】誕生月なのでデニーズで「バースデーデザート」食べてきた! - 受け取り方と注意点を徹底レポート | マイナビニュース
一方、残念な変化もある。それはドリンクバーでセブンイレブンのコーヒーが飲めなくなったこと。セブンアンドアイHD傘下のデニーズは、あの美味しいセブンのコーヒーが飲み放題だったのに、そのサービスは終了してしまっていた。
・ガスト(マヨコーンピザ)
ガストのクラシカルな名品、それは「たっぷりマヨコーンピザ」だ。特別なトッピングがあるわけではない。トマトソースにマヨネーズとチーズとコーン。焼かれたマヨネーズは酸味が飛び、まったりとしたコクに変わっている。これ以上も以下もない、奥深いピザだといつも思う。
また、ガストはいつの間にか唐揚げチェーン「からよし」と手を組み始めた。専門店が介入してしまうと他のファミレスは打つ手がない。カラッとジューシーで明らかにクオリティが図抜けている。一個から頼めるところも魅力的。でも他のファミレスのちょっと固いキチョっとしたような唐揚げも好きなんだけどねー。
・ジョリーパスタ(フェアトレードアイスティー)
恥ずかしながらつい先日ジョリーパスタデビューしました。というのも鎌倉パスタや五右衛門のような形態をイメージしていたから。これらの店が悪いというわけではなく、自分のなかのファミレスの定義からは外れてくる。
結論、ジョリーパスタはファミレス界のオアシスであり最後の楽園であり、グレードバリアリーフだった。まず価格が安くメニューが多い。メニュー数はきっとファミレスでNo1。明太パスタは700円台だったし、プリン・ティラミス・パンナコッタの3点セットで450円は目をひんむいた。そして一番言いたいのは、ドリンクバーのフェアトレードアイスティーがおいしすぎること。ロイホのトロピカルティーくらい金字塔であっていいはず。欠点は都心に全く店舗がないこと。少なくとも山手線内にはなさそう。これはジョリパを目的とした外出をしなければならない…。ゼンショー系列で一番好きです。
・楊國福(麻辣湯)
中国からやってきた麻辣湯チェーン。一度食べたら虜になってしまい、週に複数回行くときもある。薬膳的な辛さを欲しているとき、火鍋は一人では行きづらいので世の中の需要を凄くついていると思う。陳列棚から好きな具材を好きな量だけ取れるのも画期的。ありとあらゆるモチモチを愛しているので、色んな春雨をちょっとずつ食べられるのが良い。麻辣湯の具材を選ぶ動画、TikTokで永遠に見てしまう。たしかに魚卵団子おいしいよねえ。
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チェーン店、とくにファミレスは、どんな人種もどんなシュチュエーションも受け入れてくれる包容力があり好きだ。こちら側としては「甘えさせてもらってる」気持ちでいつも利用してる。そんなどっしりとした存在だからこそ、ちょっとの変化に「あなたも苦労してるのねえ…」と胸が痛んでくる。かといって一回一回の訪問を大事にしないと、と心を改めるほどではない。そのくらいのライトな気持ちの入れようであるファミレスとの距離感が心地よい。
相も変わらず週一ほどのペースでパンを焼き続けています。半年ほど前にあげた記事以降、新しくつくったパンをまとめました。天然酵母から起こしたパンは別稿にしましたので、そちらも是非に…。
野菜パン
野菜をブレンダーにかけて液体状にし練りこんだパン。人参と小松菜で作りました。ふかふかで甘くて、色も鮮やかで可愛い!小松菜のほうは全粒粉を混ぜました。小豆とバターを挟んだらとても美味しかったです。
きなこ揚げパン
2次発酵まで終わらせた生地を2~3分揚げるだけで、フワフワの揚げパンができちゃうの、魔法みたいでした。ねじねじも楽しい。
北欧シナモンロール
カルダモンたっぷりの!カルダモンってスパイスのなかでも飛び抜けて高価なんですね。断腸の思いで買いました。さわやかな風味がとっても好みで、何回も作っています。カルダモン、白湯やコーヒーに入れるだけでもおいしくて体もスッキリして、頭痛の日によく飲んでいます。
コーンパン
コーンの水煮をこれでもかと練りこんだ全粒粉パン。はちみつもたっぷり入れて甘めに仕上げました。これもリピートしてます。
ハンバーガー!
ハンバーガー用のブレッドを作って半分に切り、自分好みのハンバーガーを作りました!楽しかった~!この日は3月の野球ヨーロッパ代表戦があったので、それを観戦しながら食べました◎だし巻き卵を挟んだハンバーガーも作って、それも美味しかったです。
白あんパン
お正月で花びら餅を作った際に余った白あんと求肥を包んで、松風焼きで余ったケシの実を振りかけあんぱんにしました!(写真なし)
蕗のピザ
ふきったまが大好きですが、もしかして洋風の食べ方のほうが好きかもしれない。毎春かならずホタルイカのペペロンチーノとアラビアータは作るのですが、ことしはトマトピザにも挑戦しました。苦うますぎ、次の春まで待たなければならないと思うと涙です。
だんだんとレパートリーが固まってきているので、新しいパンを作れるように引き続き頑張ります!
昨年6月に作った杏のコンポートを、食べ終わってシロップが残っている状態で2日ほど常温で放置してしまった。気泡も出ているしシンクに流すか…と蓋を開けたところ、シュワッという音とともに白ワインのような発酵香がして驚いた。
もしかしてこれって酵母が発生してる…?と思い調べてみると、発生条件が偶然揃っていたのだった。(パンの歴史を自力で辿れたことに感動↓↓あまりにも同じエピソードすぎ)
イーストの軌跡 | イースト研究室 | オリエンタル酵母工業株式会社
現在の主流であるふっくらとした"発酵パン"は、ちょっとした偶然から生まれたといわれています。
夏の日に、あるユダヤ人の女性が穀粉を水に浸そうとして、うっかり蜜を薄めたカメに入れ、そのまま忘れてしまいました。2、3日後、カメから甘酸っぱい匂いがしましたが、気にも留めずいつものように団子状に練って焼いたところ、一種の発酵パンができたそうです。
ちょっと不安もあるけどせっかくの機会と思い、このシロップを原液として強力粉を足し、酵母の元種を起こしてみた。ただ、果物の量や砂糖の比率、発酵力など正確に測れないため、様々なサイトや本を参考にしたものの、だいぶ適当に作った。
・丸パン
一番シンプルなものを…と思い、油や乳脂肪分を入れず、強力粉・水・砂糖・塩で作った丸パン。元種がどこまで発酵してくれるか分からず、つぎ足す強力粉の量の正解が難しかった。最後まで小麦がなかなか吸水してくれなくて、べちゃっとした生地をスプーンで天板に落とすかたちで焼いた。膨らみは今ひとつではあったが、グルテンはしっかりとしていて、もちもちと強い弾力があるパンになった。甘味もあってとても美味しかったし、市販のイーストで作ったパンとは全然違う味・風味・触感となった。
・カンパーニュ
天然酵母といったら、のイメージがあるカンパーニュ。元種を起こして一週間ほど経ってから作ったので、上手くいくか不安だった。酵母の生命力ってすごいと感動しました。カンパーニュは20パーセントほど全粒粉を混ぜてたのと、丸パンの反省を活かして水分量を少なめに。ずっとやってみたかったカンパーニュへのクープ入れも出来ました!かなり愛着わきますねこれは。きちんと膨らんで焼きあがったものの、みっちりとしてクラスト(気泡)は少なめ…。お店のカンパーニュのようにはいかなかった。でも酸味があって味は結構おいしく、色々なものをのせていただきました。
(画像の背景がトロピカルなグラデーションに‥)
今回起こした天然酵母でつくったパンはこの2種類。いずれも1~2次発酵に24時間ほど費やしました。分量などかなり適当に作ったのに、わりと美味しいパンができて勉強になりました。パンってすごい。
こうやって小麦や酵母に触れあってると、作り手としての人間って「主従関係」における「従」側であるように思える。
ユヴァル・ノア・ハラリは『サピエンス全史』で「人類は小麦の家畜」と言っていた。これは人類が狩猟採集民から農耕民に転じたことの表現。たしかにアフタヌーンティーなんかをみると、まさに小麦粉七変化といった様相で、私たちはいかに小麦の恩恵を受けているかがわかる。
また、料理家の土井善晴は、中島岳志との対談「一汁一菜と利他」のなかでこう言っていた。(
土井善晴先生×中島岳志先生「一汁一菜と利他」(1) | みんなのミシマガジン
)
まさに一木から仏さんを彫り出すように、きれいなものを彫り出すことです。きれいにしたら、あとはそのまま食べればいい。相手は自然ですから、おいしくないときもあります。それは自分の責任ではなく、ああそういうものだと、そのまま受け取ったらいい。
味噌などの発酵食品は微生物がおいしさを作っています。[...]人間はまずくすることさえできません。そういった毎日の要となる食生活が、感性を豊かにしてくれると私は思っています。
この夏目漱石の「夢十夜」第六夜で運慶が仁王像を掘るような感覚は、天然酵母パンを作るまで抱いたことはなかった。常に自然と対峙している農家さんや発酵食品の研究員さん、酒杜氏の方々にも無限のリスペクトです。
また、ドミニク・チェン先生(尊敬しております)は、ぬか床を育てた経験から、「発酵」を思考や創作・対話のプロセスでも登場する(すべき)ものとして考えるようになったという。
「発酵」というメタファーから考える、豊かな未来をデザインする方法 | Virtical Analysis | ダイヤモンド・オンライン
ぬか床の菌たちは、投入された野菜の糖質を発酵代謝して乳酸やアルコールを生み出します。インターネット空間でも、投入された発話に人々が群がり、何かしらの滋養(意味)を得て残留物(フィードバック)を残します。すると、この残留物が別の誰かの滋養になる……。発酵代謝と同じで、コミュニケーションも無限に連なっていくのです。
発酵というメタファーを通してこの現象を考えることは、コミュニケーションを「本質的にコントロールできないもの」として考えるフレームワークになると思ったんですよね。
自分の自由意志が絶対的には働かないことを許容し、むしろプラスと考えること。
今回、料理の手段のひとつとしての「発酵」を学んだことをきっかけに、「発酵」の考えを拡張してみるのもありかもしれない。
最近「ファミレス文学」なる言葉を知った。
ファミレスが「時代遅れ」になってきてる深い理由 ガストもサイゼも…国内店舗数はジワジワ減少 | 街・住まい | 東洋経済オンライン
記事にあるように坂元裕二作品なんかはまさにファミレス文学の筆頭だろう。ファミレスでだらだら他愛ない話をするシーンが物語で大切な役割を持っている。
思い返してみると私にも、ファミレスをはじめとした飲食チェーンにはそれぞれ思い入れがある。食べ物が好きなお店もあれば、場の雰囲気、理念、こだわり…など好きな理由は異なるので、思いついたものをつらつら書いてみる。
- ▼ミスタードーナツ:ポン・デ・ゴールデン&ストロベリー
- ▼クリスピークリームドーナツ
- ▼サブウェイ
- ▼タリーズ:紅茶
- ▼ロイヤルホスト
- ▼松屋:ゴロゴロチキンカレー
- ▼蒙古タンメン:冷やし味噌ラーメン
- ▼餃子の王将:天津炒飯
- ▼大戸屋:鶏(鱈)と野菜の黒酢あん
- ▼フレッシュネスバーガー:レモネード・いちごレモネード
- ▼マクドナルド:コーヒーフロート
- ▼ローソン:アイスミルクティー
- ▼セブンイレブン:アイスコーヒー
- ▼ファミリーマート:水
- ▼グーツ
▼ミスタードーナツ:ポン・デ・ゴールデン&ストロベリー
店舗ごとに余った材料を使用して無駄なく使いきれるように作りだされたファンシードーナツの1つ。見つけたときには感動する。ポンデリングとゴールデンドーナツが好きなので、そのミックスは勿論大好き。時期的には、季節限定商品の終わりごろに見かけることが多いらしい。発動条件難しすぎる。ミスドはコーヒーもカフェオレも飲み放題のありがたすぎるお店。引っ越しするとしたら近場にミスドがあることを条件としたい。
▼クリスピークリームドーナツ
店内でちょっと焼いてもらったオーソドックスなドーナツが好き。ドーナツが好きなのもあるけど、国際フォーラムにある店舗が好きすぎる。なんと22時まで(!)開いていて、お店も広く、ソファー席がたくさんある。もうお腹いっぱいだけど帰るのは寂しいよねってときに行くと、とーっても幸福な気持ちになる。好きな友達や恋人と行きたい店舗。
▼サブウェイ
サブウェイをバーガーチェーンの括りにいれるなら圧倒的に一番好きだ。生野菜が沢山とれて美味しくて夢のようなお店。絶対に日本からいなくならないで欲しい。辛い物好きとしては、ハラペーニョが無料でチリソースがかなり辛いところが高ポイント。普通に辛い物が食べたいときに行く。
▼タリーズ:紅茶
タリーズは伊藤園の100%子会社なので、実は紅茶が美味しい。なかでも紅茶に特化したタリーズ&ティーという店舗があるので、そこで色々飲み比べると楽しい。私が好きなのはロシアンティー。
▼ロイヤルホスト
高校生のときテスト期間後、友達とご褒美という名目でよく行っていた。そのときはお小遣い性でパフェを食べられたけど、大学生になって同じ友達とロイホに行った時、お金がなくてお互いミニパフェを食べた。生活水準を「日々のご褒美にロイホを食べられる」に常に保っておきたいと思わせてくれるお店。一番好きなのはもちろん甘い黄栗が入ったコスモドリア。
▼松屋:ゴロゴロチキンカレー
松屋はカレー屋として認識している。なかでも一年に何回か出るゴロゴロチキンカレーが感動的に美味しい。本当にチキンがゴロゴロでリッチなカレー。カレーチェーンって最近値段高い気がするけど松屋は700円台で出してくれてありがたい。
▼蒙古タンメン:冷やし味噌ラーメン
つけめんスタイル。つけ汁はあついが麺が冷たいタイプ。辛さレベルは北極より高く最高峰らしいのだが、麺が汁に浸かっていない分体感的には北極よりイージー。つけ汁で口の中が辛くなるにつれて、麺の小麦や甘さを感じるようになり、大分きまる。
▼餃子の王将:天津炒飯
新橋の高架下には王将と日高屋が並んでいる。日高屋はすぐに入れるが王将はいつも並んでいるのに驚いた。私もどちらかと言えば王将派。天津炒飯は名前の通り、炒飯の上に卵が乗り、餡がかけられている。裏メニューから始まったらしいけど、こんなん美味しいに決まってる。飽きないし良いとこどりだし、お腹いっぱいになれて最高。
▼大戸屋:鶏(鱈)と野菜の黒酢あん
和定食チェーンでは一番好きな大戸屋。黒酢あんシリーズを一度家で再現してみたとき、野菜の素揚げなど下ごしらえが非常に面倒だったので、お金を払って食べに行くものだと思った。たまに季節限定メニューに目移りしてしまうが、この黒酢あんシリーズは小鉢(400円ほど)でもあるので一緒に頼んでしまう。そしたら1600円くらいかかり贅沢しすぎだろ…なるけど、お布施だよねこれはと思うことにしてる。
▼フレッシュネスバーガー:レモネード・いちごレモネード
なぜかこれまで人生の生活圏すべてにフレッシュネスバーガーがある。ドリンクメニュー不動のレモネードは、レモンスライスが7~8枚入っていて手作りの味がして美味しい。テイクアウトして何度も水やお湯を足し、一日中飲んでいる(卑しいエピ)。春に出る限定のいちごレモネードはもっと美味しい。滋養の味がして涙すら出てくる。バーガーでは塩レモンが一番好き。
▼マクドナルド:コーヒーフロート
マックのアイスコーヒーもソフトクリームもさっぱりとした味(薄味ともいえる)なので、これが組み合わさったとき、スイーツ未満カフェオレ以上のニッチな需要に合ったドリンクになる。糖分・カフェイン・冷たいものを摂取したくなる夏の昼下がりに意外と良いですよ。
▼ローソン:アイスミルクティー
看板に牛乳缶を掲げているローソンは、アメリカのミルクファームを発祥としている。このため他のコンビニチェーンよりも牛乳にこだわりを持ち、その矜持はウチカフェのミルク系ドリンクやマチカフェの生クリームに現れている。
私が好きなのはレジで買えるマチカフェのアイスミルクティー。
このオペレーションがなかなか興味深い。缶の濃縮紅茶を牛乳で割るという仕様でとても美味しい。最近セブンもレジ横で紅茶を展開しはじめているが、パイオニアとして頑張ってほしい。
▼セブンイレブン:アイスコーヒー
個人的にはコンビニのなかで一番好きなアイスコーヒー。夏はお世話になりすぎている。猛暑で限界になったときは、一緒にサクレレモンを買ってコーヒーにぶちこみ、レモネードコーヒーにして飲んでる。
▼ファミリーマート:水
職場の周りにはなぜかファミマしかない。ファミマは新潟県津南の天然水と、宮崎県霧島の天然水がうまい。霧島は珍しく1020mlで売ってくれていて、デスクワークの日には大変ありがたい。ペットボトル水部門全体だとアサヒの「おいしい水天然水」が一番好き。なんか美味しいよな…と思っていたら、コーヒーで信頼を置いている知人もこの水を褒めていたので、自分の舌にちょっと自信を持った。でもこれらを目隠しで飲んでも当てられないと思う。
▼グーツ
日本に3店舗しかないのでチェーンとは言えないコンビニ。一応スリーエフが経営している。淹れたてのコーヒーが10種類以上、コンディメントバーまであるなど、食のテーマパークと言っても過言ではない。みなさま、どうか横浜・関内にお立ち寄りの際は覗いてみてください…。ハマスタの近くにあります…。
(参考:
コンビニコーヒー最強はスリーエフ系『gooz』だッ!! たった140円でカスタマイズ自由! セブンで飲んでる場合じゃねえ | ロケットニュース24)
京都旅行2日目
今回泊まったホテルは「ベッセルホテルカンパーナ京都五条」。JR東海のパッケージツアーにあるホテルの中で、大浴場があるのと朝ごはんの場所に近いのが決め手でした。歩き疲れる観光終わりに湯舟に浸かれるのがありがたい~。私がビジホ選びで重視している点は、チェックイン/アウト前後に荷物を預かってくれる・大浴場がある・休憩に戻ってこれる立地…です。でも条件差し置いても一番はやっぱりドーミーイン。共立リゾート系列のホテル大好きです。
朝ごはんは、レバノン料理を提供する「汽 [ki:]」を8時に予約していました。初めてのレバニーズ!黒いピタパンに、ひよこ豆のファラフェル、スモークチキン、色とりどりのメゼ、フムスを思い思いに詰めて頂きます。胃が目覚めてなくて動物性のものがあまり食べられないとき、これは朝食の最適解の1つかも。調理風景が見えたのですが、ストウブ鍋で炊いたお米に大量のシナモンをかけててびっくり!お土産に購入した燻製ミルクのカヌレも美味しかったです。散歩してホテルまで帰って1時間ほど睡眠。旅行中の2度寝は幸せ指数高い。
11時にチェックアウトしてバスで南禅寺・永観堂へ。南禅寺の境内は訪問したことがあるので、周りを意識的に歩いてみると、あちこちに水路が。琵琶湖まで11キロしかないことに驚いた。地政学が好きな人から見れば、水路閣やインクラインの他にも注目すべき所が沢山あるのだろう。私は詳しくないのでブラタモリを見返さなければ…。
そのまま北上して永観堂へ。横を振り返った見返り観音がいるくらいしか知らなかったが、螺旋階段の臥龍廊や欄干に描かれた鼠など見どころが多く素敵な場所だった。高台に登れるので紅葉の季節にはとても綺麗だと思う。
永観堂を出て、哲学の道沿いを北に20分ほど歩いた。長い道のりではあるが、水辺の周りには鴨や野良猫がいて、南天も綺麗で良い散策だった。南禅寺あたりを歩くとやはり、琵琶湖をめぐる水路の旅になる。続いて向かった先は、銀閣寺近くのカフェ「GOSPEL」。住宅街に突如現れる洋館は、ウィリアム・メレル・ヴォーリズによる建築。彼が手掛けた「山の上ホテル」が閉館してしまったことが悲しいので、京都でその心を埋めてみた。スイーツがおいしいのはもちろん、アイランドキッチンの静謐さが、色調をあげたハマスホイの絵画のようで可愛かった。わたしもこういう家に住みたい。
さすがに歩き疲れてきてタクシーを拾い出町柳へ。京都大学や思文閣を通り過ぎ、鴨川を跨いで到着したのは、和菓子の名店「出町ふたば」。購入まで1~2時間ほどかかるという噂に違わずこの日も超行列でした。しかし、2日前までに電話で予約すると全く並ばずに買えるとネットでみたので、実践しました。本当に一瞬で買えた。なぜ皆電話をしないんだ…。購入したのは名代豆餅のほか、よもぎ餅の田舎大福、丹波の黒豆大福、芋餡を大豆の豆餅にくるんだ福豆大福、道明寺の桜餅、お赤飯。鴨川の飛び石を渡り、鴨川デルタで早速名代豆餅をいただいた。あまさ控えめのあんとふっくら炊かれた豆、餅は張りがある柔肌!これが京都の誇る名菓なのかー!と大感動でした。豆大福好き・東京在住としては比べるべきは護国寺の「群林堂」のものだと思うのだが、群林堂のありえん柔らかさに比べて、パツンとした張りがある。
すべて賞味期限が当日だが、一個一個真空で冷凍して常温で解凍したら美味しく食べられた。ちょっと餅がキチョッと堅くなるけど、それもそれで美味しい。宝物として大事に食べました。京都にきたらマストリストに入りました。
食後、下鴨神社の下のほうにある河合神社(鏡型の絵馬に化粧を施すので有名)に寄った。お目当ては鴨長明が方丈記を記したという方丈庵だったが、移転作業のため見学できず…。これまで方丈記に思い入れは無かったのだけど、最近「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。 よどみにうかぶうたかたはかつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」という有名な一節を改めて読んで、「え、これってプロ野球ファンのマインドじゃん…!」とめちゃくちゃ感動してしまって鴨長明リスペクトになりました。チームは変わらずとも選手は常に出入りするという。話の飛躍が過ぎるけれども…。。。せっかく出町柳まで足を延ばしたのだから、と、出町柳駅を始/終点とする叡山電鉄のホームも見てきた。これで鞍馬や比叡山に行けるのかあとロマンを感じました。
旅ももう終盤、くたくたになって京都駅へ下った。伊勢丹でお土産を買って、夕食で駅のイノダコーヒに駆け込んだ。なんだかんだ京都ならではの喫茶店に行ってなかったので。食べたのはナポリタン、ハンバーグサンド、レモネード。骨身に染み渡りました…。帰りの新幹線は奮発してグリーン車に。身体を休めるのに全振りした設備に思わず寝そうになったけど(おそらく寝るのが正解)、せっかくのグリーン車経験がもったいないから頑張って起きてました。
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おまけ
記入漏れしていたお土産の記録。たくさんのお土産をカバンにぱんぱんに詰め込んで、百貨店の催事のお菓子担当さんになった気持ちで楽しかったです。
・阿闍梨餅(満月堂)
大好きな王道お土産。たんまり買ったので、そのまま、トースターで、レンジで…と様々な食べ方で食べた。
・生麩饅頭(三昇堂小倉)
珍しかったので湯葉生姜味を買ってみた。湯葉の触感が残る生麩生地が美味しい。
・生チョコ八つ橋(GODIVA)
職場へのお土産用に。中はガナッシュで、ニッキの味は全くしないのだが、チョコ菓子としてとてもおいしい。バレンタインとしても良いチョイス。
・カルネ(シヅヤ)
普通のハムサンドじゃないの?と思い、今までスルーしていた自分が馬鹿だった。普通のハムサンドっちゃそうなんだけど、これ以上施しようがない美味しさ。コロナ禍には、カイザーロールやボンレスハム、マーガリンを詰め合わせた、手作りカルネセットが販売されていたらしい。再販してほしい。絶対買いますので。
・撫々すぐき(茎屋)
京都の3大漬物すぐき。植物性の乳酸菌で発酵させた塩味マイルドなお漬物で大好き。長野の「すんき」よりはしょっぱくて食べやすい。これを朝、永谷園の海苔茶漬けに乗っけて食べたら、おいしすぎて涙でました。
2月中旬、冬の京都は寒いと散々脅されながら行った1泊2日の記録with母
1日目
11時半ごろ京都駅に到着。春節と被り混んでいるかと思いきやそうでもなかった。とりあえず腹ごしらえ…と八条口から出て徒歩5分ほどの殿田食堂へ。関西に来たら絶対にうどんを食べなきゃという使命感がある。肉うどんとたぬきうどん(厚揚げが乗ったうどんに餡をかけたもの)を頼んだ。冬の京都グルメで下調べしたら、あんかけグルメばかり出てくる。あんかけラバーではないのだが、そこまで激推しするのであれば食べてみようじゃないかと王道のメニューに挑戦してみた次第だ。あんかけは生姜たっぷりで、これから動かす身体をあたためてくれた。大好きな炊いた牛肉の肉うどんも関西出汁の繊細さがありながら、いい意味での食堂っぽい大味さが良かった。ここはお店の人も温かいので、京都駅周辺のごはん屋に迷われる方、おすすめです!
その後、京都駅のすぐ近くに完成した京都市立芸術大学に用事があったので訪問。真新しいキャンパスに美術作品がたくさんあって、学生さんたちがきらきらして見えた。
バスに乗って母の希望で六波羅蜜寺へ。空也上人がいるタイミングで行けてよかった。好きな大河ベスト5に『平清盛』『鎌倉殿の13人』があるので、その時代にゆかりある場所に行けたのが嬉しい。ここは俺たちの泰時とトキューサが建てた六波羅探題…!と感動。空也上人の彫像も目に焼き付けてきました。ここは空也上人が彫った秘仏の観音像が本尊ですが、なんと辰年(コトシ!)に数日のみ公開するらしい。見に行きたいなあ。こじんまりしてたけど見どころが多く、好きなお寺になりました。
続いて歩いて建仁寺へ。禅宗の〇△□庭や双龍図が見られたのはもちろんだが、細川護熙(元総理)の襖絵がたくさんあって、綺麗でまとまってて理想主義的(面白味はない)と感じ、人柄って作品に反映するんだろうなと思った。一番好きだった景色は花頭窓越しに眺める庭園「大雄苑」です。
そのまま夕食に向かうため、30分ほど歩いて先斗町や錦市場を通り、五・四条から三条へ北上して京都市役所前へ。やっぱり歩くと楽しいし土地がわかるが、N条間は結構距離があってつかれた。
夕食は、独自の食文化が形成されているという京都の町中華「鳳泉」に行くと決めていた。ここの焼売にはクワイが入っていると聞いて、訪問の何日か前から「クワイ入り焼売…」と呪文のように何回も唱えていた。開店時間の17時についてもすでに並んでいて30分以上待って入店。それはいいのだが、店の扉に「本日の焼売売り切れ」の張り紙が…。まさかのランチで売り切れパターンがあるんかい。大きなショックを受けた。
でも、京都の町中華には本当に感動しました。知っていますか。花街で発展した京都中華は強烈な匂いを避けるため香辛料やにんにくを使わず、鶏ガラ・昆布だし・からし・あんかけ(ここにも!)を重用した、異色な中華らしいです。この系譜の開祖である「鳳舞」は、くるり「三日月」のMVから見ることが出来ます。
独自の進化を遂げた「京都中華」に入門 40年前に亡くなった「開祖」の味を受け継ぐ名物とは | AERA dot. (アエラドット)
私が頼んだのは、エビカシワソバ、はるまき、唐揚げ、酢豚、卵スープ。途中で耐え切れずに紹興酒。全部衝撃的で未知なる美味しさでした。からしそばはピリッとからしがききながら昆布だしが優しく、シャクシャクのレタスなど具の取り合わせが、「もうこれ以上はないよね!」っていう完成度。はるまきは皮が少し分厚く卵感もありしんなりめ?タケノコがメインだけど、何が入ってるかわからないくらいレイヤーが多い味付け。唐揚げは何と、鳥ももの素揚げ??(に近い薄い衣?)。焼売がなかったから頼んだんだけど、焼売があったとしたらこの美味しさを知らなかったと思うと震える。食べる前、歯を立てた瞬間から美味しすぎて、母と小さく悲鳴をあげていたら、隣のお客さんも追加注文していました。また、私は酢豚について「パイナップルは有りか無しか?」という質問は、「あんこは漉しか粒か」くらい愚門だと思っています。そんなん美味しければそれが正解じゃん。なんとここの酢豚にはパイナップルだけなくライチも入っている!!それが甘味強めな甘酢あんに豚肉と一緒に入っているのだから大興奮でした。
ああ、はやく再訪したいなあ。今回食べたメニューは次来た時もひとつも外せない。旅行後に母が高熱を出しちゃったんだけど、「うなされながら何度も京都の中華を思い出したんだよね…」と言っていた。それくらいインパクトのある食事経験でした。
この興奮のままホテルに帰れないよね、と喫茶店を探した。第一希望はスマート珈琲店だったがイートインの時間が終了していて豆だけ買った。後日家でドリップしたら、いわゆる日本の喫茶店の珈琲の味がして嬉しかった。トーストと合うような味のね。
結局入店したのは小川珈琲の堺町錦店。開店から2年弱の新店舗でバーのようなつくり!コーヒーの種類がとっても多くてシガレットバーに来たみたい。どうせなら味が想像できないものを‥と思いインドネシアのミディアムを頼んだらバナナやタバコを感じて、嗜好品としてのコーヒーの面白さを確認した。コーヒーカクテルも美味しかった!
長くなってしまったので二日目は次に。はやくまた京都に行きたいなあ。これを書いてるときに、ドイツの現代美術家アンゼルム・キーファーが二条城で大規模個展を行うというビックリニュースが流れてきた。これは絶対行きたいけど来年の春の開催まではちょっと待ちきれない!