なのじ日記帖 (original) (raw)

9月最初の三連休は北海道上川町にある「大雪 森のガーデン」へ。

大自然に囲まれた道を車で進んだ先には
想像していたよりも規模が大きく美しい風景がありました。
今回は庭の中を散歩するに留まりましたが
レストランとヴィラもあり、いつか泊まってみたいです。

こちらが入口。名称の「大雪」は「だいせつ」と濁るらしい。
ちなみに北海道の最も大きな山「大雪山」は「たいせつざん」

ワクワク感!

たくさんの蝶がゆらゆらと飛んでいました、、、

花と緑が青空に映える

萩の道

最近よく見かけるようになったアメリアジサイアナベル
外来種?これはこれで良いのだろうか、、

なぜか懐かしい感じ

ハロウィン?カボチャの飾り付けがチラホラ

素敵な小径

ゆっくり庭園の中を散歩するには丁度良い気温で
甘く濃厚な草花の香りに癒されました。

かなりの数の蝶が花に群がっていたのは正直言うと
ギリギリ鳥肌一歩手前でしたが
蝶のゆらゆらとした動きを見ているとクラクラして
不思議と引き込まれそうになりました。

蝶の動き方やスピードがいつも自分の世界と違いすぎて
ますます「夢の中みたい、、、」と感じたのかも知れません。

パナソニック留美術館の次は東京ステーションギャラリーに行きました。こちらも初めて行く美術館です。

東京ステーションギャラリー入口
これは入りたくなる!

上の看板の左側 入口スライドショー その1

入口スライドショー その2

入口スライドショー その3

ジャン=ミッシェル・フォロン(1934~2005年)はベルギーのアーティストです。「空想旅行案内人」とは本人が名刺に「FOLON: AGENCE DE VOYAGE IMAGINAIRE」と書いていたもので、実際の名刺を拡大したものが最初に展示されていました。自分で名乗るとは、、素敵!

「空想旅行案内人」のフォロンですが、「色彩の魔術師」でもあり本当に色が綺麗で数多くある水彩画にはうっとりです。どうやったらこんなに綺麗なグラデーションになるのかと!制作風景で手元を映した映像がありましたが、思わず見入ってしまいました。

そして今日2回目の「Less is more」の言葉を目にすることになりました。フォロンも建築家ミース・ファン・デル・ローエの言葉に影響を受け、初期のペンだけで描かれたドローイングではシンプルに削ぎ落とされた親しみやすい作品を見ることができました。「Less is more」は世間に多大な影響を与えていたのですね。

帰り際に気が付いたのですがチラシがなんと3種類ありました。

チラシが全部で3種類!

チラシその2

チラシその3

勢いで3つ記事を書きました。楽しいお休みでした!

8月4日日曜日、まずは汐留のパナソニック美術館へ。

パナソニック株式会社のオフィスビルの中にあり、ビル入口からエスカレーターで4階へ。途中「オフィススペースのため撮影禁止」という注意書きも見られました。

地下通路の看板。
この辺りは新しくて綺麗ですね。

デンマークの家具デザイナー、ポール・ケアホルム(1929-1980年)を特集した美術展。アーティゾン美術館では美術作品と空間をみてきましたが、パナソニック留美術館では家具のある空間へ!

会場内では椅子やテーブルなどが台座の上に展示され、目線近くになって見やすかったです。割と点数が多いのでもう少し広い会場で観たいような気も。展示物には触れることができませんが、最後にポール・ケアホルムがデザインした椅子数点に実際に座る事ができるコーナーがありました。デザインが美しいだけではなく座りやすく、さらに座った時にどのように壁や天井を見ることができるのか、そして見た目も洗練されている。やはり名品と呼ばれるものは理由があるのですね。

「時代を超えたミニマリズム」というタイトル。最近よく目にする「ミニマリスト」と言えば必要最低限の物しか持たない人のことですが、ミニマリズムとはなんぞや、とふと考えてしまいました。ミニマリズムに「美」はあれど、私が思うミニマリストに「美」はあるのか、何もない空間の「美」も確かにあるけれど、なんかちょっと違う、合理的に近いのか、本質は何でしょう、、自分なりに考えてみたいようなお題です。

「Less is more」とは20世紀に活躍したドイツ出身の建築家、ミース・ファン・デル・ローエが残した言葉 「少ないほうが豊かである」という意味だそうです。入口で椅子研究家の織田憲嗣氏が解説されている動画で「Less is more」とお話しされていて、「へえー」と思ったのですが、今日もう一度同じ言葉を目にすることに、、、

月日の経つのは早いもので、東京から田舎に越して2年目になりました。数か月ぶりに東京に行き色々と満喫してきたので久々に記事を書きます。

8月2日金曜日の夕方に羽田に到着してホテルにチェックイン。この日は移動だけで、どこにも行く予定がなかったのですが、、、夜になっても明るい!人が沢山いる!こうしちゃいられない!(?)ということで、金曜日は夜8時まで開館されているアーティゾン美術館に行きました。

アーティゾン美術館入口

アーティゾン美術館といえば、所蔵作品から様々なテーマで展示をされていることが多い印象ですが、今回は作品そのものよりも作品が制作された背景、誰が依頼したのか、誰が所有していたのか、こんな風に空間を飾りたい、こだわりのフレーム!など面白い切り口が新鮮でした。

ピカソ『腕を組んですわるサルタンバンク』1923年
超絶技巧のピアニストのホロヴィッツが所有していた!

円山応挙 『竹に狗子波に鴨図襖』18世紀(江戸時代)
手前に畳があり、とても贅沢な展示。

ドローネー『街の窓』1912年 (右上の絵画)

コンスタンティンブランクーシ『接吻(The Kiss)』(1907‐1910年頃)
タイトルを見て真っ先にORIGINAL LOVEのあの歌が頭に流れました、、

「額というよりは作品の延長のような。」
この独り言みたいなキャプションに親近感!

作品がどのように所有者と関わってきたのか、エピソードが紹介されたことによって血のかよったものに感じられました。このような優れた名作中の名作は実際手の届かない存在ではありますが、誰かのお気に入りだった、こんな意図があった、という裏話こそ知ってみると作品がより印象に残り、手の届く美術作品を手元に置いてみたい気持ちになりました。

幅広いジャンルの所蔵品にあらためてアーティゾン美術館、石橋財団のコレクションの凄さに感嘆。大満足の美術展でした。

東京の夜は長い。夜はこれから~!

テート美術館展 光 ― ターナー印象派から現代へ

2023年7月12日(水) ~ 2023年10月 2日(月)

tate2023.exhn.jp

7月22日土曜日、国立新美術館で開催中のテート美術館展に行ってきました。

現在は日時指定予約が不要で
会期中は金曜日と土曜日の開館が20時まで!
気軽に行きやすくなってとても助かります。
人出はまあまあありましたが
始まって間もない割にそれほど混雑もせず、良い感じでした。

「光」をテーマにした展示で絵画だけではなくオブジェもあり
時代も18世紀から現代まで、色んな光の捉え方、
色んな表現があって面白かったです。

地下鉄駅から向かう途中のポスター

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー 「影と闇」
神々しい、、

ジョン・ブレット
「ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡

ジョセフ・ライト
「噴火するヴェスヴィオ山とナポリ湾の島々を臨む眺め」
すごい迫力!

クロード・モネ 「エプト川のポプラ並木」
モネの色彩、大好きです。

草間彌生「去ってゆく冬」
ガラスと鏡で出来ている作品。
丸の穴から中を覗くと沢山の水玉模様が見える不思議。

ヴィルヘルム・ハマスホイ「室内」
展示の影さえも作品に見えてくる不思議。

ワシリー・カンディンスキー「スウィング」

ペー・ホワイト「ぶら下がったかけら」
天井からぶらさがってました。

ゲルハルト・リヒターアブストラクト・ペインティング」
人影も映える印象的な作品。

オラファー・エリアソン「星くずの素粒子
壁に映る影がキラキラと美しい。

別の角度から。

その他写真には撮りませんでしたが、ターナーが美術学校での講義で
遠近法を説明するために作成した図と絵が印象に残りました。

移動中に空き時間が出来たので出光美術館に行きました。

出光美術館に行くのは2度目。
前回行った時はコロナ感染拡大防止策のため事前予約制でしたが
緩和された現在は予約無しで入館できました。
こじんまりとした規模で静かにゆったりと観覧できる好きな美術館です。

尾形乾山生誕360年 琳派のやきもの ―響きあう陶画の美

会期:2023年6月10日(土)〜7月23日(日)

出品リスト

相変わらず目立たない入口。でもそれが良いのです。

展示は「琳派」の尾形光琳実弟尾形乾山(けんざん)の作品中心で
陶芸だけではなく屏風などの絵画、光琳との合作や鈴木其一など
関連作家の作品もあり盛り沢山の内容です。
陶器の絵付けはモチーフの形を綺麗に描かれたものも良かったですが
簡略化された描写のものが粋で素敵でした。
硯箱や蓋つきの箱、お茶碗など生活のものは可愛いらしくて、
使ったらさぞかし気分が上がるだろうなと想像が膨らみます。

場内は写真撮影禁止でしたので、購入したオリジナルポストカードを
撮影してみました。

尾形乾山/色絵百合撫子文角皿

左:野々村仁清/色絵芥子文茶壷 右:尾形乾山/色絵紅葉文壺

下の写真はウィキメディア・コモンズから。今どきの北欧デザインみたい。

色絵椿文輪花向付 / 尾形乾山
ReijiYamashina, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>,
ウィキメディア・コモンズ経由で

以下は好きな作品、自分用メモです。

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・銹絵染付金銀白彩松波文蓋物 尾形乾山 ※展覧会チラシの写真のもの
(さびえそめつけきんぎんはくさいまつなみもんふたもの)
・銹絵染付白彩薄蝶文平鉢 尾形乾山
(さびえそめつけはくさいすすきちょうもんひらばち)
・染付白彩流水文鉢 尾形乾山
(そめつけはくさいりゅうもんばち)
・流水図屏風 伝 尾形光琳
・色絵椿文輪花向付 尾形乾山
(いろえつばきもんりんかむこうづけ)
・色絵竜田川文透彫反鉢 尾形乾山
(いろえたつたがわもんすかしぼりそりばち)
・麦・芥子図屏風 狩野重信
・桜・楓図屏風 鈴木其一

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現代美術館で開催中の「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」に行ってきました。思っていた以上に凄かったです。

www.mot-art-museum.jp

この展覧会は当日券が少しあるそうですが、すぐに売り切れてしまうそうで基本的に日時予約制です。
会期は5月28日までですが、今見ても全て埋まっていて予約可能な日時はありません。
私が今日の予約を取った時も同じく予約可能な日が全く無い状態でしたが
何度か予約サイトをチェックしているとキャンセルがポツリポツリと出るようで、
それをササっと拾いました。(モタモタしていて先を越されたことも、、)

東京都現代美術館清澄白河駅から結構歩きます。

会場の入り口付近。入場の時にここで少し並びました。

一番最初の展示がこちら。

日本とのお付き合いは長い

日本の伝統的な模様がアクセントに。

マリア・グラツィア・キウリ。現在のデザイナーの作品。
ナチュラルでデリケートな色味と刺繍が素敵でした。

これもマリア・グラツィア・キウリ。本当に可愛い。

1957-1960のデザイナー、イヴ・サンローランの作品。今の時代でも全く違和感がない。

同じくイヴ・サンローラン

クリスチャン・ディオールの作品。「ニュールック」というのでしょうか。

歴代デザイナー毎に展示された部屋ではそれぞれの特徴が表れていて面白かったです。
マリア・グラツィア・キウリは現在のデザイナーなので感覚がマッチするのか、とても好きです。イヴ・サンローランの上品でウエストを絞り過ぎずポワンとさせる感じは今着ても全然違和感がなさそうです。
写真は省略しましたがジャンフランコ・フェレ、ジョン・ガリアーノは時代もあったのでしょうが絢爛豪華でボリューム感満載、ラフ・シモンズ、マルク・ボアンも上品で良かったです。

「THE DIOR BALL」というタイトルの展示。圧巻。「おぉ」と声が上がっていました。

クチュリエの部屋。針が刺さった状態で。刺繍位置はこんな風に決めているのですね。

これもクチュリエの部屋で。

「ミス・ディオールの庭」、というタイトルの部屋。刺繍がすごい

こちらも「ミス・ディオールの庭」で。夢の中みたい・・・

「ミス・ディオールの庭」のドレス。刺繍!

これまた夢のような世界が、、

フォトグラファー髙木由利子さんの作品

写真満載の記事になってしまいましたが、、、これは極々一部でここに全く載せていない展示室もあり、ドレスの他にディオールの香水のCM映像集や髙木由利子さんの写真撮影のインタビュー映像など、見応えのある展覧会でした。
作品数がかなり多かったので、刺繍をじっくり見たりしていると簡単に1時間は経過していました。情報量も多く作品のエネルギーも強くて物凄く疲れましたが物凄く面白かったです。

今回「しまった~」と思ったのは現地にもチラシや出品リストが無く、web上にもあまり詳しい情報が載っていないので気になる内容はメモや写真を撮っておけばよかったです。

フォトグラファーの髙木由利子さんは今回初めて知りましたがとても素敵な写真ばかりでポストカードを買ってきました。

帰宅後色々調べていたところ展覧会に関わったクリエイターが紹介されている動画のページがありました。あの世界観はこうやって作られたのかと、あらためて感動です。すごい展示会でした。

ps.nikkei.com