AN/M2とは何? わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)
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「ブローニングM1919重機関銃」の記事における「AN/M2」の解説
M1919の航空機搭載型。もっとも、開発経緯としてはM1919の原型であるM1917を航空機関銃用に改良した型であるM1918の発展改良型で、M1919とは同系列ながら開発されたルートが異なる。 "AN"とは"Army / Navy"、“陸海軍(共通)”を示す。なお、.30口径の航空機銃でM1およびAN/M1という制式番号のものは存在しておらず、“アメリカにおいて当初から.30口径の航空機用機関銃として開発・制式化された機関銃”としてはAN/M2が最初のものだが、"M1"とすると原型のM1918 M1との混同を招く、として"M2"の制式番号が与えられている。 M1919とは機関部前端の形状が異なることと、バレルジャケットを含めた銃身部が細いことが識別点である。バレルジャケットとレシーバーの板厚を薄くするなどして全体を軽量化し(M1919A4=14kg、AN/M2=11kg)、発射速度は毎分1,200-1,500発に向上している。また、給弾口を部品の交換で左右任意に切り替えられるように設計変更されている。 M1918 M1 M1917の航空機搭載型である1918の改修型。AN/M2の直接の祖である。 M1921(Model 1921, Cal.30) M1918 M1の改良型。発射速度が毎分1000発に向上されている。このモデルから銃身長はM1919A4と同じく24インチとなった。 M1922(Model 1922, Cal.30) M1921の改良型。部品の組み換えで給弾方向が左右どちらからでも可能なように切り替えられるようになった。 Cal.30 T1 M1922の改良型。各部を軽量化し、機体に直接搭載する遠隔トリガー式の固定型に加えて旋回銃架に搭載する手動操作型が開発された。 Cal.30 T2 T1の細部改修型。制式化され"M2(AN/M2)"となる。 .30 AN/M2 1929年制式化。搭載方法および撃発方式によって2種類のタイプがある。AN/M2 固定型(.30 AN/M2 Fixed) 航空機の機体内に装備されて固定武装として用いられるタイプ。グリップは取り外されてトリガーは電磁(ソレノイド)による遠隔操作方式となっており、コッキングハンドルは電磁式の遠隔操作もしくは機関部後端まで操作ハンドルが延長されたものになっている。 AN/M2 銃架搭載型(.30 AN/M2 Flexible) 手動旋回銃架に架装されて用いられるタイプ。ピストル型グリップは両手で握る形式のもの(スペードグリップ)に変更されている。 ダグラスSBD ドーントレス 艦上爆撃機の後部座席に装備された.30 AN/M2の連装銃架 コンソリデーテッドPBY カタリナ飛行艇の収納式機体下面銃座に装備された.30 AN/M2の単装銃架 スティンガー(.30 AN/M2 "Stinger" ) AN/M2に銃床と二脚を装着して軽機関銃として用いることができるようにしたもの。 太平洋戦線で戦う海兵隊員の中には、M1919A4よりも軽量かつ強力な軽機関銃を求める者がいた。彼らはガダルカナル島の戦いの最中に墜落したドーントレス爆撃機からAN/M2を引き上げて地上戦転用の可能性を探った。1943年11月1日のブーゲンビル島上陸の際には、台座に据え付けた状態のAN/M2が支援に用いられた。第9海兵連隊(英語版)の機関銃手、ウィリアム・H・コルビー一等兵(William H. Colby)は、AN/M2に二脚を取り付ける改造を初めて行った。ブーゲンビル島の戦いの最中、パラマリーンズ(英語版)のメル・J・グレビッチ軍曹(Mel J. Grevich)とフィリップ・グレイ中尉(Phillip Gray)は、引き上げられたAN/M2にM1ガーランド(銃床)とM1918A2(二脚、リアサイト)の部品を取り付け、引き金にも改造を施した。この銃は実戦に用いられなかったが、グレビッチには後に硫黄島侵攻への参加が決まった際、上官の許可を得て出発までに自分が使うもののほか5丁のスティンガーを作り上げ、それぞれを彼が信頼する5人の機関銃手に託した。そのうちの1人、トニー・スタインはスティンガーを用いた戦闘のために名誉勲章受章者となった。
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「ブローニングM2重機関銃」の記事における「AN/M2」の解説
M2の航空機搭載型。ただし、地上型のM2から直接開発されたわけではなく、ブローニングM1917重機関銃の航空機搭載型であるM1918M1を.50口径に拡大改設計したものである"Cal.50 Model 1918"より発展したもので、M2の派生型ではあるが開発系統は別個のものである。"AN"とは"Army / Navy"、“陸海軍共通”を示す。 外観及び作動機構や基本的な内部構造は地上型のM2とほぼ同様だが、機関部前端の形状が異なることと、バレルジャケットが銃口部まであることが識別点である。地上型に比べレシーバーの板厚を薄くするなどして全体的に軽量化されており(M2の38kgに対しAN/M2は28kg)、発射速度は毎分600-800発、もしくは毎分700-850発に向上されている。 銃架に架載されて地上型のM2と同様のスペードグリップ/手動トリガーを用いて射手が操作する手動操作型と、電磁式トリガーに対応した撃発システムを用いて戦闘機の主翼や機首に装備され、コックピットからの遠隔操作で発射できるようになっている固定搭載型がある。 P-47 サンダーボルトやB-17といったアメリカ軍戦闘機や爆撃機などに広く搭載された他、ベトナム戦争においてはヘリコプターなどにも搭載された。 P-51Dの主翼内に搭載された3基のAN/M2と給弾ベルト P-51の主翼内機銃装備部 A-26攻撃機の機首爆撃手席を撤去しAN/M2を8連装で搭載した低空攻撃仕様、翼下にもAN/M2を連装にしたガンポッドが見える B-17の機首側面銃座(右舷側)のAN/M2 B-17Gの後部胴体銃座区画左右両側面に単装のAN/M2が、底面には連装のAN/M2を装備する球形銃塔が配置されている B-24 爆撃機の後部胴体側面銃座に装備されているAN/M2 XM59 マウントによってAN/M2をUH-1Dに取り付けた、XM213ドアガンシステム AN/M2(.50 AN/M2)口径0.50 in (12.7 mm) 全長固定式:57.09 in (145.01 cm)、旋回式:56.4 in (143.26 cm) 砲身長36.0 in (91.44 cm) 総重量固定式:61.4 lbs (27.85 kg)、旋回式:65.4 lbs (29.66 kg) 砲身重量10.2 lbs (4.63 kg) 砲口初速2,900 fps (884 m/s) 発射速度700-850 rpm 弾頭重量M2 AP:706.7 gr (45.79 g)、M8 API:622.5 gr (40.34 g) 各型及び輸出型 Cal.50 Model 1918 原型。ブローニング M1917 7.62mm機関銃を航空機関銃用に改良した型であるcal .30 M1918を.50口径(12.7mm)に大口径化した拡大発展型。 Cal.50 M1921E2 1933年に開発された、.50 M1918に陸上型のM1921の航空機搭載用改修モデルであるM1921E1の特徴を採り入れ、更に給弾方向を左右どちらからでも可能となるように変更した2次原型。細部の改修を施した後に"Cal.50 AM/M2"として制式採用された。 Cal.50 AN/M2 量産型。1933年に制式採用され、1934年より発注された。Cal.50 AN/M2 Flexible スペードグリップに手動トリガーを装備した手動操作型。 Cal.50 AN/M2 Fixed 電磁式トリガーを用いる固定搭載型。 Colt MG 53 / MG53A .50 M1921E1およびM2の航空機搭載型(※輸出用の独自仕様で、AN/M2とは異なる)の輸出仕様の名称。MG 53-2 MG 53のバリエーションの一つで、AN/M2に相当するモデル。フィンランドに輸出されたF2A戦闘機(B-239)に搭載されていた。 12,7 mm automatkanon m/45(12.7mm akan m/45) スウェーデン軍における.50 AN/M2の制式名称。 12.7mm akan m/45 発展・改良型 T21 コルト社およびスプリングフィールド造兵廠によって試作された発展型。1940年から1942年にかけてテストが行われ、毎分1,200発の発射速度を達成した。 T22 ハイスタンダード社によって試作された発展型。1942年8月から1943年後半にかけてT22/-E1/-E2/-E3/-E4/-E5/-E6と改良試作品が製造されてテストが繰り返され、作動不良と部品の破損に悩まされたものの、毎分1,066発(T22)/1,219発(T22E2)/1,018発(T22E4)の発射速度を達成した。T26 T22の発展改良型。T22より改造した試作品が製造されたのみにとどまる。 T25 フリッジデール社によって開発された発展型。1944年3月から1944年7月にかけてT25/-E1/-E2/-E3と改良試作が繰り返されてテストが行われ、T25E3では平均して毎分1,250発の発射速度を達成、1945年4月に"Cal.50 M3"として制式採用された。 T36 T22の開発/試験の結果を受けて設計された改良型。既存のAN/M2に適用する能力向上改修として計画され、発射速度を毎分100発程度向上させ、給弾能力の向上と作動不良の減少を達成するものとして完成した。この改修を適用したモデルには"(AN/)M2A1"の制式名が与えられることになったが、AN/M3の開発と製造/運用の切り替えが決定したため、限定的な存在に終わった。 ウィキメディア・コモンズには、cal.50 AN/M2に関連するメディアがあります。
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