【読書記録】『風の陣 第二弾<大望篇>』高橋克彦著 (original) (raw)

こんばんは!

都内在住アラフィフ主婦のnicoです。

ひとり時間を楽しんでいます。

**高橋克彦**著、

『**風の陣**

**第二弾<大望篇>**』読了。

奈良時代の小説一覧はこちら

『風の陣』シリーズは

高橋氏の「**蝦夷四部作**」の

一作目です。

橘奈良麻呂の乱を題材とした

「**風の陣 第一弾<立志篇>**」に続いて

第二弾となる本作では

「**恵美押勝の乱**」を

主題としています。

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橘奈良麻呂の謀反を平定し、

関係者をことごとく処罰した後は

恵美押勝藤原仲麻呂)が

淳仁天皇を自在に操って権勢をふるう中で、

黄金を狙った陸奥支配の野望も抱きます。

ところが、

760年に後ろ盾であった

光明皇后が亡くなることで、

押勝の勢いに影が差します。

主人公の蝦夷牡鹿嶋足

(おしかのしまたり/丸子嶋足)と

嶋足の相棒・物部一族の天鈴

この機を逃さず、

いかに押勝に対抗して

蝦夷を守ろうかと画策します。

本作では怪僧・**弓削道鏡**が登場。

物部氏の支族である弓削氏ということで、

天鈴に利用されますが油断ならない相手です。

なかなか思うように事が進みませんが、

次第に**天皇押勝 VS 上皇道鏡**の構図が

出来上がっていきます。

一方で押勝に対抗できる本命とも言うべき

**吉備真備**を追いやられた大宰府から

都に呼び戻そうと計画。

押勝一強の状況を変えるべく、

徐々に外堀を埋めて行きます。

ところで、

主人公の嶋足を調べてみたら、

実在する人物だとわかりました。

陸奥の豪族の中で

唯一中央官僚として立身したそうです。

本作の中であまりにも出世していくので、

架空の人物だと思っていました。

また、

物部天鈴については

実在の有無がわかりませんが、

**秋田物部氏**が存在していて、

鉱山開発と馬の飼育を得意としていたようで、

本作の内容と類似しています。

秋田物部氏

587年の物部氏蘇我氏丁未の乱

物部氏が敗北した後、

物部守屋の子・那加世が秋田に落ち延びて、

初代となったそうです。

これまで東北地方の歴史には

触れて来なかったのですが、

本作を通して知ることがたくさんあり、

とても興味深い作品だと感じています。

最後までお読みいただき、

ありがとうございました!

高橋克彦氏の「**蝦夷四部作**」●

2~4は「**陸奥三部作」と言われ、「風の陣」を入れて「蝦夷四部作**」と言われているそうです。(↓ 時代順)

1.「風の陣

第一弾<立志篇>

第二弾<大望篇>

第三弾<天命篇>

第四弾<風雲篇>

第五弾<裂心篇>

2.「火怨

火怨 上

火怨 下

3.「**炎立つ**」

壱 北の埋み火

弐 燃える北天

参 空への炎

四 冥き稲妻

伍 光彩楽土

4.「天を衝く

天を衝く(1)

天を衝く(2)

天を衝く(3)

●参考●

ウィキペディア

「株式会社モノベエンジニアリング」ホームページ

「あきた森づくり活動サポートセンター」ホームページ

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