10月の生き物観察会~野の花苑 (original) (raw)
毎月第一火曜日に開催されている
天王森泉公園の生き物観察会。
9時~15時くらいを目安に
・野の花苑
・弁天坂から見晴らしの丘
・くわくわ森
お昼休憩を経て、
・田んぼ
・境川遊水地
と生き物を見ながら回ります。
好きなところから参加できます。
途中で抜けることもOKです。
かなり自由な観察会で、
生き物に詳しい方々がたくさん
参加されます。
生き物のことを知らなくても
知っている方々からいろいろなことを
教えていただけます!
天王森泉公園付近は、
自然が豊かでたくさんの生き物が
見られます。
自分一人ではなかなか
見つけられない生き物も、
詳しい方々が一緒だと
いろいろな生き物たちが見つかります。
***
10月の生き物観察会は
1日に開催されました。
やっと過ごしやすい気候になってきたせいか、
22人もの方々が参加してくださり、
楽しい観察会になりました。
植物
ゲンノショウコ(現の証拠)
花期は、7~10月。
下痢止めや腹痛の薬草として有名です。
10月の今、花盛りで
花畑になっています。
キンミズヒキ(金水引)
ピンボケの黄色いのがキンミズヒキのお花。
今は、もじゃもじゃの実がたくさん見られます。
キンミズヒキのお花もそろそろ終わり。
秋の実は、キンミズヒキのような
「引っ付き虫」がたくさんあります。
人や動物にくっついて、
種を遠くに運んでもらって増える
という戦略です!
生き物マスターHさんによると、
キンミズヒキのような引っ付き虫の
形状を研究して、
マジックテープが製品化された
のだそうです。
すごいな~と思いました。
カラスノゴマ(烏の胡麻)
長く伸びている雄しべ。
こちらは仮雄しべなのだそうです。
本当の雄しべは、
花びらの近くに見える短い方。
葉っぱがとても柔らかくて、
ずっと触っていたくなってしまいます!
ハナタデ(花蓼)(ヤブタデ(藪蓼))
白いお花を咲かせていたので、
てっきりシロバナサクラタデだと
思い込んでいました。
ハナタデだと教えていただいて
よくよく見たら、
全然違いました。
シロバナサクラタデよりも
花の数がまばらですし、
長い毛が生えています。
シロバナサクラタデ(白花桜蓼)とサクラタデ(桜蓼)
白いのがシロバナサクラタデ
ピンク色はサクラタデ
ブルーはツユクサです。
シロバナサクラタデもサクラタデも
とってもかわいらしいお花で、
大好きなお花です(*^-^*)
サクラタデ
一つ一つは3~4mmと
小さなお花です。
Oさんより
サクラタデで吸蜜するイチモンジセセリ
Iさんより
シロバナサクラタデで吸蜜するイチモンジセセリ
最近の観察会では、
美しい写真を参加者の方が
シェアしてくださいます。
どれも美しくて
うっとりしてしまいます(*^-^*)
こんなにドンピシャに
ピントが合うなんて!
いつもピントが合わなくて
苦労している私。
コツを教えていただきたいです!
アキギリ(秋桐)
薄いピンク色のアキギリです
シソ科アキギリ属の多年草。
日本固有種。
紅紫色のアキギリが、
本州の中部地方から近畿地方にかけて
分布するそうです。
???園芸品種???
ヌスビトハギ(盗人萩)
花はそろそろ終わりで、
たくさんの実がなっていました。
カラフルでユニークな形の実です。
野の花会の時にヌスビトハギの
近くで作業していると、
この実が洋服にくっつきます。
洗濯してもとれないくらい
頑丈にひっつきます(笑)
ヤブツルアズキの実(藪蔓小豆)
ヤブツルアズキを改良したものが
アズキと言われているようです。
タカアザミ(高薊)
キク科アザミ属の二年草。
名前の通り、とても背が高くて
1~2mになります。
写真の花を咲かせているタカアザミで
1mほど。
そのとなりに写っているタカアザミは
もっと背が高くなっています。
花が下向きに咲くのも特徴です。
シャクチリソバ(赤地利蕎麦)
赤い雄しべがアクセントになって
かわいいお花です。
外来種で、
原産国はヒマラヤ、中国南西部。
日本には薬用植物として、
昭和初期に導入されたそうです。
現在は、河川敷などに増えているようです。
実はえぐみが強くて食べられない
とのことです。
カリガネソウ(雁金草)
シソ科の多年草。
花が雁に似ているので、
雁金草という名前がついたそうです。
色も形もとても雅な感じのお花です。
つぼみは真ん丸でかわいいです。
ヤマホトトギス(山杜鵑草)
生き物マスターのYTさんによると、
他のホトトギスとの見分け方は、
花びらがそり返るのが
ヤマホトトトギスの特徴だそうです。
柱頭が赤ちゃんのベッドにつける
ベッドメリーみたいでかわいいな~と
いつも思います。
なんだかメルヘンの世界に
迷い込んだみたい!
ヤブマメ(藪豆)
花序は長さ1~3cmので、
2~6花をつける。
この時期、たくさんのマメ科のお花が
咲いていますね!
ミズヒキ(水引)
つぼみのうちは、
長い茎に赤いツブツブがならんで
ついている姿がかわいいです。
花が咲くと、意外に華やか!
よく見ると、花の上半分は赤くて、
下半分は白いのです。
それを紅白の水引に例えて名前が付きました。
フジバカマのつぼみ(藤袴)
キク科フジバカマ属の多年草。
秋の七草のひとつです。
旅をする蝶として有名な
アサギマダラが好んで吸蜜する花として
知られています。
フジバカマを眺めながら、
生き物マスターの方々とその話に
なりました。
生き物マスターのOさんが
詳しい説明を送ってくださいました。
あ る種のガやチ ョウは, 幼虫時代に食餌植物から, あるいは成虫になって様々な植物からピロリジジンアル カロイ ドを摂取 し, 体内に蓄積 する.
蓄えられたアルカロイ ドは防衛のための化学兵器 として, また性フェロモン(雄)の原料 と して も利用 されている.
最近の研究により, このアル カロイ ドが発育制御物質, 摂食刺激物質, 産卵刺激物質 としての機能 も担ってい ることがわかって きてお り, 彼 らとアルカ ロイ ドとの
進化的関係が明らかにされようとしている.
虫と植物はお互いに必要な存在で、
お互いに生き残っていくために
利用しあってきたのだな~と
改めて思いました。
そして、食べたもので体ができている!
人間は日頃それを忘れがちだけど、
虫たちはそれを本能で
利用しているなんて!
すごいな~と思いました。
昆虫など
ペラペラヨメナとヤマトシジミ
見ると、羽がボロボロです。
痛々しい😿
生物マスターHさんによると、
蝶は、先にオスが羽化し、 その後にメスが羽化します。
メスが羽化したらすぐに 産卵しやすいようになっています。
オスばかりが羽化している時期は、
オス同士で争うことがあります。
争うと羽がボロボロになってしまいます 。
とのこと。
このシジミチョウはオスかメスか
わかりませんでしたが、
もしかしたら、
争って羽がボロボロになって
しまったのかもしれません。
アズマヒキガエル
石垣のすき間で草の陰に隠れて
休んでいました。
今回初めて、ヒキガエルには
・アズマヒキガエル
・二ホンヒキガエル
の2種類がいることを知りました。
この話題は長くなりそうなので、
改めて記事にしたいと思います。
ダイミョウセセリ
ピンボケですが(;^_^A
ゲンノショウコにダイミョウセセリが
来ていました。
ダイミョウセセリは、
ヤマノイモやオニドコロなどの
ヤマノイモ科の植物が幼虫の食草です。
くわくわ森にたくさん生えているので、
よく見かける蝶の一つです。
シモフリスズメの幼虫
スズメガ科のガの幼虫です。
コムラサキを食べているようで、
かなり食べつくしていました(笑)
生き物マスターのKさんによると、
尾角に細かいつぶがあるのが特徴
なのだそうです。
そっちがお尻か(^_^;)
頭に角があってユニコーンみたい!
と思っていたのに・・・(笑)
Oさんが送ってくださった写真
キボシハナアブ
ちょっとピンボケですが(;^_^A
シャクチリソバに
キボシハナアブが来ていました。
初めて見ました!
観察会の時はよく観察しますが、
いつもはよく見ていないので
見過ごしているのかもしれません。
9~13mmくらいの小さな
ハナアブさんです。
ツチイナゴ
シャクチリソバの茎に
とまっていました。
このツチイナゴは成虫なのですが、
このまま成虫で越冬するのだそうです。
虫一年生の私は、
バッタかと思いました(^_^;)
バッタとイナゴの違いは、
目の下に黒い涙模様があるのがイナゴ
と覚えるといいそうです!
なるほど~~~!
ハスモンヨトウ
Hさんが送ってくださった写真
竹林に八つ頭が生えていて、
その葉っぱの上にいました。
チョウ目ヤガ科のガの幼虫。
生き物マスターHさんによると、
3齢幼虫~4齢幼虫だそうです。
食欲旺盛で、いろいろな野菜の葉を
食べてしまうので、農業害虫として
有名なのだそうです。
キムネクマバチ
カリガネソウを訪れるキムネクマバチ
ミツバチ科のハナバチ。
大きさ18~25mm。
生き物マスターYTさんによると、
立ち枯れた木の枝などに穴を掘り
営巣することから、
カーペンタービーと言われています。
メスの顔は黒ですが、
オスの顔の真ん中にある頭盾は黄色
なので、見分けられるそうです。
ジョロウグモ
中央にいるのがメス
上の方にいるのがオスです
この時期、あらゆるところに
大きな網を張るジョロウグモ。
私も何度も引っかかっています(;^_^A
こんな大作の網を張るのは
大変だろうから!
なるべく壊さないように
しているのですが・・・
引っかかってしまいます。
ごめんね!作り直してね~。
そんな大きな網は、
光を透かして見ると金色に輝いて
見えて、とても美しいです。
ジョロウグモは漢字で書くと女郎蜘蛛。
メスが華やかなのと、
赤い腰巻を巻いているように見えるから!
と生き物マスターさんに教えていただきました。
ジョロウグモのメス
メスは華やかな目立つ色をしていて、
17~40mmとオスより大きいです。
ジョロウグモのオス
一方のオスは、茶色っぽい
目立たない色をしていて、
6~12mm。
いつもメスが張った
巣の端っこの方にいます。
オスは交尾の機会を待っているのだそう。
ジョロウグモは目が悪く、
不用意にメスに近づこうものなら
食べられてしまうこともあるのだとか!
交尾の機会として狙っているのは、
- 脱皮するとき(メスが動けないから)
- お食事中
蜘蛛にまったく興味がなかった
私ですが・・・
いろいろな話を聞いて、
知れば知るほどおもしろいな~と
思うようになりました。
Oさんが送ってくださった写真
この写真は、
シロカネイソウロウグモを撮った
のだそうです。
ジョロウグモの巣には、
イソウロウグモといわれる
小さなクモたちが居候していて、
捕まえた食べ物のおこぼれを
頂戴しています。
この写真の捕まったバッタのお腹に
シロカネイソウロウグモが!!!
何が衝撃かって・・・
この小さなクモを見つけたことと、
それをこんなにきれいに撮影していること!
衝撃的すぎます!
アオマツムシのメス
バッタ目マツムシ科の昆虫。
メスは全体が緑色ですが、
オスは背中の中心が褐色です。
大きさ、22~23mm。
外来種で、明治期に入ってきたそうです。
リーリーリーという鳴き声は
よく耳にしていましたが、
姿は初めて見ました!
それもそのはず。
生き物マスターHさんによると、
木の上で一生を過ごすのだそうです。
たまたま落ちてきてしまったようです。
私は見ていない生き物たち
私は見ていないけれど・・・
参加者の皆さんが送ってくださった写真を
ご紹介したいと思います。
Kさんより、クロアゲハ
Kさんより
フジバカマで吸蜜するツマグロヒョウモンのメス
Kさんより、ルリタテハ
Iさんより、ナカグロクチバ
北欧の王様のマントみたい!
素敵な写真をありがとうございます!
***
弁天坂から見晴らしの丘につづく。
参考資料: