辞書と松屋 (original) (raw)
小学館の『**日本国語大辞典 第2版』は14巻セットの日本最大の国語辞典です。定価は税込で1巻あたり1万6500円、全巻で23万1000円**にのぼります。
辞書好きとしては是非とも家に置いておきたいものですが、なにしろ高額です。古本ならいくらか安く買えますが、個人的には新本で買える、絶版になっていない本を古本で買うことにかなり抵抗があって、あまりやりたくありません。
「欲しいけど高すぎる」というジレンマの中でずっと悩んでいましたが、最近「欲しい」がちょっと勝ってきたので、思い切って買ってしまうことにしました。ただし、少しでもおトクに買えるようにできる限りの手を尽くします。
利用するサイトの決定
まずは利用するサイトを慎重に選ぶところから始めます。
小学館のホームページの書籍紹介ページの「購入する」ボタンを押すと下のように通販サイトへのリンクの一覧が出てきます。この中から、ポイント還元率などを見て良さげなサイトを探していきます。
通常のポイント還元率を比べてみるとヨドバシ.comが3%と高めです。14冊で7000ポイント近くになるので大きいですが、もうちょっと上を目指したいです。
キャンペーンを加味すると**楽天**も良さそうです。複数の期間限定キャンペーンやクーポンを組み合わせると実質1万円分くらいおトクになりそうなことがわかりました。
ちなみに、このような高額商品の購入でポイント還元キャンペーンを利用する場合は「上限」に注意しないといけません。楽天ではこの時ちょうど本をたくさん同時購入するとポイントが最大12倍になるキャンペーンをやっていました。いま14冊買おうとしているので一見かなりの量の還元を期待できそうです。しかし、1注文あたり2500ポイントかつ合計1人あたり7500ポイントという上限の設定があり、実際には12%分フルでの還元は受けられません。
話を戻して、そうは言っても楽天が結局いちばんおトクかなと思いつつさらに見ていくと、**HMV&Books**で下の画像のようなキャンペーンが行われているのを見つけました。
書籍の購入で20%還元!かなり強いです。税込1万円以上の購入という条件がありますが、今回は余裕で満たしています。
シンプルに還元率が高くてすごいですが、それより何より重要なのは還元上限の記載がどこにもない点です。見落としているだけではないかと不安になって関連するQ&AページやSNSの書き込みをめちゃくちゃ丁寧に確認しましたが、上限があるような旨はどこにも書かれていません。つまりどれだけ買っても20%分フルで還元を受けられるということです。
税抜に対して20%なので実質は約18%であるとか、ポイントではなく値引きクーポンという形で還元されるのでやや融通が利きにくいとか注意点はありますが、それでも上限なしは強すぎます。利用するサイトはここに決定です。即座にHMV&Booksに登録しました。
購入の流れ
購入に進む前に、踏んでおきたい手順が一つあります。ポイントサイトの経由です。
今回は「LINEブランドカタログ」(旧称LINEショッピング)を利用します。下の画像の「買い物する」ボタンからHMV&Booksのサイトを開くだけで、記載のとおり購入金額の1%分のポイントを獲得できます。率で言えばしょぼいですが、20万円の1%は2000円相当ですからまあまあの額です。
ポイントサイトは世の中に大量にありますが、LINEブランドカタログはLINEアプリ内からLINEアカウントで利用できるのが便利な点です。還元率はポイントサイトによって異なっていて、調べると3%還元のところもありました。それだけのためにそのポイントサイトに登録するのは面倒だったので利用しませんでしたが、額が額なので登録しても良かったかもしれません。
ちなみに、iPhoneなどのSafariからポイントサイト類を利用する際は設定の「サイト越えトラッキングを防ぐ」をオフにしておきましょう。
さて、サイトを開いたらあとは商品を検索してひたすらカートにぶち込んで会計に進みます。
まずは14冊中12冊を買います。これで3万6000円分が還元されるので、還元後にそれを使って残りの2冊を買う計画です。2冊で3万3000円なので3000円分余りますが、それはまた別の本の購入に充てることにします。
ちなみにHMV&Booksは注文金額に関わらず配送料330円がかかってしまいます。一応コンビニ受け取りにすると配送料無料になりますが、さすがに12冊をコンビニから家まで自力で運ぶ気にはなれないのでそこまではしません。端数も端数ですし。
注文完了!
一部の巻が取り寄せになっていたので、発送まで何日かかかりそうです。気長に待ちましょう。
…
4日後、メールで発送通知が届きました。このタイミングで先日の3万6000円分のクーポンが還元されます。
これを使って残りの2冊を買います。LINEブランドカタログを経由するのを忘れずに。
お支払い金額0円!12冊購入すると2冊タダで付いてくる!
配送料にクーポンは適用できないので、せっかくならと今回はコンビニ受け取りにして完全無料にしておきました。
到着
佐川急便から最初の12冊の「お届け予定」の通知がきたとき、置き配を指定しようとしてもできませんでした。HMV&Books側がそういう設定にしている?置き配にさせてほしかった…
12冊は段ボール3箱に分かれて来ました。そして数日後に残りの2冊も受け取ると、合計で段ボール4箱になりました。
まとめて一気に開封します!
無事、全14冊を手に入れることができました!
これでいつでも『日国』が引ける!!!
…
ということで、20万円を切る値段で『日国 第2版』全巻を揃えることができました。大学生のうちに10%引きの生協価格で買っておけばよかったと少し後悔していたのですが、結果的にそれより安上がりになりました。
HMV&Booksのこのキャンペーンはなんと毎週末に実施しているっぽいです。趣味系、エンタメ系のイメージが強いサイトですが、本なら割と何でも買うことができるようなので、皆さんもぜひ利用してみてくださいね!
ネット記事を見ていたらこんな文に出会いました。
庫腹については、夏以降、満庫状態はピークアウトし、少し余裕が出てきた倉庫もあるようだ。
“2024年問題”迫る物流業界でも、「値上げラッシュ」で荷動き低調な業種とは? | 物流専門紙カーゴニュース発 | ダイヤモンド・オンライン
「満庫」という言葉は初めて聞きました。読み方は「まんこ」でしょうか?どういう意味の言葉なんでしょうか?
知らない言葉に出会ったらまずは辞書!さっそく手元の国語辞典で調べてみることにしました!
まずは『広辞苑』第7版!
うーん、載ってない!同音異義語は2つも載ってるのに…😣
もうちょっと小型の国語辞典も見てみます!
『岩波国語辞典』第8版
『旺文社国語辞典』第12版
『明鏡国語辞典』第3版
『新選国語辞典』第10版
『新明解国語辞典』第8版
『現代国語例解辞典』第5版
『学研現代新国語辞典』第6版
『三省堂現代新国語辞典』第7版
『集英社国語辞典』第3版
『角川国語辞典』新版
『三省堂国語辞典』第8版
載ってた!🥹
「車庫・倉庫がいっぱいになっていること」という意味だったのかー!
意味がわかってすっきり!『**三省堂国語辞典**』ありがとう!
助動詞「り」の接続には大きく分けて次の3つの説があります。
- 四段活用の已然形、サ変の未然形に接続。
- 四段活用の命令形、サ変の未然形に接続。
- 四段活用の命令形、サ変の命令形に接続。
その背景については前編をご覧ください。この記事では、市販の小型古語辞典15種類が「り」の接続をどのように扱っているか調査し、その結果を比較してまとめていきます。
調査結果の見方
各古語辞典の助動詞「り」の項目(もしくは本文中でその至近にあるコラム)内に書かれている内容を表にまとめています。表の内容は次のとおりです。
- 古語辞典の助動詞の項目にはほぼ必ずある接続欄の記述をそのまま引用しました。
- 「り」の接続の説明に関わる下記の6つのポイントにあたる内容が書かれているかを○×で示しました。
- 命令形接続であるとする理由が消滅した中古/平安時代以降の接続について特に書かれている部分をそのまま引用しました。該当する記述がない場合は×としました。
6つのポイント
- 四段動詞は従来は已然形接続とされたという学説史的な面に触れているか。
- 四段動詞は上代特殊仮名遣い/奈良時代の万葉仮名に基づくと命令形接続であるというように、仮名遣いが根拠である旨に触れているか。(「上代特殊仮名遣い」という術語が使用されているかは問わない。)
- 上代には已然形と命令形の語形に区別があったというように、上代特殊仮名遣いに基づくと具体的に何が言えるのかを示しているか。
- 接続しているのは本来の意味での命令形ではないという趣旨のことが明記されているか。(「命令形に相当する形」のような表現が登場するのみの場合は×とした。)
- 四段動詞が命令形接続ならサ変動詞も命令形とみなした方が統一的であるというように、サ変を命令形接続とみなす場合の理由が明記されているか。(そもそも「せ」音には上代特殊仮名遣いによる区別が見られないため、サ変だけ見るとこれを命令形接続とする理由は本来はない。)
- 已然形でも未然形でもなく「エ段に接続」と考えるのが良いという活用形にとらわれない考え方を提示しているか。
調査結果
古語辞典には、用例全文に現代語訳が付された「全訳」のものとそうでないものとがあります。ここではまず全訳でないもの(6種)を出版年が新しい順に見ていき、その後に全訳のもの(9種)を同様に見ていきます。
『旺文社古語辞典』第十版増補版
出版社:旺文社 出版年:2015
全訳ではない小型の古語辞典では唯一21世紀になってからも改訂が続いている。とはいえ最終改訂から9年、第十版の最初の発行から数えると16年たっているので「続いている」と言えるか怪しくなってきた。
接続欄 | |
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四段活用の已然形とサ変の未然形とに付く。四段・サ変の命令形に付くとする説もある。 | |
四段動詞は従来は已然形接続とされた | ○ |
四段動詞は上代特殊仮名遣い/奈良時代の万葉仮名に基づくと命令形接続である | ○ |
上代には已然形と命令形の語形に区別があった | ○ |
接続しているのは本来の意味での命令形ではない | × |
四段動詞が命令形接続ならサ変動詞も命令形とみなした方が統一的である | × |
已然形でも未然形でもなく「エ段に接続」と考えるのが良い | × |
中古/平安時代以降の接続について | |
上代の例は動詞の連用形に「あり」の付いた複合動詞が音の上で変化したものであって、助動詞として使われるのは中古以後であるとも考えられるので、接続は右(引用注:上記の接続欄)のようにした。 |
『三省堂詳説古語辞典』
出版社:三省堂 出版年:2000
2017年に突然、同内容でややサイズの小さい「小型版」が刊行された。
接続欄 | |
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四段動詞の命令形(已然形)、サ変動詞の未然形に付く | |
四段動詞は従来は已然形接続とされた | × |
四段動詞は上代特殊仮名遣い/奈良時代の万葉仮名に基づくと命令形接続である | ○ |
上代には已然形と命令形の語形に区別があった | × |
接続しているのは本来の意味での命令形ではない | ○ |
四段動詞が命令形接続ならサ変動詞も命令形とみなした方が統一的である | × |
已然形でも未然形でもなく「エ段に接続」と考えるのが良い | × |
中古/平安時代以降の接続について | |
便宜的には已然形という説明でもかまわない |
『古語林』
出版社:大修館書店 出版年:1997
重要な助詞・助動詞の説明が全訳でない古語辞典の中では特に充実しており、かつ見やすくコラムの形にまとめられている。
接続欄 | |
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四段活用動詞の命令形、およびサ行変格活用動詞の未然形に付く。他に、「四段・サ変ともにその命令形に付く」とする説や「四段の已然、サ変の未然に付く」とする説もある。 | |
四段動詞は従来は已然形接続とされた | ○ |
四段動詞は上代特殊仮名遣い/奈良時代の万葉仮名に基づくと命令形接続である | ○ |
上代には已然形と命令形の語形に区別があった | × |
接続しているのは本来の意味での命令形ではない | ○ |
四段動詞が命令形接続ならサ変動詞も命令形とみなした方が統一的である | × |
已然形でも未然形でもなく「エ段に接続」と考えるのが良い | × |
中古/平安時代以降の接続について | |
× |
『ベネッセ古語辞典』
出版社:ベネッセ 出版年:1997
国文学用語や古典に関わる固有名詞を掲載した巻末の「事典部」が250ページ6000語に及び充実している。一部の見出し語については傍線を使って上代特殊仮名遣いの区別が示されている。
接続欄 | |
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四段動詞の已然形、サ変動詞の未然形に付く。 | |
四段動詞は従来は已然形接続とされた | ○ |
四段動詞は上代特殊仮名遣い/奈良時代の万葉仮名に基づくと命令形接続である | ○ |
上代には已然形と命令形の語形に区別があった | ○ |
接続しているのは本来の意味での命令形ではない | ○ |
四段動詞が命令形接続ならサ変動詞も命令形とみなした方が統一的である | × |
已然形でも未然形でもなく「エ段に接続」と考えるのが良い | × |
中古/平安時代以降の接続について | |
四段動詞の已然形、サ変動詞の未然形に付くとする旧説が、入門期の学習には穏やかであり、実際そのように指導されていることが多い。 |
『新明解古語辞典』第三版
出版社:三省堂 出版年:1995
現在は惜しくも絶版。初版には「補注版」という別バージョンがあり、何やらすごかったと言われている。
接続欄 | |
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上代では四段・サ変動詞の命令形相当語形に付き、四段動詞の已然形と命令形の区別がなくなった平安時代以後は、四段動詞には已然形に付き、サ変動詞には未然形に付くと考えるのが普通。 | |
四段動詞は従来は已然形接続とされた | × |
四段動詞は上代特殊仮名遣い/奈良時代の万葉仮名に基づくと命令形接続である | ○ |
上代には已然形と命令形の語形に区別があった | ○ |
接続しているのは本来の意味での命令形ではない | ○ |
四段動詞が命令形接続ならサ変動詞も命令形とみなした方が統一的である | × |
已然形でも未然形でもなく「エ段に接続」と考えるのが良い | ○ |
中古/平安時代以降の接続について | |
四段動詞には已然形に、サ変動詞には未然形に付くとするのが普通になった。 |
『岩波古語辞典』補訂版
出版社:岩波書店 出版年:1990
現在市販されている小型の古語辞典では唯一明らかに高校生用ではない。本文が単色刷りで重要語句の強調やコラムや挿し絵などもない、動詞の見出し語形に連用形を採用、上代特殊仮名遣いを漏らさず表示、形容動詞という品詞を認めず全て名詞扱い、同根・同源語の指摘が豊富、…など他の同サイズの古語辞典とは一線を画す特徴をもつ。また、初版は古語辞典界で初めて「単に言葉の訳語と文例とを挙げるだけ」でなく「個々の基本語の意味の特性を、文章によって記述し」たものだったらしい(p.1「補訂版の序」)。
接続欄 | |
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「り」は従来は四段は已然形、サ変は未然形を承けると説かれたが、四段・サ変の動詞では、形の上ではともに命令形を承けたことが明らかになった。また、「り」はカ変・上一段の動詞にも接続する。 | |
四段動詞は従来は已然形接続とされた | ○ |
四段動詞は上代特殊仮名遣い/奈良時代の万葉仮名に基づくと命令形接続である | ○ |
上代には已然形と命令形の語形に区別があった | ○ |
接続しているのは本来の意味での命令形ではない | ○ |
四段動詞が命令形接続ならサ変動詞も命令形とみなした方が統一的である | ○ |
已然形でも未然形でもなく「エ段に接続」と考えるのが良い | × |
中古/平安時代以降の接続について | |
× |
『旺文社全訳古語辞典』第五版
出版社:旺文社 出版年:2018
同内容でややサイズの小さい「小型版」も刊行されている。
接続欄 | |
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四段動詞の已然形、およびサ変動詞の未然形に付く。 | |
四段動詞は従来は已然形接続とされた | ○ |
四段動詞は上代特殊仮名遣い/奈良時代の万葉仮名に基づくと命令形接続である | ○ |
上代には已然形と命令形の語形に区別があった | ○ |
接続しているのは本来の意味での命令形ではない | × |
四段動詞が命令形接続ならサ変動詞も命令形とみなした方が統一的である | × |
已然形でも未然形でもなく「エ段に接続」と考えるのが良い | × |
中古/平安時代以降の接続について | |
従来どおり四段動詞の已然形に接続するといっても、歴史的仮名遣いの上では矛盾をきたさない。それで、便宜上、四段動詞の已然形に接続すると説明しているのである。 |
『三省堂全訳読解古語辞典』第五版
出版社:三省堂 出版年:2017
本文中のコラムの数が非常に多い。同内容でややサイズの小さい「小型版」も刊行されている。
接続欄 | |
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四段動詞の已然形(命令形)、サ変動詞の未然形に付く。 | |
四段動詞は従来は已然形接続とされた | × |
四段動詞は上代特殊仮名遣い/奈良時代の万葉仮名に基づくと命令形接続である | ○ |
上代には已然形と命令形の語形に区別があった | ○ |
接続しているのは本来の意味での命令形ではない | × |
四段動詞が命令形接続ならサ変動詞も命令形とみなした方が統一的である | × |
已然形でも未然形でもなく「エ段に接続」と考えるのが良い | ○ |
中古/平安時代以降の接続について | |
命令形に助動詞が付くと考えるのは不自然であるため、一般には四段動詞には已然形に付くものと説明されている。 |
『新全訳古語辞典』
出版社:大修館書店 出版年:2017
通常は巻末にありそうな「付録」が本文の途中に差し込まれた不思議な構成になっている。
接続欄 | |
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四段活用動詞の命令形、およびサ行変格活用動詞の未然形に付く。他に、「四段・サ変ともにその命令形に付く」とする説や「四段の已然、サ変の未然に付く」とする説もある。 | |
四段動詞は従来は已然形接続とされた | × |
四段動詞は上代特殊仮名遣い/奈良時代の万葉仮名に基づくと命令形接続である | ○ |
上代には已然形と命令形の語形に区別があった | ○ |
接続しているのは本来の意味での命令形ではない | ○ |
四段動詞が命令形接続ならサ変動詞も命令形とみなした方が統一的である | × |
已然形でも未然形でもなく「エ段に接続」と考えるのが良い | × |
中古/平安時代以降の接続について | |
× |
『学研全訳古語辞典』改訂第二版
出版社:学研 出版年:2014
同内容でややサイズの小さい「小型版」も刊行されている。しおりひもが付いている。
接続欄 | |
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四段動詞の命令形とサ変動詞の未然形に付く。 | |
四段動詞は従来は已然形接続とされた | × |
四段動詞は上代特殊仮名遣い/奈良時代の万葉仮名に基づくと命令形接続である | × |
上代には已然形と命令形の語形に区別があった | ○ |
接続しているのは本来の意味での命令形ではない | × |
四段動詞が命令形接続ならサ変動詞も命令形とみなした方が統一的である | × |
已然形でも未然形でもなく「エ段に接続」と考えるのが良い | × |
中古/平安時代以降の接続について | |
四段動詞の已然形に接続しているとみてもよいし、命令形についているとみても、さしつかえない。 |
『ベネッセ全訳古語辞典』改訂版
出版社:ベネッセ 出版年:2007
序文にあたるものがない珍しい辞書。ちなみに、当辞書の編者の中村幸弘氏が共編者である他の辞書のうち『ベネッセ表現読解国語辞典』にはやはり序文がないが、『ベネッセ古語辞典』には序文がある。同内容でややサイズの小さい「携帯版」も刊行されている。
接続欄 | |
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四段動詞の已然形、サ変には未然形に付く。 | |
四段動詞は従来は已然形接続とされた | × |
四段動詞は上代特殊仮名遣い/奈良時代の万葉仮名に基づくと命令形接続である | ○ |
上代には已然形と命令形の語形に区別があった | ○ |
接続しているのは本来の意味での命令形ではない | × |
四段動詞が命令形接続ならサ変動詞も命令形とみなした方が統一的である | × |
已然形でも未然形でもなく「エ段に接続」と考えるのが良い | × |
中古/平安時代以降の接続について | |
一般には四段動詞の已然形・サ変動詞の未然形に付くものとして取り扱われる。 |
『東書最新全訳古語辞典』
出版社:東京書籍 出版年:2006
重要語は用例部分が二段組で、上段が原文、下段が現代語訳というレイアウトになっている。
接続欄 | |
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サ変動詞の未然形、四段動詞の命令形に付く。ただし、四段動詞の已然形に付くとする説もある。 | |
四段動詞は従来は已然形接続とされた | × |
四段動詞は上代特殊仮名遣い/奈良時代の万葉仮名に基づくと命令形接続である | × |
上代には已然形と命令形の語形に区別があった | ○ |
接続しているのは本来の意味での命令形ではない | × |
四段動詞が命令形接続ならサ変動詞も命令形とみなした方が統一的である | × |
已然形でも未然形でもなく「エ段に接続」と考えるのが良い | × |
中古/平安時代以降の接続について | |
已然形とするのは、(中略)意味上、命令形より已然形とするほうが自然であるとする考えによる。 |
『全訳全解古語辞典』
出版社:文英堂 出版年:2004
重要語はそれぞれ末尾にその項目の執筆者名が示されているのが特徴的。なお「全訳」になっているのはそれらの重要語2000語あまりだけで、その他の語の用例には基本的に現代語訳は付いていない。
接続欄 | |
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四段活用の動詞の已然形(命令形)、サ変動詞の未然形につく。 | |
四段動詞は従来は已然形接続とされた | × |
四段動詞は上代特殊仮名遣い/奈良時代の万葉仮名に基づくと命令形接続である | ○ |
上代には已然形と命令形の語形に区別があった | ○ |
接続しているのは本来の意味での命令形ではない | × |
四段動詞が命令形接続ならサ変動詞も命令形とみなした方が統一的である | × |
已然形でも未然形でもなく「エ段に接続」と考えるのが良い | × |
中古/平安時代以降の接続について | |
命令形に助動詞がつくというのはいささか奇妙なので、(中略)「り」は已然形につくともいわれる。 |
『小学館全文全訳古語辞典』
出版社:小学館 出版年:2004
前身の『全訳古語例解辞典』は古語辞典界で初めて「全訳」という言葉を使った辞書だったらしい。巻末には他の古語辞典にありそうでなかなか無い「現古辞典」(現代語から古語が引ける辞典)がついている。
接続欄 | |
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四段活用の動詞の命令形、サ変動詞の未然形に付く。 | |
四段動詞は従来は已然形接続とされた | × |
四段動詞は上代特殊仮名遣い/奈良時代の万葉仮名に基づくと命令形接続である | × |
上代には已然形と命令形の語形に区別があった | × |
接続しているのは本来の意味での命令形ではない | × |
四段動詞が命令形接続ならサ変動詞も命令形とみなした方が統一的である | × |
已然形でも未然形でもなく「エ段に接続」と考えるのが良い | ○ |
中古/平安時代以降の接続について | |
× |
『角川全訳古語辞典』
出版社:角川書店 出版年:2002
接続欄 | |
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四段動詞の命令形、サ変動詞の未然形に付く。 | |
四段動詞は従来は已然形接続とされた | × |
四段動詞は上代特殊仮名遣い/奈良時代の万葉仮名に基づくと命令形接続である | ○ |
上代には已然形と命令形の語形に区別があった | ○ |
接続しているのは本来の意味での命令形ではない | × |
四段動詞が命令形接続ならサ変動詞も命令形とみなした方が統一的である | × |
已然形でも未然形でもなく「エ段に接続」と考えるのが良い | × |
中古/平安時代以降の接続について | |
従来、四段動詞の已然形、サ変動詞の未然形に付くとされてきた。 |
まとめ
ここからは、以上の調査結果を観点別にまとめていきます。
どの説をとる辞書が多い?
最初に見たとおり、助動詞「り」の接続については3つの説がありました。調査結果のうち「接続欄」の内容に基づいて、どの説を採用する辞書が多いのか見てみましょう。
- 四段活用の已然形、サ変の未然形に接続: 6 [4]
- 四段活用の命令形、サ変の未然形に接続: 7 [2]
- 四段活用の命令形、サ変の命令形に接続: 1 [3]
- その他: 1(新明解)
左の数字がその説をメインに採用している辞書の数で、右の[ ]に入った数字がその説を(「とする説もある」などの形で)併記している辞書の数です。已然形説と命令形説はかなり拮抗していることがわかりました。
『ベネッセ』、『旺文社全訳』、『ベネッセ全訳』の3冊は接続欄に已然形接続説しか載せていませんでしたが、いずれも後に続く解説の中で上代特殊仮名遣いからは命令形接続と言える旨を記載しています。一方で接続欄に命令形接続説しか載せていない辞書としては『学研全訳』、『**小学館全文全訳』、『角川全訳**』がありましたが、やはりいずれも已然形接続説もあるという旨は書かれています。
『新明解』は上代と平安時代とに分けて記載しており、どちらをメインに据えているということもありません。さらに、他の辞書では、後の解説の中で「命令形に相当する形」のような表現を使うにしても接続欄では単に「命令形」などと暫定的に一言で記載しているものですが、『新明解』はそういうこともしていません。他の辞書と比べて接続欄の書き方が慎重で、言葉数が多くなっています。
命令形接続とする理由を説明している辞書はどれくらいある?
「四段動詞は上代特殊仮名遣い/奈良時代の万葉仮名に基づくと命令形接続である」、「上代には已然形と命令形の語形に区別があった」の2つの項目は多くの辞書でともに○になっており、命令形説の根拠が奈良時代の仮名遣い(=上代特殊仮名遣い)に求められる旨がしっかり説明されている辞書が多いことがわかりました。
前者のみに○が付いた辞書としては『**三省堂詳説』、『古語林**』の2つがあります。両辞書には、上代の万葉仮名というキーワードこそ登場しますが、それによってなぜ命令形接続という判断になるのかが具体的には書かれていません。
対して、後者のみに○が付いた辞書としては『学研全訳』、『東書最新全訳』の2つがあります。『学研全訳』では、上代には已然形と命令形とで「音」が違っていて命令形の音と「り」の前の音が同一だったという説明になっており、仮名遣いの話は出てきません。『東書最新全訳』も同じく「発音」が異なっていたという説明で、「用いられる漢字も異なって」いたとは書かれていますが、それが仮名遣いの話であることは書かれていません。実際のところ仮名遣いが違うと言われるより発音が違うと言われた方がピンときやすいと思われるので、こういう説明もありでしょう。
両項目とも×なのは唯一『**小学館全文全訳**』だけでした。この辞書は命令形説と已然形説の両説ある旨を一応記載してはいますが、そんなことはどうでもいいのでとにかく「エ」に接続するという理解をするようにと誘導していて、詳しい話は何も書かれていません。2説ある理由については「ラ変動詞「あり」がその成立に関わるので」というかなり飛躍した簡素な説明があるにとどまります。そもそもこの一連の記述は「る・れ」はエに接続していたら完了という助動詞の識別方法を説明するコラム内の一文に押し込められていて、高校生の学習の便のために必要なこと以外書かないというスタンスが感じ取れます。学校の副教材や学習参考書に近い姿勢かもしれません。
サ変動詞を命令形接続とする理由を説明している辞書はどれくらいある?
「四段動詞が命令形接続ならサ変動詞も命令形とみなした方が統一的である」に○が付いた辞書は『岩波』ただ1つでした。というか『岩波』のためにこの調査項目を設けました。
先に述べたとおり上代特殊仮名遣いだけに基づくなら「り」に接続する「せ」を未然形ではなくわざわざ命令形とする理由はないので、命令形接続だと主張するからには別の理由を示してあげなければなりません。ところが、ほとんどの辞書ではそこを省略しています。
対して『岩波』は学習用辞書ではないこともあって高校古典文法の範囲を大幅に超えた専門的で詳細な説明を載せており、この点についても横着せずにしっかり説明しています。いわく、「サ変の命令形「せよ」は、古形では「よ」を欠いて「せ」だけであったから」、これに接続するとみなす方が「四段活用との対比においては統一的な見方である」ということだそうです。それだけのことですが、わざわざ言語化して説明してくれているというのはありがたいです。
已然形接続とする理由はどう説明されている?
ここまでで命令形接続説の理由ははっきりしました。それでは一方の已然形接続説がとられる理由についてはどのように説明されているのでしょうか。
接続欄で已然形接続説をメインに採用していた辞書を中心に、已然形説の理由らしきものを「中古/平安時代以降の接続について」として引用した中からさらに抜き出してみます。
- 助動詞として使われるのは中古以後であるとも考えられるので(旺文社)
- そうするのが普通(新明解)
- 入門期の学習には穏やかであり、実際そのように指導されていることが多い(ベネッセ)
- 歴史的仮名遣いの上では矛盾をきたさないので、便宜上(旺文社全訳)
- 命令形に助動詞が付くと考えるのは不自然(三省堂全訳読解)
- 一般にはそう取り扱われる(ベネッセ全訳)
- 意味上そのほうが自然である(東書最新全訳)
- 命令形に助動詞がつくというのはいささか奇妙(全訳全解)
『旺文社』と『旺文社全訳』は命令形接続とする必要がない理由は述べていますが、已然形とするべき理由は書いていません。『新明解』と『ベネッセ全訳』は既成事実として一般に已然形接続とされているという趣旨のことだけが書かれています。その辞書が接続欄に已然形と表示している理由としては一応成立していそうですが、やはり已然形説を支持すべき直接的な理由は述べられていません。
『ベネッセ』は「入門期の学習には穏やか」というかなりぼんやりとした理由を挙げています。なぜ穏やかと言えるのかはっきりとは書いていません。そこまではっきり言語化しなくてもなんとなくそう思うでしょ?ということでしょうか。
それに対して、もう少ししっかりと言語化しているのが『**三省堂全訳読解』、『全訳全解』、『東書最新全訳**』の3冊です。『三省堂全訳読解』と『全訳全解』は命令形説が適しない理由を書いており、『東書最新全訳』は已然形説が適する理由を書いています。意味上自然というのは、「已」が「すでに」という意味なので完了の意味に合っているという話でしょうか。どちらの理由も素人ながらに予想できた範囲のもので、目新しさはありません。しかし、素人予想が正しいかどうかは素人だけでは判断できず、こうやってしっかりした文献に同じことが書いてあって初めて正しかったのだと判断できます。そういう意味で、このように一見言うまでもなさそうなことを言語化してくれている辞書の存在は貴重です。
おわりに
今回は「り」の接続という大学受験や古典の読解という目的ではほとんど不要な問題が限られた紙面の中でどれくらい詳細に扱われているかを比較してみました。その結果、かなり踏み込んで説明している辞書からほとんど説明がない辞書までさまざまであることがわかりました。
皆さんが持っている古語辞典は今回の調査対象15冊の中に含まれていましたか?含まれていた方もいなかった方も、この機会に一度「り」を引いて実際の記述を確認してみてはいかがでしょうか。
それでは!
Q.「思へ」は何形か?
古語の完了・存続の助動詞「り」は、四段活用動詞またはサ行変格活用動詞にくっついて「思へり」のように使われます。では、このときの「思へ」は四段活用動詞「思ふ」の「何形」にあたるのでしょうか?
「思ふ」は「思は・思ひ・思ふ・思ふ・思へ・思へ」と活用しますから、「思へ」の形になるのは已然形と命令形です。そのうちどちらかと言われたから、素朴に考えて完了の意味を表すのに命令形が出てくるのはなんとなく変な感じがするので、答えは已然形かなという気持ちになります。「已然形」の「已」という漢字はそもそも「すでに」という意味なので、完了の助動詞に接続する形としてはネーミング的にもバッチリそうです。実際、高校ではサ変の未然形と四段の已然形に接続するということで「サミシイ(サ未四已)」と語呂合わせ的に覚えるのが定番になっています。
語源的にはどっちでもない
でも、そんな感覚的な決め方はアカデミックではない気がします。もうちょっと本質的な面を見てみましょう。
已然形とはそもそも順接や逆説の確定条件(=すでに成立した事柄を条件とする)を表す活用形の呼称で、典型的なのは「思へば」や「思へど」のように後ろに「ば」や「ど」といった接続助詞を付けるパターンです。つまり、「り」を付けて完了を表すのは已然形の用法として典型的なものではありません。
典型的でないなら何なのでしょうか。「思へり」という形は、語源的には「思ひ+あり」が縮まって音が変化したものとされています。「ひ」と「あ」が合体して生じた「へ」という音が、已然形や命令形の音と偶然一致したのです。「已然形」というネーミングと整合しているのも偶然です。したがって、そもそも已然形か命令形のどちらかに分類しようとすること自体が少し強引であり、それでも強いてどちらかと言われればなんとなく已然形の方が収まりがいいねという程度の話なのです。
このように、実は已然形に分類することに必然性はありません。そのため、高校の古典文法の参考書を見ると次のような記載があったりします。
「命令形に接続という説もある。」
岩淵匡、坂梨隆三、林史典[監修](2010)『基礎から解釈へ 新しい古典文法 四訂新版』桐原書店
うーん、やっぱりそっちの説もあるんだ…。いや、でもやっぱり命令形がここにくるのって変じゃない?
と思ってしまいますが、実はそうやって直感に反してまで命令形と主張するからには、この説にはそれなりの根拠があります。高校レベルの参考書や教科書では基本的に詳しく説明されていませんが、論理的で聞けば納得なので少し丁寧に説明してみます。
キーワードは「上代特殊仮名遣い」です。
失われた発音の区別
『万葉集』清水浜臣による写本、NDLデジタルコレクション
『古事記』や『万葉集』などの上代(奈良時代まで)に書かれた文献では、ひらがなやカタカナはまだ使われておらず、漢字が意味とは無関係に音だけを表す文字としても使われていました。これを万葉仮名と言います。例えば「け」の音は「家・計・気・開」のように書かれました。したがって、過去の助動詞「けり」は万葉仮名で「家里」や「計理」などと書くことができ、「池(いけ)」は「伊気」や「伊開」などと書くことができたというわけです。
実例を1つ見ておきましょう。右に示したのは『万葉集』巻20にある大伴家持の歌で「うぐひすのこゑはすぎぬとおもへどもしみにしこころなほこひにけり」と読みます。全て万葉仮名で書かれており、最後の「けり」の部分が「家里」と表記されているのがわかります。
ところが、「けり」が「気里」や「開理」などと書かれることはありませんでした。逆に「池」は「伊家」や「伊計」などとは書かれませんでした。どういうことでしょうか。下の表を見てください。
| | 万葉仮名 | 語例 | | | ------- | ------- | ------------------------------------------------------------------------------------------------------------ | | グループ1 | 家、計、祁、鶏 | けり、今日(けふ)、叫ぶ(さけぶ) | | グループ2 | 気、開、既、毛 | 池(いけ)、竹(たけ)、削る(けづる) |
上代には、このように現代日本語の「け」にあたる音が2つのグループに分かれており、語によってどちらのグループの万葉仮名を使用するかが明確に区別されていました。つまり、グループ1に属する語を書き表すのにグループ2に属する万葉仮名は使えないし、逆もまたしかりということです。同様に2つのグループに分断され書き分けられていた音は「け」以外にもイエオ段にいくつか存在し、この書き分けを**上代特殊仮名遣い**と呼びます。上代特殊仮名遣いはその名のとおり上代にのみ見られる現象であり、平安時代にはなくなってしまいます。
ふつうグループ1は「甲類」、グループ2は「乙類」という名称で呼ばれているので、以下そのように呼び分けます。なお、甲類と乙類では表記が区別されていただけでなく発音も異なっていた、すなわち現代語にはない発音の区別があったと考えられています。
「思へり」はどっちのグループ?
橋本進吉(1942)『古代国語の音韻に就いて』明世堂書店、NDLデジタルコレクション
「思へり」の話に戻りましょう。平安時代以降に生きる我々は「思ふ」の已然形と命令形はどちらも同じ「思へ」だと思っています。しかし、上代特殊仮名遣いがあった時代の人々にとってはどうでしょうか。
エ段である「へ」には甲乙類の区別があったので、「思へ」の「へ」も甲乙どちらかに分類されることになります。上代の文献を見ると、「思へども」や「思へば」といった已然形の典型的な用法の「へ」には「閉・倍」といった万葉仮名が使われています。例えば先ほど示した大伴家持の歌の中にも「おもへども(於毛倍杼母)」が登場します。一方で、命令文の「へ」には「平・幣」といった万葉仮名が使われます。というわけで、已然形と命令形は実は明確に書き分けられていたのです。このうち已然形の方が乙類、命令形の方が甲類とされます。当時は発音も区別されていたのでしょう。
右に示した写真は、上代特殊仮名遣いの研究で知られる国語学者・橋本進吉の著書から「へ」音の上代特殊仮名遣いをまとめた部分を抜き出したものです。「清音」の行を見ると、上記のとおりに甲乙が分かれているのがわかります。
それでは、肝心の「思へり」の「へ」には甲類か乙類どちらの万葉仮名が使われていたのでしょうか?
答えは甲類です。ということは、已然形ではなく命令形と同じですね。「へ」に限らず、助動詞「り」に接続するエ段の音は命令形と同じ甲類の万葉仮名で表記されていたのです。これが命令形説の根拠です。
なお、四段動詞が命令形接続なのであればサ変も未然形ではなく命令形接続と考えよう、とする説もあります。
なんだか煙に巻かれた気分…
論理的ではあるけど…そうは言っても命令形に完了の助動詞が付くってなんか変じゃない?そもそも平安時代にはもうその区別はなかったわけだし。もっと直感を大事にしていこうよ!
その気持ちとてもよくわかります。だからこそ、こんなに筋の通った命令形説を差し置いて、なんとなく収まりがいいだけの已然形説をメインにしている教科書や参考書が多いのです。もっとも、古文を読解するうえではそんなの正直どうでもいいことなので、別にどちらの説を採っていようが問題ではありません。
古語辞典を比べてみよう
さて、ここは「辞書」がテーマのブログですので、ここからは辞書の話です。市販の古語辞典が助動詞「り」の接続の問題をどのように扱っているか見ていきましょう。教科書や参考書とは異なり、多くの古語辞典では上代特殊仮名遣いに言及した少し踏み込んだ説明をしていますが、それを踏まえた上で已然形説か命令形説かどちらをメインに据えるのかは辞書によりけりです。
長くなりますので、ここで一旦記事を分けます。
続きは後編をご覧ください。
小学館🫚🫚🫚🫚🫚🫚🫚🫚🫚から『**日本国語大辞典』(🦑<以下『日国**』というよ)の改訂が発表されて、世は空前の「日国」フィーバーですにゃーーーーん😸
『日国』といえば販売中のものとしては日本🇯🇵唯一の大型国語辞典🐙で、現在の最新版は2002年に完成した第2版✌️‼️
そして今回、その第3版🤟が**2032年**完成予定であることが発表されました‼️‼️‼️👏👏👏🎉🎉🎉
ところで、小学館🫚🫚🫚🫚🫚🫚🫚🫚🫚は小型国語辞典🐙の『**現代国語例解辞典』(🦑<以下『現国例』というよ)の刊行元でもありますね🐜‼️『現国例』は『日国』をベースに編まれた🧶国語辞典🐙で、現在の最新版は2016年の第5版**🍚でぷ🎳
もう8年🐝近くたつし🐉、こっちもそろそろ改訂してほしーんですけどお〜⭐️⁉️⁉️そんなことを思いながら『現国例』チャンのことを穴が👁️開く👁️ほど👁️見つ👁️めて👁️いた👁️んでちゅーーーー☺️👶🐀
そしたら‼️‼️
巻末の「漢字表」という五十音順のミニ漢和辞典パートの中に、間違いをたくさん🤓見つけちゃったのねん‼️😱😭
もちろん、全部で1000と数百ページ📖もある辞書1冊の中に🦀多少ならしょうがないん🫚🫚🫚🫚🫚🫚🫚🫚🫚ですけど、巻末のわずか90ページ程度の中にこんなに📷あるのはちょっと流石🪨に多いんじゃ…🤔ということで、見つけたものをちょっとまとめて🍅みたいと☁️☁️☁️🐉🐉🐉思いマッスル💪💪💪
ただし⚠️‼️留意‼️⚠️していただきたい🇹🇭のは、大前提として『現国例』には良いところがいっぱいあーるの2乗は円⭕️の面積でよんぱいあーるの2乗は球⚽️の表面積っていうことなんでスネ夫ˡ̗͐͐͟ˋ̨̮̑͞͞ˊ̮̑͏͜ʹ̍ᵓ̗ͥ
良いところについて知りたい方🦑はこちら👇を読んでくださいネ🌾
それでは以下🦑見つけちゃった間違いを列挙していきマンモスバーガー‼️🦣🍔😤
太字・細字の誤り
凡例(p.1575)の5①(イ)「常用漢字表の音訓欄にある音訓は太字(送り仮名の部分は細字)で示し、それ以外のものは細字で示した。」に違反しているもの。
うち「泳」を除く各字は、旧版の「漢字表」に掲載がなかった字か、2010年に新たに常用漢字になった字のいずれかに該当する。旧版の「漢字表」は巻末ではなく本文中の五十音順の位置に適宜配置されていたが、音読みが一般的でない字、特に常用漢字表に訓しかないような字の多くは掲載されていなかった。また、第4版は2006年刊行なので2010年追加の常用漢字には未対応だった。
- 淫:訓「みだら」の「ら」は送り仮名なので細字であるべきだが、太字になっている。
- 泳:訓「およぎ」は常用漢字表に示されていないが、太字になっている。常用漢字表には訓「およぐ」の使用例として挙げられてはいるが、使用例を別個の訓読みとして扱うことは通例ない。旧版から間違ったまま。
- 宛:訓「あてる」の「て」は送り仮名なので細字であるべきだが、太字になっている。
- 俺:音「エン」は表外読みなので細字であるべきだが、太字になっている。
- 鍋:音「カ」は表外読みなので細字であるべきだが、太字になっている。
- 届:音「カイ」は表外読みなので細字であるべきだが、太字になっている。
- 漬:音「シ」は表外読みなので細字であるべきだが、太字になっている。
- 且:訓「かつ」の「つ」は送り仮名なので細字であるべきだが、太字になっている。
- 諦:訓「あきらか」は表外読みなので細字で、同じく訓「あきらめる」の「あきら」の部分が太字であるべきだが、逆になっている。
- 梨:音「リ」は表外読みなので細字で、訓「なし」が太字であるべきだが、逆になっている。
字形の誤り
特に異体字どうしが同形になってしまっているもの。
凡例に4③に「JISの第一水準、第二水準で定められた漢字の字形は、本書の見出し漢字とは必ずしも一致しないところがある。」との断りがあることから、JISの例示字形と見出し字との微妙な不一致(「叱」など)は問題としない。
- 吞:見出し字の字形と補注欄に異体字として示された字形が同じ(1画目が「一」の字形)になっている。見出し字の下に示されているJISコードは第1水準の「呑」(1画目が「ノ」の字形)のものであり、1画目が「一」の字形はJIS第3水準に規定され別のコードを持つ。もっとも前述のとおりコードと見出し字の不一致だけなら問題ないが、異体字として全く同じ字形を表示している点で誤植である。旧版では見出し字に1画目が「ノ」の字形が採用されており問題なかった。1画目が「一」の字形の方が正統とされ多くの漢和辞典で見出しに採用されているのに合わせたのだろうから、誤植なのは見出しというよりは異体字の方である。
- 麺:旧字体が「麵」であるべきところ、見出し字と同形になっている。これも2010年追加の新常用漢字であり旧版では旧字体(=康熙字典体。ただし常用漢字表が示す形とは異なり麥が繞でなく偏になっている字形)が見出しになっていた。
記号の誤り
凡例で定義した記号が正しく使われていないもの。
- 遜:常用漢字のはずだが、人名用漢字を示す「人名」の記号(凡例4②)が付されている。2010年追加の新常用漢字の対応漏れ。
- 匁:常用漢字表外字だが、それを示す記号▼(凡例4①)が付されていない。こちらは逆に2010年の常用漢字表改訂で削除された字の対応漏れ。
- 多くの漢字の旧字体表示に使われている丸かっこ( )が凡例で定義されていない。凡例には4⑤に「いわゆる旧字体、康熙字典体などは、見出し漢字の下に[ ]に入れて示した。」とあるのみである。旧版ではたしかに全て[ ]で示されていたのだが、第5版では[ ]と( )が混在しておりしかも後者が圧倒的に多い。そのうえ、両者の使い分けに十分な規則性が見出せない。一応[ ]にはおおまかな使用基準がありそう(例えば「餅」「箸」などの許容字体や筆写字形のように、旧字体ではない異体字の表示には[ ]が用いられる。また「台」「弁」のように、もと別字だった2字の一方が他方の新字体として採用され漢和辞典ではたいてい音義を2字分に分けて記す扱いを受ける字の旧字体には[ ]が用いられる)だが、意図不明な例外(「舜」「評」「並」「蓮」など)が多い。
画数の誤り
- 葛:「艸9」のはずだが、「艸8」になっている。「艸8」は俗字として示されている筆写字形(下が匂の形)の画数。これも旧版まで掲載のなかった2010年追加の常用漢字。また、この字はJIS第1水準にあってしかも見出しの字形が例示字形と同じであるにもかかわらずJISコード欄が空欄になっている点も非常に気になる。
重複
誤りとは言えないが気になる点
- 縁、撮、虫:旧字体の部首と画数が欠落している。凡例4④には部首と画数は「見出し漢字(中略)の下に」示した旨しか書かれておらず、見出しでない旧字体の下に示されていなくても別に誤りとは言えないが、他の旧字体では全て示されている。3字とも旧版から欠落したまま。
- 伎、憧:それぞれ表外読み「ギ」「ドウ」の位置に立項されており、常用漢字表にある音「キ」「ショウ」の位置に空見出しすら立てられていない。ともに2010年追加の常用漢字で上述の「須」と同じ境遇だが、なぜか掲載位置を移動する対応が取られなかった。間違いとは言えないが不親切。
- 餌、餅、遡、謎、箸:この5字は、JISコードが見出し字(=康熙字典体)の方になく、かわりに異体字である常用漢字表上の許容字体(食偏は下がムの形、しんにょうは点が1つ)や筆写字形(者の5画目に点がない形)の方に記載されているが、JISにはそれぞれ康熙字典体が例示されているので不自然な扱いである。いずれも2010年追加の常用漢字。
- 曽、曾:新旧字体が重複して立項されている。後者の旧字体の項には、意味については前者の項を見よとの誘導がある。確かに旧字体の使用頻度も高い字なのでわからなくもないが、他にこのような扱いの字はないため気になる。これも2010年追加の常用漢字。
- 捗:筆者の見落としでなければ常用漢字では唯一掲載されていない。これもやはり2010年追加の常用漢字。どこにも常用漢字は全部載せるなどと宣言されていないので載っていなくても間違いではないのだが。
- 訓しか持たない常用漢字のうち「茨」「俺」「垣」「釜」など一部は訓の位置に空見出しが立てられているが、「嵐」「虞」「柿」「鎌」など一部は立てられておらず中途半端で基準が不明。
なお、2020年発行の第2刷では2017年に追加された教育漢字(小学校で習う漢字)20字に「教育」という表示が追加される小改訂がなされているが、上記の間違いについてはいずれも修正されていない。また2017年追加の人名用漢字「渾」にも「人名」の表示は追加されていない。
以上でぷ…🎳
ふえぇぇぇぇん💦💦多いよおぉぉぉおぉぉ😭😭😭特に**2010年追加🦑の常用漢字**の扱いが無茶苦茶🍵だよおおおぉぉおぉぉ😢😢😢小学館チャン🫚🫚🫚🫚🫚🫚🫚🫚🫚ともあろう💘ものがどーしちゃったのー🧠🧠🧠⁉️⁉️⁉️😨😨😨
早く改訂して直してッ❤️😘❤️😍❤️
『現国例』第6版と『日国』第3版、早く買いたいなァァァァ‼️‼️‼️今後🇨🇩🇨🇬も期待してるヨッ😉👍それじゃあまたね‼️‼️👋ノシ
東京近郊にある松屋フーズの店舗の中から、何らかの点で「唯一」だったり「初めて」だったりして有名な店舗を独断と偏見で5つ厳選しました。ぜひ訪れてみてください!
三鷹店
- 業態:松屋、松のや
- アクセス:JR 三鷹駅 北口 徒歩1分
- 松屋フーズ本社ビルの1階に横並びで出店している松屋と松のや。隣り合っているが併設店(複合店)ではない。
- Googleマップにはなぜか「松のや 三鷹店」が登録されておらず、松屋の方に松のやの口コミや写真が登録されている。
- 松のや(松屋併設店を除く)では通常、月火水曜日に利用すると「サービス券」と呼ばれるトッピング無料券をもらえるが、なぜか**三鷹店のみこれを配布しておらず、卓上メニューシートも「クーポン配布中」の記載がない独自のものを使用している**。
— とんかつ 松のや【公式】 (@matsu_noya) 2023年5月17日
- 同じく本社ビルの地下には割烹業態の「福松 三鷹店」が、2階にはカフェ業態の「カフェ テラスヴェルト 三鷹店」が出店しているため、同じ建物に4業態が集結していることになる。さらにロータリーの向かいには「ステーキ屋松 三鷹店」、少し北に歩いたところには「マイカリー食堂 三鷹店」もある。
江古田店
- 業態:松屋
- アクセス:西武池袋線 江古田駅 北口 徒歩2分
- 松屋1号店として知られる。店外にも大きく「創業1号店」と書かれており、店内には店舗の歴史が掲出されている。
- なお店舗コードは0003。0001と0002は欠番。
明大前店
- 業態:複合店(松屋・松のや・マイカリー食堂)、ステーキ屋松
- アクセス:京王線 明大前駅 徒歩1分
- もともと2階に松屋が入っていた物件で、1階にあったスーパーが閉店したところに3業態複合店が出店し直した。さらに2階の松屋だった場所には約1か月遅れでステーキ屋松が開店し、本社ビル同様1つの建物に4業態が集結することとなった。その隙のない姿は「松屋城」と称せられ話題になり、強い存在感で路地のすぐ向かいにある吉野家を威圧している。
難攻不落の松屋城へようこそ pic.twitter.com/WVFs2sK4T5
— 浜野 隼【松屋】 (@hamano_jun) 2023年9月27日
- 1階の複合店は「みんなの食卓 松屋食堂」の名称と松屋フーズHDの社章を掲げた全国初の店舗。その後開店したいくつかの3業態複合店も同じ看板を掲げている。なお看板が違うだけでメニュー構成などの実態は通常の複合店と全く同じ。
今回、店舗の設計を行うにあたり、最初に感じたことは「食卓にしては、規模が大きい」ということでした。そこで、「食堂」をコンセプトとしました。店舗入り口には「松屋食堂」という看板を掲げ、松屋ホールディングスの社章をロゴとして初めて使用しました。また、弊社のコーポレートカラーである黄色は抑え、「現状からの脱却、新たな挑戦、新しいお客様への訴求」といったメッセージを込めました。
- そもそも3業態複合店という形態自体が全国的に珍しく、都内では当店の数日前に開店したばかりの王子神谷店に次いで2例目だった。当ブログ執筆時点でも都内には後述の清瀬店を加えて3店舗しかなく、全国にも合わせて10店舗しかない。
鶴見東口店
- 業態:複合店(松のや・すし松)、複合店(松屋・マイカリー食堂)
- アクセス:JR 鶴見駅 東口 徒歩1分
- 2階に松のや・すし松複合店が、1階に松屋・マイカリー食堂複合店が入居している。したがって、ここも本社ビルや明大前と同様に1つの建物に4業態が集結している。
- すし松の併設店は全国で初にして唯一であり、その結果として併設の松のや側にイレギュラーな事項が多数生じている。
- 通常、すし松は税抜が10円単位のため税抜主体の価格表示、松のやは税込が10円単位のため税込主体の価格表示を行っているが、当店のメニュー表やポスターではすし松に合わせて松のやも税抜主体で価格を表示している。表示方法は違うが結果的に価格は他店舗と同じ。
— とんかつ 松のや【公式】 (@matsu_noya) 2023年7月24日
- Google Mapの写真によれば、すし松メニューの抹茶わらび餅無料券が付いた当店限定仕様のサービス券が配られていたことがあるらしい。詳細不明。
- 関東の松屋、松のやのうち、高速PAや空港といった特殊立地の店舗以外では唯一「松のや 鶴見東口店」のみ深夜加算料金が導入されなかった。
清瀬店
- 業態:複合店(松屋・松のや・マイカリー食堂)
- アクセス:西武池袋線 清瀬駅 南口 徒歩1分
- 先述の通り全国に10店舗しかない3業態複合店の1つで、かつ「みんなの食卓 松屋食堂」の看板を掲げている。それだけでも希少性の高い店舗だが、それよりもかつて存在して現在は閉店済みの店舗に特筆すべき事項がある。
- 現在の店舗の位置に松屋フーズが初めて出店したのは2019年11月で、当初の業態は松のや・松そば複合店だった。これは、以後相次いで展開されてゆく「複合店」という形態が初めて導入された店舗である。なお「松そば」業態は当店が1店舗目であった(ただしすでに存在した「丶松(てんまつ)」とメニュー構成はほぼ同じ)が、結局わずかな店舗数しか展開されず今は業態そのものが消滅した。
松屋フーズの新業態『#松そば』オープンと同時にとんかつの『松のや』も隣に同時オープンしました‼️
#松のや #とんかつ #松そば #十割蕎麦 #天ぷら #清瀬
※看板は『松のや』『松そば』2つあるけど...#来たらわかるさ https://t.co/h7U6TIN5Ud pic.twitter.com/I5HxexYPjo— とんかつ 松のや【公式】 (@matsu_noya) 2019年11月13日
- 当地の松のや・松そば複合店は2022年7月に閉店し、翌8月に松屋・松のや複合店として改装オープンした。もともと道の向かいに既に「松屋 清瀬店」はあったのだが、こちらはこのとき入れ替わりで閉店し、同じ8月中に「マイカリー食堂 清瀬店」(専門店)として改装オープンした。なお、これによりマイカリー食堂専門店(=併設店ではない店舗)は全国に9店舗(全て都内)となり、結果的にこれが同業態の店舗数のピークとなった。
— 【公式】松屋カレー部 × マイカリー食堂 (@matsuya_curry) 2022年8月22日
- この清瀬店は一時期、数少ないマイカリー食堂専門店の中でも特に実験店舗的なポジションとして他店と異なる独自のサービスやメニューを提供していた。例えば、集めるとロースかつカレーが無料となるスタンプカードが配布されたり、ライスの大盛・特盛が無料だったりしたほか、手仕込みコロッケカレーやわかめスープといった独自メニューが販売されるなどメニュー構成も他店舗とは完全に異なっていた。しかし残念ながらネット上にほとんど情報が残っておらずこれ以上の詳細は追跡が困難である。
こちらの店舗では〜7/31
コロッケカレー 500円
ささみかつカレー 500円
(店内のみ)ライス大盛・特盛無料
となってます
そして、スタンプ6個集めればロースカツカレー無料\(^o^)/
6個集まったので来店
特盛で500円はオトク(^^) pic.twitter.com/FnEtLLnkyO
— O.K......kan (@Flavour_ful) 2023年7月10日
- 現在の複合店が開店したのは2024年5月。道の向かいの「マイカリー食堂 清瀬店」は2024年2月に閉店し、こちらの物件は現在使用されていない。