ねじを巻け!! (original) (raw)

写真出典:写真AC

鉄道車両が故障などで自走できなくなった時には、大抵機関車や他の車両に牽引されるか、後ろから推進されて最寄りの駅や車両基地へと回送されます。このことを「救援」といいますが、この際、日常の運用では見られない組み合わせや、異なる形式どうしの連結を見られることがあります。この異形式連結の際に特別な処置が行われているのがみられましたのでまとめます。

おことわり

過去の事例では路線が長時間の運転見合わせや遅延に巻き込まれて困った人が大勢いる中で、「貴重なものを見ることができた」と面白半分、もしくは手放しで喜ぶような態度はほめられてものではありません。しかし筆者としてはそういったつもりはありません。記録を残すという観点から記事にご容赦いただきたいと思います。

1. E231系+EF81のケース(2010年2月12日)など

故障したE231系は密着連結器を装備しているのに対して、救援を行ったEF81は自動連結器を装備している車両だったため、片方が密着連結器、もう片方が自動連結器の形をした中間連結器アダプターを使用して連結しました。

この形の中間連結器は、JRに限らず、全国で広く見ることができます。

例えば阪急では、「連結器中間体」という名前で先頭車両の正面スカート部分に装備されており、その中身については阪急沿線おしらべ係 第40回で紹介されています。なおこういったコアな鉄道ファン向けの情報を、事業者から公表していただけるというのは本当にありがたいことです。

京急では、現在の京急車は密着連結器を装備しているのに対して、相互乗り入れ先の都営地下鉄浅草線や京成線の車両は自動連結器を装備しています。もし車両が故障したとき前方または後方から救援に駆け付けられる車両が京急車以外であると、連結器の形状が異なるためそのままでは連結できないため、それに備えて中間連結器を先頭車の下部やスカートに装備しています(新1000形の例旧1000形の例)。

相鉄では相鉄12000系の10号車床下に中間連結器を収納しており、E233系7000番台との連結訓練も中間連結器を用いて実施しています。

東武30000系伊勢崎線半蔵門線田園都市線で活躍していた時に故障し、東急5000系に救援されたことがありました(動画)が、この際も東武30000系に中間連結器を装着していました。

救援の他にも、JR四国2700系が1両で多度津工場へ入場する際は、中間連結器を使用して連結して一度高松駅へ回送されることがあります。

この他に、車両基地や工場内での入換に中間連結器を用いているケースもあり、よく見られる方法といえます。

2. E257系+211系(2024年6月14日)のケース

E257系5500番台OM-53編成(特急草津・四万2号として運転中)が故障したため、211系A30編成によって救援されました

この事例で特筆すべきは、連結する際にE257系の電気連結器の電子接点部に特別なカバーがかけられていたという点です。通常の全ての電気連結器に装備されているハーフパイプ状の金属製の自動カバー(前面フタ)ではなく、電子接点だけを覆い電気を通さない、おそらくプラスチックかゴム製か何かだと思われます。

E257系も211系も、どちらも密着連結器を装備しているので、そのまま物理的に連結することは可能です。しかし、両車はともに電気連結器も装備しています。

普通の連結器(機械的連結器)が力(牽引力)を伝えるのに対して、電気連結器は電気と信号を伝送する連結器です。電気的に連結することで編成や車両を跨いで制御信号などを伝えることができます。ジャンパ連結器も同じ役割を持っていますが、電気連結器を使用することで手動のジャンパ線の連結・解放作業を省略することができます。

ただし、電気連結器があればどんな車両でも連結、協調運転(総括制御)できるわけではありません。211系は直流モーター、抵抗制御界磁添加励磁制御)ですが、E257系は列車情報管理システムのTIMSを採用、VVVFインバーター制御です。ブレーキは電気指令式と同じですが、その他の多くの部分が異なるため基本的に互換性は無いと考えられます。

211系とE257系が通常連結して運転することは考えられていないため、当然システムとしても想定していないと思われます。このため、電気連結器で電気的に接続してしまうと、不都合が生じる可能性があるのだと思います。あまり筆者は詳しくないのですが、電気連結器自体の型式が異なり、電子接点が噛み合わない可能性もあります。

そのため、E257系側の電子接点にカバーを付けて、211系と連結しても電子接点どうしが触れないように、つまり電気的に接続されないようにしていました。

なおE231系E233系JR東海の211系と313系、かつての小田急3000形と旧5000形以前の旧型車、名鉄の各車の連結など、異形式、異なるシステムどうしの車両の連結は見られますが、これらはブレーキ読み替え装置など事前にシステムの対策を行っているため可能になっているのです。

故障したOM-53編成は、翌15日にE257系2500番台NC-31編成とともに東大宮車両センターへ回送されました。E257系でも番台が異なりますが、どちらも更新車で同じシステムを採用しており、回送するだけなら問題なかったのでしょう。この時高崎線上ではOM-53編成が先頭に立ち、後ろにNC-31編成が付く形となりました。これは両編成の貫通路を繋げ、乗務員の車内通り抜けを可能にするためだと思われます。NC編成は長野原草津口方の先頭車(14号車)は更新工事の際に貫通路を埋めてしまいましたので、こちら側に連結しても乗務員の通行はできません。一方でOM-50番台編成は両側の貫通路を残しているため、どちらの先頭車でも乗務員の行き来が可能です。NC編成は修善寺方の10号車はNA編成と連結する際に使用する貫通路が残っているので、OM-53編成と連結して車両内貫通が可能です。

3. JR四国5000系+2700系(2024年11月10日)のケース

JR四国5000系カマM5編成+JR西日本223系オカP2・P5編成が岡山方面へ瀬戸大橋を走行中にパンタグラフを破損し走行不能になったため、2700系が救援を行い児島駅まで推進しました。

ここで注目すべきは、両端が密着連結器の形の中間連結器を使用していたという点です。このような形のアダプター、器具は、筆者はこれまで見たことがありませんでした。

2700系も5000系も密着連結器を使用しているので、わざわざ中間連結器を挟まずともよいはずです。

おそらくこのような特殊なアダプターを使用したのも、電気連結器を触れさせないためではないかと思われます。

2700系の連結器には、通常の密着連結器とその下の電気連結器(制御回路用)の他、さらに左右に縦型に電気連結器が一つずつ、計3つの電気連結器が設置されています。左右の電気連結器はおそらく高圧補助回路用の電源コネクタです。鉄道車両の「補助電源」は主に車内の照明や表示器具、空調などに使用される電源のことです。四国2700系は1両単位で連結が行われるため、手動によるジャンパ線の接続を省略したうえで補助電源も編成全体で使用できるよう、電気連結器に回路が設けられています。JR四国8000系は通常1両単位での連結(増結)は見られませんが、制御回路用の電気連結器の他に左右2つの電気連結器を装備しており、左右の高圧補助回路は直流440V回路とのことです。電流や電圧が異なるかもしれませんが、2700系も仕組みは同様だと考えられます。

ちなみに、高圧補助回路用の電気連結器を装備しているのは、四国8000系、2700系の他、JR四国8600系JR九州821系、YC1系、京成電鉄3200形(2代)が該当します。2700系やYC1系、3200形は日常的に1両や2両単位の組み変えが行われている、もしくは想定されている車両です。

JR西日本223系5500番台の編成には、密着連結器の下の一つに加えて、京都駅山陰本線嵯峨野線)ホーム基準で南側にも一つ縦型の電気連結器を装備している(写真)ようです(登場時には装備されていませんでした)。横型の電気連結器はWKE150という形式ですが、この縦型の電気連結器はホーム検知装置の電源用だそうです。電気連結器の型式や低圧回路か高圧回路かはわかりませんが、制御回路用ではないので一般的な横型上下二段の電連にはならなかったのでしょう。

話を戻すと、2700系は特殊な電気連結器を装備しているため、それとの干渉を防ぐために長さを調整するアダプターを使用したのではないかと考えられます。5000系・223系は電車、振り子機能なし、2700系は気動車、振り子機構ありと制御システムは大きく異なります。電気連結器が接続してしまうと不都合があるのでしょう。

今回の輸送障害の当該編成はM2編成で、5000系5100形の先頭側には電気連結器はありませんでした(6本ある5000系のうち、M1編成だけは通常連結しない5100形の先頭車側にも電気連結器を装備しています)。そのため、アダプターを使用せずとも2700系の電気連結器と接続されてしまうことやカバーなどが干渉することはなかったと思われますが、念のためアダプターを使用したのでしょうか。

瀬戸大橋線ではほぼ毎年、異常時取り扱い訓練を行っており、2024年10月11日未明にも実施されていました。2024年の訓練時の写真を確認すると、5000系か223系と、2700系が使用されており、2700系側には長さ調整用のアダプターが使用されていることがわかります。訓練の写真では5000系か223系の側は貫通扉のある先頭車側、つまり電気連結器を装備している側の先頭車と2700系が連結することになっており、アダプターがなければ電気連結器が接続されてしまうことがわかります。

2024年11月のケースでは、電気連結器が接続されることや干渉する可能性は低くとも、訓練通りアダプターを使用したということかもしれません。

4. 参考資料

出典:写真AC

2024年11月・12月に運行された、伊豆急・東急のザロイヤルエクスプレスの静岡乗り入れの際の通過時刻を記録しました。目撃情報を集めていますが、全ての通過時刻を筆者が直接確認しているわけではないため、誤った情報が含まれる可能性があります。記載されている時刻は公式サイトで公開されている情報も含まれています。

1日目

横浜駅から熱海駅までの時刻は、通常の伊豆急下田行きのロイヤルエクスプレスと同じ(踊り子61号に近い)時刻と思われます。11月8日は三島駅で記念セレモニーを開催したため、次回以降の時刻と異なる可能性があります。

時刻 駅・場所 停車・通過 備考
10:49 熱海駅 4番線(中2番)発車 9542M
11:50ごろ 横浜駅 発車 9041M
12:30 小田原駅 通過
12:49 熱海駅 停車 乗務員交代のため運転停車
13:01 函南駅 停車 下り副本線停車
13:15ごろ 函南駅 発車 発車
13:36ごろ 東田子の浦駅 停車
東田子の浦駅 発車
14:00ごろ 富士駅 通過
富士川駅 到着 折り返し
富士川駅 発車
14:24 富士駅 通過
15:01 三島駅 停車 3番線ホーム、乗客降車
15:15ごろ 三島駅 発車 上り方面へ発車
15:20ごろ 函南駅 停車 折り返し
16:06-16:10 三島駅 停車 1番線ホーム
三島駅 発車

2日目

時刻 駅・場所 停車・通過 備考
9:20ごろ 静岡駅 停車 静岡車両区から出庫上り方面へ折り返し
10:15ごろ 興津川橋梁 通過 上り回送
10:51 沼津駅 停車 3番線着
11:00 沼津駅 発車
11:22ごろ 富士駅 通過
11:56ごろ 興津川橋梁 通過
12:14ごろ 静岡駅 停車 4番線ホーム
12:15ごろ 静岡駅 発車
12:19ごろ 安倍川駅 通過
12:27 焼津駅 通過
12:30 西焼津駅 通過
13:00ごろ 菊川駅 停車 1番線ホーム上でおもてなし
13:43ごろ 菊川駅 発車
13:49 掛川駅 通過
14:04 天竜川駅 通過
14:11 浜松駅 通過
14:30ごろ 新居町駅 停車 1番線ホーム乗客降車
14:54ごろ 新居町駅 発車 折り返し上り回送
浜松駅 停車 上り回送
16:45ごろ 静岡駅 停車 上り回送

3日目

時刻 駅・場所 停車・通過 備考
8:34ごろ 静岡駅 発車 下り回送浜松駅へ
9:20ごろ 金谷駅 通過
9:50ごろ 愛野駅 通過
10:04 天竜川駅 通過
10:15ごろ 浜松駅 停車 折り返しから営業運転
11:00ごろ 浜松駅 発車
11:24ごろ 袋井駅 停車
11:33ごろ 袋井駅 発車
11:37ごろ 愛野駅 通過
11:40ごろ 掛川駅 通過
11:55ごろ 金谷駅 通過
12:08 西焼津駅 通過
12:11 焼津駅 通過
12:15ごろ 用宗駅 停車 待避線
13:47ごろ 用宗駅 発車 待避線
13:55ごろ 静岡駅 停車 乗客降車
14:48ごろ 静岡駅 発車 2番線ホーム発回送

2024年11月10日(第1回ツアー3日目)は13時頃から東海道線でダイヤ乱れがあったため、用宗駅の長時間停車など所定のダイヤとは異なる運用だった可能性があります。第2回ツアー以降の時刻にはご注意ください。なお、11月10日も静岡駅への到着は予定通りの14時でした。

4日目

時刻 駅・場所 停車・通過 備考
9:55 静岡駅 発車 下り3番線ホーム用宗駅などで折り返しか
10:54ごろ 静岡駅 発車 上り9046M
11:10ごろ 清水駅 通過
11:21 由比駅 停車 1番線ホーム
11:50 由比駅 発車
12:01 富士川駅 停車
12:20 富士川駅 発車
13:10ごろ 沼津駅 停車 4番線ホーム
13:13ごろ 沼津駅 発車
13:16ごろ 三島駅 停車 4番線ホーム
13:33ごろ 三島駅 発車
13:55 熱海駅 停車 5番線ホーム
13:58 熱海駅 発車
14:04ごろ 湯河原駅 通過
14:12 石橋鉄橋 通過 根府川ー早川間
14:42ごろ 藤沢駅 通過
15:00ごろ 横浜駅 停車 乗客降車
15:35ごろ 大船駅 通過 下り回送(伊豆高原駅へ)
16:08 石橋鉄橋 通過

4日目の熱海駅以降の時刻は、通常の下田クルーズ運行時の通過時刻と同じだと思われます。

この記事では、Minecraft の MOD「Super Factory Manager」の使い方を説明します。

使用する環境の本体バージョンは1.20.1です。

このMODは本体バージョン1.12.2版などもリリースされていますが、1.18以前の古いバージョンのものは機能が非常に限られているとの情報があります。筆者は1.20.1版のみ直接確認しており他の本体バージョンについてはわかりませんが、可能であればより新しい本体バージョンの環境での利用をおすすめします。

Super Factory Manager では何ができるのか

このMODは、一つのブロックに指示することで、大量の機械やインベントリへの搬出入をおこなえるようになります。

工業MODや難易度の高いModpackで遊んでいると、複数の機械を(大量に)並べて設置することがあります。バニラでも数百とは言わずとも十数個のかまどを一列に並べて、多量のアイテムを一度に製錬することがあると思います。

この製錬ラインを作る場合に、何が必要でしょうか。かまどで製錬する場合は「製錬するアイテム」「燃料」「かまどで製錬されたアイテム」を移動するための物流が必要で、ホッパーやホッパー付きトロッコとレール、MODで追加された導管を使う必要があります。MODで追加される電動のかまどを使用する場合でも、燃料の代わりに電力ケーブルを接続する必要があります。すべてのホッパーは向きに気を付けて接続するしなければなりませんし、導管の搬出入設定も一つ一つ実施しなければなりません。

数個程度の機械であればすべて手作業でも問題ありませんが、数十個と機械を並べてすべて手作業で設定するのは苦痛ですし、間違いも発生しかねません。Mekanismの機械の場合は「設定カード」というアイテムで同じ種類の機械の搬出入設定をコピーペーストすることができますが、導管にはできません。コンフィグレーターを使ってシフトを押しながら導管を右クリックして搬出入設定をポチポチする作業を何回もするのはかなりつらい作業です。

Super Factory Manager では、このアイテムの搬出入や電力の送信を、一括管理することができます。一度プログラムを設定してしまえば、関連する機械全てに同じ動作を適用できるため、機械を追加設置しても大きな追加作業は生まれません。また、電力やアイテム、液体など異なる種類の材料などをまとめて送ることも可能です。これにより、通常は導管などを通すために間隔をあけて設置せざるを得なかった機械群を、隙間なく詰めて壁のように設置することもできます。

このMODを使って、スマートな製造・加工ラインを建設しましょう。

なおSuper Factory Managerでは、プログラミングを使用して搬出入の指示を出します。プログラミングといっても簡単で理解しやすいものなので、怖がらずに挑戦してみてください。コードはコピーアンドペーストが可能で、ゲーム内画面に直接貼り付けることもできます。

MODで追加されるもの

まずはこのMODで追加されるものを紹介します。

Facoty Manager(ファクトリーマネジャー)

Factory Manager

輸送ネットワークの根幹となるブロックです。一つのネットワーク内に一つだけ必要です。

なお材料に含まれる黒いブロックは後述の「Invneory Cable」です。チェストは普通の木製のチェストで問題ありません。

Inventory Cable(インベントリケーブル)

Inventory Cable

ファクトリーマネジャーと各種の機械やインベントリ(チェストや樽など)を繋ぐケーブルです。降るブロックサイズですが、他のMODで追加されるような導管と同じ役割を持っていると考えてください。ただし、これ一つでアイテムや液体からガス、電力まで何でも転送できるうえ、向きは関係なく、機械やインベントリと接して設置していれば機能します。個別の搬出入設定は接続される各機械側とプログラムで対応するため、インベントリケーブルでの搬出入の設定はありません。

材料のチェストはこちらも普通の木製のチェストで問題ありません。

Factory Manager Program Disk(ファクトリーマネジャープログラムディスク)

Factory Manager Program Disk

プログラムを記録しておくためのアイテムです。ファクトリーマネジャーを使ってプログラムを書き込みます。

Label Gun(ラベルガン)

Label Gun

ネットワークの機械やインベントリを設定するために使用します。後述しますがプログラム上で設定したインベントリや機械(変数)がどこにあたるのかを、このラベルガンを使って指定します。

Network Tool(ネットワークツール)

Network Tool

ネットワークがどのように設定されているかを確認することができます。作成は必須ではありません。

Water Tank(水タンク)

Water Tank

このブロックに接して2つ以上の水源を設置することで、無限水源として機能します。電源不要です。Thermal Expansionシリーズで追加される「水生成器」と同じです。

最大で1,000mB/tickの水を搬出できます。作成は必須ではありません。製造ラインなどで必要な場合には使ってもいいでしょう。

基本的な操作と流れ

文字だけで基本的な操作を最初に記載します。文字だけで理解できる場合はこの手順で進めてください。画像付きの詳しい解説は下にあります。
なおプログラムの実行に電力は不要です。

  1. まずはファクトリーマネジャーと製造ラインなどで必要な機械、インベントリを設置し、すべてをファクトリーマネジャー本体に接して設置するか、直接接しない場合はインベントリケーブルを使って接続してください。
  2. ファクトリーマネジャーに新しく作成したプログラムディスクを挿入して、左側の「Edit」ボタンから、もしくは Ctrl + E を押してプログラムを作成、保存します。
  3. ラベルガンを持って、設定したファクトリーマネジャーに向かってシフト右クリックをします。「Pullued labels from the manager.」とメッセージが表示されればokです。
  4. ラベルガンを空に向かって右クリックすると、プログラムに書き込んだ変数(機械やインベントリ)の名前のボタンが表示されます。
    一つ選ぶと画面が閉じられるので、該当するブロックをラベルガンで右クリックします。すると対応するブロックがフィルターされて赤紫色に光ります。同じ変数のブロックであれば同じように指定をします。
    この作業を他の変数分繰り返して、すべての機械、インベントリの変数を設定します。
  5. 全て設定し終えたら、ラベルガンを持って、ファクトリーマネジャーを右クリックします。すると「Pushed labels to the manager.」と表示されますので完了です。
  6. プログラム通りに指示が実行されます。

詳しいチュートリアル

ここからは、画像付きの詳しいチュートリアルを始めます。

はじめに(共通の手順)

まずは、お好きな位置にファクトリーマネジャーを設置してください。

ファクトリーマネジャーを設置

設置したら右クリックでGUIを開いてください。

GUIを開いた状態

プログラムディスクを入れると左側にボタンが表示される

あとはプログラムを作成して、各機械を設定します。

この後の手順は各ライン、やりたいこと別に異なります。何をしたらいいかわからない場合には、そのまま読み進めてください。

サンプルコードについて

いきなりプログラムを書けと言われても、言語も指定されていない状況で普通はどうしたらいいかわからないでしょう。

ファクトリーマネジャーを新しいプログラムディスクを挿入すると、画面左側にいくつかボタンが表示されます。このうち、「View examples」のボタンを押すか、 Ctrl + Shift + E を押すことで、サンプルを見ることができます。このサンプルコードはコピーアンドペーストが可能で、自分のラインにそのまま使うこともできます。

View exapmlesを押してみた

たくさんのコードが並んでいますが、注意すべきは全てがサンプルコードではないということです。

例えば1行3列目の「Changelog」は、プログラムではなくこのMOD自体の更新履歴をゲーム内で確認できるようにしているものです。これ自体に機能があるわけではありません。4行1列目の「thanks」も同様に、MOD作者による謝辞が記載されているだけです。1行5列目の「Forget」は『FOREGET』というコマンドの使い方についてを記載したものです。これ自体ですぐに使えるものではありません。

また、サンプルコードの中にはそのままでは機能しないものもありました。ご自身の目的に合わせてサンプルコードを修正しなければならない場合があります。

コード1-1 単純なアイテムの移動

一連の手順

まずはサンプルコードを利用して、「樽から別の樽へアイテムを送信する」というプログラムを作成しましょう。

「View exapmles」から「A simple program」を選択すると、以下の画面が表示されます。行番号が表示されていない場合は、左下の「#」のボタンを押すと行番号の表示非表示を切り替えられますので、好みに応じて切り替えてください。

A simple program

NAME "A simple program"

EVERY 20 TICKS DO
    -- on their own, input statements do nothing
    -- there is no item buffer
    INPUT FROM a

    -- all the magic happens here
    OUTPUT TO b
END

これは、一連の指示のプログラムです。その指示内容は「20ティック(1秒)毎に『a』から『b』へアイテムを送る」です。いろいろ他にも書かれていますが、これらは後で説明します。

まずはこれをそのまま使ってみます。下の「完了」ボタンを押すと、いま挿入しているプログラムディスクへ、このプログラムがそのまま書き込まれます。また、プログラムをコピーして、一度「キャンセル」を押したあと最初の画面に戻り、「Edit」ボタンを押してペーストすることも可能です。

コードが問題なく書き込まれると、ファクトリーマネジャーのプログラムディスクを入れるスロットの横に「!」が表示されます。これはプログラムに何か問題やエラーがあるため実行できないということです。

エラーの原因は、『a』と『b』がわからない(定義されていない)からです。今回は「『a』から『b』へアイテムを送る」と指示をしましたが、その『a』と『b』が何を指しているのかは、まだ示していません。そのため『a』と『b』がどこのインベントリを意味しているか分からないため、どこからどこへアイテムを送るべきか定まらず、エラー表示が出ています。

そこで、『a』と『b』にあたるインベントリとして樽をひとつずつ設置して、ラベルガンを使って『a』と『b』を指定します。

樽を設置
黒いブロックはインベントリケーブル

ファクトリーマネジャーの左に隣接して一つ目の樽を設置しました。二つ目の樽はファクトリーマネジャーから2ブロック離して設置しました。この間を黒いインベントリケーブルを使って接続しています。これでファクトリーマネジャーのあるネットワークに二つの樽が接続されました。

次に、ラベルガンを持ってファクトリーマネジャーをシフト右クリックします。

ラベルガンでシフト右クリック

上の図のように「Pulled labels from the manager.」と表示が出れば、プログラムの情報がラベルガンに反映されたことがわかります。

続いて、ラベルガンを何もないところに向かって右クリックしてください。すると以下の画面になります。

ラベルガンを空に向かって右クリック

「a (0)」と「b (0)」が表示されていれば問題ありません。

ラベルガンで、プログラムで指定したインベントリがワールド上のどれに該当するのかを指定します。

まずは『a』のインベントリを指定するため、「a (0)」のボタンを押してください。すると画面が元に戻ります。ラベルガンを持ったまま、今回は左側の樽に向かって右クリックをしてください。

ラベルガンで『a』のインベントリを指定

すると対象の樽が赤紫色にフィルター掛けされます。

続いて、同じように『b』のインベントリを指定します。右側の樽を『b』として指定してください。

『b』の樽も指定

『a』と『b』のそれぞれを指定出来たら、最後にラベルガンを持ってファクトリーマネジャーを右クリックしてください。

最後の右クリック

「Pushed labels to the manager.」とメッセージが表示されたら、ラベルガンで指定した内容がプログラムへ反映されました。準備完了です。

あとは左側の『a』の樽に好きなアイテムを入れてみてください。右側の『b』の樽へと高速で移動されます。

コード1-1の手順は以上となります。

コードの解説

今回使用したコード(サンプルからコピーアンドペーストしただけのもの)は以下です。

NAME "A simple program"

EVERY 20 TICKS DO
    -- on their own, input statements do nothing
    -- there is no item buffer
    INPUT FROM a

    -- all the magic happens here
    OUTPUT TO b
END

これらが何を意味しているのか、一行、ないし一部分ずつ見てゆきます。

NAME "A simple program"

最初にプログラムの名前を設定しています。「プログラムディスク」のアイテム名はここで設定した名前と同じものになります。

EVERY 20 TICKS DO

これより下に記載するプログラムが、どの間隔で稼働するか設定します。ここでは20ティック毎、つまり1秒毎に1回動作することが指定されています。

「20」の数字を小さくすることで、技術上はこれより短い間隔で動作させる設定をすることも可能ですが、間隔を短くすると動作が不安定になりやすいそうです。1回あたりの最大輸送スピードはかなり速い(少なくとも1種類のアイテムで樽1つ分27スタックであれば1回の動作で運びきる)ので、必要なければこれ以上間隔を短くしないほうが良いようです。

    -- on their own, input statements do nothing
    -- there is no item buffer

ここでは、メモが記載されています。HTMLの「コメントアウト」と同じで、Super Factory Managerのプログラムの場合は頭にハイフンを二つ置くことで、それ以降の文はプログラム自体には影響しないようになっているようです。

「on their own, input statements do nothing」(入力文だけでは何もしない)とあるのは、下の「INPUT FROM a」に関する説明です。「INPUT」というコマンドだけでは何も起こらず、更にその下の「OUTPUT」というコマンドと合わせて使うことで初めて機能することが示唆されています。

「there is no item buffer」(アイテムバッファは無い)とあるのは、ファクトリーマネジャー本体が持つアイテムバッファ、一時的に保管しておく場所やインベントリは無いという意味です。『a』から『b』にアイテムを送るときにその間にバッファは無いため、『b』のインベントリに空きがなければ『a』からアイテムが送り出されることはないということです。

    INPUT FROM a

『a』のインベントリから、アイテムを取り出すという意味です。「INPUT」とありますがファクトリーマネジャー自体がインベントリを持っているわけではないので、「ファクトリーマネジャーのネットワーク経路に取り込む(+この後それをOUTPUTする)」というような意味です。

    -- all the magic happens here

「all the magic happens here」というのは、プログラムの核心がここ(つまりこの下の「OUTPUT」)にあるという意味です。

    OUTPUT TO b

ここでは『b』のインベントリへとアイテムを送り出すという意味です。プログラムの核心がここにあるというのは、この「OUTPUT」までがなければプログラム全体が動かないという意味です。(繰り返しになりますが)「INPUT」は「OUTPUT」までセットで使われることで機能し、それ単体では機能しません。また「OUTPUT」とありますがファクトリーマネジャーの内部にインベントリを持っていてそこから搬出されるわけではなく、『a』から直接、ファクトリーマネジャーのネットワークを経由して『b』へと送られています。

END

本プログラムはここまでで書いていること以上で終わり、という意味です。

特に指定が無い場合は、20ティック毎にこの動作が繰り返されます。『a』のインベントリにあるアイテムは、『b』のインベントリに余裕がある限り送られ続けます。

コード1-2 アイテムを送る数を指定する

コード1-1では、特にアイテムを送る数を指定していませんでした。実はプログラム上では、「最大のスピードで送れるだけ送る」という指示になっていました。

実際のケースでは1度に送るアイテムの数を指定したい場合もあると思います。そこで、ここでは個数を指定します。

1-1のコードを編集して使います。ファクトリーマネジャーのGUIを開いて、「Edit」ボタンから編集画面を開きます。

コード 1-2

NAME "A simple program 1-2"

EVERY 20 TICKS DO
    -- on their own, input statements do nothing
    -- there is no item buffer
    INPUT 1 FROM a

    -- all the magic happens here
    OUTPUT TO b
END

6行目の「INPUT」と「FROM」の間に「1」を追加しました。これにより、20ティック毎に1個ずつ、アイテムが送られます。

『a』の樽に適当なアイテムを複数入れてみてください。1-1のコードでは数スタックが一気に送られましたが、1-2のコードでは1秒ごとに1個ずつ送られることがわかります。

コード1-3 送るアイテムを指定する

送るアイテムを指定したい場合もあると思います。今回は「石」だけを送るように指定します。

コード 1-3

NAME "A simple program 1-3"

EVERY 20 TICKS DO

    -- on their own, input statements do nothing
    -- there is no item buffer
    INPUT stone FROM a

    -- all the magic happens here
    OUTPUT TO b
END

6行目の「INPUT」と「FROM」の間に「stone」を追加しました。これにより、石だけが送られ、それ以外のアイテムは送られないプログラムになりました。

時系列は(右)→(左)
石だけが送られる

図だとわかりにくいですが、『a』のインベントリからは石だけが送られて金インゴットは残っています。

コード1-4 送るアイテムを除外指定する

アイテムを除外して指定したい場合があると思います。今回は「丸石」だけ除外指定します。

コード 1-4

NAME "A simple program 1-4"

EVERY 20 TICKS DO
    -- on their own, input statements do nothing
    -- there is no item buffer
    INPUT EXCEPT cobblestone FROM a

    -- all the magic happens here
    OUTPUT TO b
END

時系列は(右)→(左)
丸石だけは除外しているので送られずに残されている

『a』のインベントリから、丸石以外のアイテムは送られましたが丸石は残されました。

コード1-5 送るアイテムを正規表現で指定する

名前に「インゴット」が含まれるアイテムを全て送る場合には、以下のようにします。なおプログラムの機能に影響のないコメントアウトは取り除きました。

コード 1-5-a

NAME "A simple program 1-5-a"

EVERY 20 TICKS DO

    INPUT ".*ingot.*" FROM a

    OUTPUT TO b

END

コード 1-5-b

NAME "A simple program 1-5-b"

EVERY 20 TICKS DO

    INPUT *ingot* FROM a

    OUTPUT TO b

END

コード 1-5-a も 1-5-b も機能は同じで、名前に「ingot」が含まれるアイテムが送られます。「".*(ここにアイテム名を入力).*"」「*(ここにアイテム名を入力)*」のようにすれば指定できます。

違いは5行目が「**".*ingot.*"」「*ingot***」かです。二つのアスタリスクで囲むだけの方が簡単なので、MOD作者は後者を好んでいるそう。好きな方を選択すればよいでしょう。

コード1-6 送るアイテムをタグを使って指定する

タグを使ってアイテムを指定することも可能です。今回は羊毛を送りたいので「minecraft:wool」というタグを利用します。このタグを指定するには以下のようにします。

コード 1-6

NAME "A simple program 1-6"

EVERY 20 TICKS DO

    INPUT WITH #minecraft:wool FROM a
    INPUT WITH TAG minecraft:wool FROM a
    INPUT WITH TAG #minecraft:wool FROM a

    OUTPUT TO b

END

タグを指定するには「WITH #(ここにタグを入力)」「WITH TAG(ここにタグを入力)」「WITH TAG #(ここにタグを入力)」を使います。

上のコード例ではINPUT文が三つありますが、すべて同じことを意味しています。実際に使用する場合はどれか一つで構いません。

minecraft:wool」のタグを持つ羊毛だけが移動した

コード2 かまどライン

Super Factory Manager を使って、かまどでの製錬ラインを構築してみましょう。

設置から稼働まで

必要なものは以下です。

今回は下の図のように設置しました。

設置状況

左側に樽を置いていますが、これはそれぞれ「完成品を入れる樽」「燃料を入れる樽」「製錬されるものを入れる樽」に用途が分かれています。また、すべてのブロックの裏側にインベントリケーブルを設置しています。白いブロックの代わりとしてインベントリケーブルを設置したり、各ブロックの上に設置しても問題ありません。

コードは「View example」のなかに「Furnace Manager」というものがあります。これを利用します。

Furnace Managerのコード

name "Furnace Manager"

every 20 ticks do
    input from "to be smelted"
    output 8 to each furnace top side

    FORGET

    input from fuel
    output retain 1 to each furnace bottom side

    FORGET

    input from furnace bottom side
    output to results

end

これまでのコードでは大文字だったものが小文字になっていたり、「"」が付いている箇所と付いていない箇所がありますが、機能の上でそこは大きな問題ではありません。

コードを確認したら、「完了」ボタンを押すことで現在のプログラムディスクに同じコードが書き込まれます。

続いて、各機械やインベントリを設定します。ラベルガンを持ってファクトリーマネジャーをシフト右クリックして、さらに何もないところに向かって右クリックすると、以下の画像のようになると思います。

ラベルガン

もし、「fuel」「furnace」「results」「to be smelted」の他に、例えば「a」や「b」といったボタンが残っている場合は、以前の設定がラベルガンに残っている状態です。その場合は、右の「clear」ボタンを押してラベルガンの情報をリセットしてから、再度ファクトリーマネジャーシフト右クリックしてください。

正しく情報をラベルガンに適用出来たら、各機械とインベントリを設定します。今回は少し見にくいですが、以下の画像のように設定しました。「furnace」は各かまど、「results」は完成品を入れる樽、「fuel」は燃料を入れる樽、「to be smelted」は製錬されるアイテムを入れる樽です。

設定

設定できたら、ラベルガンをファクトリーマネジャーに向かって右クリックすると、反映されます。あとは製錬されるアイテムを入れる樽と燃料を入れる樽にそれぞれアイテムを入れると自動で作業が始まり、完成品を入れる樽に完成品が入れられます。

各樽の様子
(左)resultsの樽 (中)fuelの樽 (右)to be smeltedの樽

コードの解説

以下では、使用したコードがそれぞれどのような働きをしているのか、コメントアウトを追加する形で説明します。

`name "Furnace Manager"
--プログラムの名前を「Furnace Manager」とする

every 20 ticks do
--20ティック毎に1回動作する input from "to be smelted" output 8 to each furnace top side
--「to be smelted」からそれぞれの「furnace」へ8個アイテムを送る
--アイテムは「furnace」に対して上から入れる

FORGET

--上で指定したinputとoutputの情報をここで一度「忘れる」
--上で指定した情報を引き継がないという意味
--上で指定した情報は残っているので問題ない
--もしここで「FORGET」しない場合どうなるかは後述
input from fuel output retain 1 to each furnace bottom side --「fuel」からそれぞれの「furnace」へアイテムを送る
--「furnace」には1個だけ「fuel」からのアイテムがあるようにする
--アイテムは「furnace」に対して下から入れる

FORGET  

--上で指定したinputとoutputの情報をここで一度「忘れる」

  input from furnace bottom side output to results --「Furnave」の下からアイテムを取り出して「results」へ送る

end
--ここでプログラムは終わり

`

もし「FORGET」を使わない場合、その前後のinputとoutputの情報が引き継がれることになります。今回の例では「製錬されるものを送る指示」と「燃料を送る指示」が混線してしまい、製錬されるものが燃料のスロットに入れられたり、燃料が製錬されるもののスロットに入れられてしまう可能性があります。こうなることを防ぐため、「FORGET」を使って、それ以降にinputとoutputの指示を引き継がないようにしています。

かまどの燃料は下から入れています。バニラの仕様としてかまどの燃料は側面か下面から入れることができます。「bottom side」の代わりに、例えば「east side」でも問題なく燃料が投入されます。

かまどの燃料のoutput文に「retain」が使われています。これを使用することで、かまどには常に燃料が一つだけ投入されるように制限でき、余分に燃料を投入しないようになっています。

コード3 送電

インベントリケーブルは電気を送ることもできます。

以下のように、左のエネルギーキューブ(a)から右のエネルギーキューブ(b)へ、電気を送るプログラムを作成しました。

設置状況

エネルギーキューブの設定(左右同じ)

コード「electricity transmission」

name "electricity transmission"

every 20 ticks do

 input forge_energy:: from a bottom side

 output forge_energy:: to b top side

end

ラベルガンでの設定

問題なく設定が完了すれば、aのキューブからbのキューブへと電力が移動します。Mekanismの究極エネルギーキューブは満充電で約102MFEの容量がありますが、これでも充電は一瞬で移動します。

Mekanismの機械は各側面の搬出入設定を細かく切り替えられるものが多いです。もしうまく動作しない場合は、搬出入の設定とプログラム側の設定がきちんと対応しているか確認してください。

コード4 Mekanismエチレンガス製造ライン

実用的な例として、Mekanismの加圧反応室を並べて、エチレンと基質の製造ラインを作成します。加圧反応室は「水の搬入」「水素ガスの搬入」「バイオ燃料の搬入」「製造した基質の搬出」「エチレンガスの搬出」「電力」と要求されるものが多く、工夫しないと機械6面を全て使うことになります。そのため複数の加圧反応室を並べると、導管で大変なことになります。

Mekanismだけで対応する場合は、1面からアイテムや液体、ガス、電力など複数種類を搬出できる「量子もつれ転送機」を使用してラインを整理して並べることができます。ほかにもEnder IOの複数種類の導管をまとめられる機能を使うこともできます。

今回は SuperFactory Managerを使って、このラインを構築してみましょう。

設置状況

左から簡単に各機械の説明をします。

電源は究極エネルギーキューブを設置し、キューブは外部電源から常に充電しています。ファクトリーマネジャーから直接送電することはできないので、外部電源からのバッファとしてエネルギーキューブを設置しています。サバイバルでの運用時には発電機などからこのキューブへ送電して、キューブに常に電源が供給されるようにしてください。

樽は二つ用意しました。左の樽が、エチレンガスと基質の材料であるバイオ燃料を入れておくための樽です。右の樽は完成品の基質を入れるための樽です。

化学タンクには完成したエチレンガスを保管します。エチレンガスはガス燃焼発電機で使用します。

Water Tankは2つの水源に隣接しているので、無限水源として機能します。せっかくなのでSuper Factory Managerで追加されるものを使ってみました。

電解分離機と加圧反応室はそれぞれ9台ずつ用意しました。実際の運用では電解分離機と加圧反応室の台数の割合は2:3ぐらいでも問題ない(水素の供給量が十分)ような印象です。機械の中でガスが余っている場合、機械の設定を「停止」とすれば稼働停止し、電力が無駄に消費されることはありません。今回は水素供給量に余裕を持たせた構成です。

インベントリケーブルは全て機械の背後に繋げています。

エチレンガス・基質生産用のコード

name "Ethylene Substrate Line"

    every 20 ticks do
    
        --エネルギーキューブから電解分離機と加圧反応室へ送電
        input forge_energy:: from Energy_Cube bottom side
        output forge_energy:: to each Pressurized_Reaction_Chamber top side
        output forge_energy:: to each Electrolytic_Separator top side
    
    forget
    
        --水を水タンクから電解分離機と加圧反応室へ輸送
        input fluid:: from Water_Tank bottom side
        output fluid:: to each Electrolytic_Separator east side
        output fluid:: to each  Pressurized_Reaction_Chamber east side
    
    forget
    
        --水素ガスを電解分離機から加圧反応室へ輸送
        input gas:: from Electrolytic_Separator west side
        output gas:: to Pressurized_Reaction_Chamber east side
    
    forget
    
        --バイオ燃料を樽から加圧反応室へ輸送
        input from Bio_Fuel
        output to each Pressurized_Reaction_Chamber east side
    
    forget
    
        --生産された基質を加圧反応室から樽へ輸送
        input from Pressurized_Reaction_Chamber west side
        output to Substrate
    
    forget
    
        --生産されたエチレンガスを加圧反応室から化学タンクへ輸送
        input gas:: from Pressurized_Reaction_Chamber west side
        output gas:: to Ethylene_Tank top side
    
    end

上ではコメントアウトも記載していますが、ゲーム内画面では入力していません。コメントアウトはプログラムの機能に影響は無いので、削除しても問題ありません。

ラベルガンでの設定

「ネットワークツール」を持つと
インベントリケーブルがどこに設置されているか可視化される

プログラムとMekanismの機械側の搬出入設定にはご注意ください。電解分離機と加圧反応室は全てのアイテム、ガス、液体の搬入を画面の左側(東側)から、搬出を右側(西側)へと行うように設定し、それに対応するようにコードも書いています。実際に設置して使うときは、ワールドの向きにも気を使うか、上下の面だけを搬出入に使うとよいでしょう。

電源用のエネルギーキューブの設定は、コード3 送電で提示したものと同じです。電解分離機と加圧反応室の搬出入設定は以下の通りです。

電解分離機の搬出入設定

加圧反応室の搬出入設定

なお、Mekanismの機械の搬出入設定を同じ種類の別の機械にも適用したいときは、「設定カード」を使ってコピーアンドペーストすると便利です。シフト右クリックで機械の設定を設定カードに記録し、そのまま別の機械に右クリックすることで同じ設定を適用できます。

設定カードのレシピ

おわりに

Super Factory Manager で何ができるのかは、おおよそこれで理解できたかと思います。ファクトリーマネジャーのプログラムではさらに複雑な操作も可能です。アイテム個数で条件制御したり、レッドストーン信号を受けて動作したり、レッドストーン信号を出すというプログラムにも対応しています。

Applied Energistics 2 やRefined Storageなどの自動クラフト機構と併用する場合でも、特に同時並行作業で多くの機械を稼働させるときにチャンネル数の節約や負荷の低減に寄与します。コード例も参考にしながら、ぜひスマートな巨大工場を作ってみましょう。

この記事では、MinecraftのMOD「Hyperbox」の紹介をします。

使用する環境は本体バージョン1.20.1です。

Compact Machines の1.20.1への対応が遅れている(追記あり

Compact Machinesとは、1ブロックの中に小さな空間を収納したブロックを追加するMODです。種類にも依りますが、別ディメンションの13立方ブロックの囲まれた空間を用意することができ、その中で好きに機械を設置することができます。工業MODで複雑な製造ラインを組むと必要なスペースが大きくなることがありますが、Compact Machinesを使えば省スペースにそれらをまとめることも可能で、重宝されてきました。

一方で、記事執筆時点でCompact Machinesは本体バージョン1.20.1以降への対応は行われていません。最後の更新は2022年、本体バージョン1.19.2への対応で停止しています。CourseForgeでは1.20.4にも対応する予定があることが示唆されていますが、公開時期は不透明です。

この記事では1.20.1 でも Compact Machines と同じようなことができるMODとして、Hyperbox を紹介します。

(2024年11月17日追記)

Compact Machinesは1.20.1 Forge用と、1.21.1 NeoForge用のアルファ版が公開されたようです。CourseForge内のFilesページから、「Show alpha files」のトグルをオンにするとアルファ版のファイルもダウンロードできます。

(追記おわり)

Hyperboxの作成

記事執筆時点でHyperboxは、本体バージョン1.20.1のほか、1.20.4、1.21、1.21.1などのバージョンにも対応しています。

Hyperboxでできることは、Compact Machinesと似ていますが、所々異なる点があります。

追加されるブロックは、Hyperbox一つだけです。この材料に「泣く黒曜石」があります。泣く黒曜石は荒廃したポータルからやピグリンとの物々交換によって得ることができます。

Hyperboxのレシピ

Mekanismを導入している場合は反陽子核合成機で反物質1mBを黒曜石に練り込んで得ることもできますが、これはエンドコンテンツです。どうしても見つからない場合の最終手段としてこのレシピも検討してください。

泣く黒曜石のレシピ

使い方

Hyperboxを初めて設置すると、名前を設定するGUIが表示されます。そこで好きな名前を登録すれば、ボックス内の空間にワープします。

まずはHyperboxを設置する

設置して最初に右クリックすると、ボックスの名前を設定するGUIが開く

ボックス内の空間は壁を除いて13x13x13です。壁は岩盤ブロックでできており、各面の中心には搬出入口が設置されています。照明はないため初期状態では暗いままです。松明などを設置しましょう。

内部は岩盤で囲まれている

内部空間は13ブロック立方
松明やブロックは筆者が設置した

ボックス内から出るには、搬出入口の一つを右クリックするだけです。これで外へ出られます。

Hyperboxを撤去しても、同じブロックを再設置すれば、また同じようにボックス内にアクセスできます。

搬出入口からのやりとり

搬出入口からは、ホッパーやパイプを使ってボックス内外とやり取りすることができます。それぞれの口は内部の位置と外部の位置関係が一致しているため、例えば内部空間で下側の口からアイテムを搬出すると、ボックスの外では、Hyperboxの下側の面からアイテムが搬出されます。

搬出入口にホッパーを接続

ボックスの外で、対応する面からアイテムが搬出されるので
ホッパーで受け取り樽へ搬入している

なお、Mekanismの各種導管(物流トランスポーター・メカニカルパイプ・加圧チューブ・熱力学的コンダクタ)は搬出入口と接続できます。

先にハイパーボックスの内側か外側のどちらかに、接続したい面で導管を設置し、その後もう一方の側の対応する面に同じ種類の導管を設置することで接続されます。

物流トランスポーターをボックスの内側で天井に設置すると
ボックスの外側では上から接続できる

ただし、搬出入口を使わずともMekanismを導入していれば「量子もつれ転送機」でなんでも無線送信できます。搬出入口が埋まってしまったら別の選択肢もあるので覚えておくといいでしょう。

チャンクロードについては、Hyperboxのブロックが設置されたチャンクが読み込まれていれば、そのボックス内のチャンクも読み込まれるとのことです。以下では一例としてMekanismのチャンクローダーを使用していますが、チャンクロードは他の手段でも構いません。

Mekanismのチャンクローダーである
「ディメンショナルスタビライザー」を設置した状態

ディメンショナルスタビライザーの設定
左上の「田」のボタンを押すと、ロードする範囲を可視化できる

あとは好きな装置を入れて、使ってみましょう。

Mekanismの原子炉を入れてみました

(Copilotで生成)

2024年10月24日(木)に、同年冬シーズンから発売される「青春18きっぷ」はリニューアルされることが発表されました。新しい18きっぷ(以下、新18きっぷ)は2024年夏までに発売されていたそれまでの18きっぷ(旧18きっぷ)から制度が大幅に変更されたため、主に鉄道趣味者から大きな反響がありました。2024年夏の発売発表が例年に比べて遅くなったこともあり、ここ数年は旧18きっぷは廃止されるのではないかと心配され続けていました*1が、ついに大きな変更が加えられた形です。

後述しますが、切符の名前と料金は(一部)受け継がれているものの、旧18きっぷから新18きっぷになって変更された内容が大きく、その中身は別物であり、事実上旧18きっぷは廃止されたといえます。

この記事ではなぜこのように制度が大きく変更されたのかについて落ち着いて整理します。変更の多くが改悪に近いものであったため個人的な不満や要望、思い出話は書こうと思えばいくらでも書けるのですが、一部推測を含むものの筆者の意見はなるべく抑えています。このような記事を書こうとすると、大抵「改悪反対!JRの横暴を許すな!」と憤慨するか「もう私は18きっぷを使った旅行はしないからどうなろうと関係ないね」と冷笑するようなどちらかの態度になりかねないのですが、どちらにもなるつもりはありません。

変更点

細かい制度は各社のホームページなどで確認していただくとして、ここでは重要な変更点を挙げます。

そもそもなぜ旧18きっぷは販売され続けたのか

18きっぷが長年販売され続けた理由は、これがJR(旧国鉄)にとっても都合の良い商品だったからでした。現大井川鐡道社長の鳥塚氏が東日本の「キュンパス」についての記事でなぜ鉄道会社がこういったフリー切符を販売するかについて、「1:閑散期対策としての利用促進」「2:供給の手配が不要である」「3:輸送の保証がない」「4:手間がかからない」という4つの理由を挙げています。18きっぷについては必ずしも閑散期だけで販売されているわけでありませんが、2から4の理由は当てはまります。勝手に売れて、現金が入ってきて、その割には特別なサービスやそのための要員が必要ないという、鉄道会社にとっても実にありがたい商品がキュンパスの特徴」と書かれていますが、18きっぷについても同じことがいえます。

18きっぷは特急や新幹線に乗車することはできません。そのため貴重な優等列車の座席が18きっぷの利用者で埋まることはなく、普通列車が混雑する分には特に18きっぷシーズンに合わせた増発の必要はありません*2。鉄道事業は固定費の占める割合が大きく、旧国鉄末期の財政難も重なり、旧18きっぷは大きな追加の費用や投資が必要なく売り上げを増やせるため、重宝されてきたのでした。

発売当初は若い人を中心に鉄道を使った貧乏旅行を楽しんでもらい、その後の鉄道利用に繋げようという意図もあったかもしれませんが、主目的ではないでしょう。

なぜ18きっぷは生まれ変わったのか

今回旧18きっぷから新18きっぷとなった理由は、「自動改札に非対応」という点で旧18きっぷがお荷物状態になっており、これをJRの都合だけを考えて解消するため、つまり「自動改札に対応させるため」です。他にも変更があり各所に影響が出ていますが、それらは付随的なものであり本質的な理由ではないと筆者は考えています。

18きっぷは自動改札に対応していませんでした。旧18きっぷのルーツは1982年に発売された「青春18のびのびきっぷ」ですが、旧国鉄でもこの頃は自動改札機は一般的ではありませんでした*3。旧18きっぷに限らず多くの切符が自動改札機非対応どころか自動改札機がない時代であったため、改札や窓口で人間が切符をチェックすることが当たり前でした。

人間が窓口で切符を直接確認するからこそ、旧18きっぷは自由な使い方が可能でした。各シーズンの期間内であればいつでも使用開始可能、使用するにはその日最初に使用するときに入鋏してもらうことで使用可能に、使用日は連続していなくても問題なし、複数人で同時に使用することも可能といった旧18きっぷならではの特徴は、自動改札に非対応だからこそでした。

通常であれば、乗車券やSuicaなどのIC乗車券は一人一枚必要になります*4。自動改札もこれを前提として、一人一枚切符を使用して通過することができる仕組みです。運賃が無料の乳幼児を除いて複数人が一枚の切符をシェアして改札を通過するということは考えられていません。

また、乗車券は通常一度使用を開始したら、使用を一時停止することは考えられていません。例えば片道営業キロが101キロ以上で大都市近郊区間以外を含んだ経路の乗車券であれば有効期限が2日以上あり途中下車も可能ですが、途中下車している間で1日間切符を使用しなかったとしても有効期限がその分延長されるわけではありません。また、有効期間は始めから終わりまで連続していて、途中で途切れることがあるというものは例外です。

これら例外にあてはまるものが旧18きっぷであり、旧18きっぷが自動改札に対応できず、お荷物となっていた原因でした。

18きっぷの利用者は改札を出入りするとき、毎回必然的に窓口に並ぶことになります。しかし18きっぷを使用できる期間は長期休みシーズンと重なっており、18きっぷ利用者以外にも、定期券でない旅行客、つまり普段あまり鉄道を利用しない人や、その土地に慣れていない人も増加します。異なるICカードのエリアを跨いだ利用への精算対応など、自動改札を通過できずに窓口を利用する人も増加する上に、そこに18きっぷ利用者が押し寄せるため窓口の負担が非常に大きくなっていました。

近年は人手不足も重なり、省人化のため改札窓口に係員を置かず、カメラとスピーカーを使って遠隔で対応する駅も増えてきました。例えばJR東日本では「お客さまサポートコールシステム」として都心でも改札を無人にする駅を設けています。旧18きっぷ利用者はこれらの改札は通れないか、もしくは改札を通過する際にインターホンで係員を遠隔で呼び出して、切符の確認を受ける必要があります。他に、有人の駅であっても常時改札に係員が待機しているわけではなく、用がある際はベルを鳴らすことで改札に係員を呼び出すシステムを採用する駅もあります。

18きっぷ利用者は一日2,410円で乗り放題という破格で、新幹線や特急の利用者と比べて売り上げや利益にはそれほど大きく貢献しません。それにも関わらず、改札を通過する度に窓口を利用して係員が呼び出されて券面の小さな日付印の確認をしなければならないことで、決して生産性の高い業務とは言えないものに対して労力が必要となる旧18きっぷは、厄介者になりつつありました。自動改札が当たり前でなかった時代には大きな問題になりませんでしたが、時代やシステムが変化したことにより、財政難にあえいでいた旧国鉄や現在でも経営の苦しい三島会社を除き、本来JRにとって多少旨味があるはずの18きっぷは、その弊害の方が大きくなってきたのです。

そしてついにJRは重い腰を上げて、2024冬からは「自動改札機に対応させる」ことを大前提として切符を作り直した結果として、新18きっぷができあがりました。

名前を引き継いでいるのは40年以上販売し続けてきた知名度があるため、(連続)5日券があり値段が変わらないのは、単に旧18きっぷから引き継いだだけです。連続3日券は「連続5日券は使わない人が多そうだから少し値段を抑えて期間の短い券を販売してやろう」程度のことを考えただけです。

他の全ての変更は、根本的には自動改札に対応させたために起きたものです。一度に複数人の利用ができなくなったのも、不連続での利用ができなくなったのも、自動改札機が対応していないためです*5。(中高大学生を中心に)集団で18きっぷをシェアして旅行することもできなくなりましたが、自動改札が対応できないため仕方なしと切り捨てたことになります。

制度変更の理由は他に考えられるのか

制度の変更の理由は、JRとしてはいくらでも言うことができます。以前と比べて一人で利用する客が増加しているからとか、一定期間連続して使用する方がいるからとかです。近年は18きっぷ利用者からアンケートを回収していたそうですが結果は公表されておらず、(想像できることもありますが)正確な利用実態も不明です。

しかし、一人客の増加も数日間連続使用も、旧18きっぷでできなかったことではないため、それだけでは制度を大きく変更する理由には直接繋がりません。

18きっぷになり金券ショップへの転売は困難になりましたが、これも結果的にそうなっただけであり、主目的ではありません。1996年春から5回(人)分が切り離せず1枚になりましたが、それは転売やバラ売りへの対策という理由があったと思われますが、2024年冬の変更とは関係ありません。

明確なマーケティング戦略を持った「キュンパス」

2024年2月から一か月限定で設定されたJR東日本の「旅せよ平日! JR東日本たびキュン・早割パス」(以下、キュンパス)は明確なターゲットが設定され、マーケティング戦略が想定されていることが明らかでした。

新幹線や特急の優等列車の席に比較的余裕のある閑散期である2月から3月中旬までの平日で、特に平日に旅行をできる大学生や若い人向けを主なターゲットとして旅行してもらうために設定され、実際に大きく盛り上がりました。新幹線や特急の指定席を2回まで無料で乗車可能にすることでメインターゲットにその便利さを実感してもらい、今後の利用に繋げたいという意図がありました。青い森鉄道やIGR、三陸鉄道北越急行えちごトキめき鉄道といった一部の第三セクターも利用可能な一方、河津桜シーズンで混雑する伊豆急行や特にインバウンドで混雑する富士急線は除外されているのも、書き入れ時にフリーパスでこれ以上混雑させないよう考えられていたと思われます。

一方の新「青春18きっぷ」はどうでしょうか。「青春18」という名前は付いていますが、若者がメインターゲットというわけでもなく何か救済したり応援したりするつもりはありません。というかこの切符のメインターゲットが誰か、どの利用者層になるのかというのは一切考えられていません。鉄道会社も連続5日間朝から晩まで普通列車に乗り続ける人が多いとは考えていないと思います。5日連続で普通列車に乗り続けるには18歳の体力や気力をもってしても、厳しいものがあります。

ただし、連続使用については、旧18きっぷも同じことが言えます。18きっぷを連続で5日利用し続ける人や、朝から晩まで乗り続ける行程を続ける人はそう多くなかったはずです。しかし、旧18きっぷ使用日を一回分単位で自由に決められるため、天気や体調に合わせて柔軟に使用可能でした。1シーズン内での利用方法の柔軟さこそ、その名前に恥じないものであり、長年利用され続けている理由の一つでした。

今後どうなるのか

未来の事なのでわかりません。予想も無駄なのでしません。

中京テレビのニュースによると「今回の改定はこの冬シーズンから試験的に導入されますが、春シーズン以降での改定は現段階では未定」*6とあり、2025年春シーズンの事すら決まっていません。

中長期的にはJRでも短距離用の磁気乗車券を廃止してQRコード乗車券に置き換える動きがあり、2024年10月から東北エリアでQRコード乗車券・特急券を使える「えきねっとQチケ」というサービスが始まっています。新18きっぷQR対応にして連続しない利用をできるようにしてほしいという人もいますが、全くわかりません。現時点で根拠を持って予想できないものに対して予想をしても、今から何か準備できるわけでもないためあまり意味がありませんし、筆者個人の予想や希望はここでは扱いません。

そのほか考えられる指摘

青春18きっぷは1982年の発売から殆ど値上げされておらず安い値段のままであり、1日当たりの値段が変わらないだけでもありがたいと思え

確かに1982年からの物価上昇率を考慮すると破格の値段(尤もこれは18きっぷに限ったことではなく鉄道の運賃の多くがそうである)といえますが、3日券は1日当たり3,333円になり実質値上げされている上、5日券も3日券も連続使用という条件が追加されて5日券は値段据え置きなため、これも実質値上げされているといえます。今回の記事の焦点はは18きっぷの価格の妥当性ではなく単純に新旧の比較であるため、改悪であるといえます。

新幹線の並行在来線がJRから移管されて旧東北本線や旧北陸本線の一部が分断されたタイミングや、夜行快速ムーンライト系が全廃されたタイミングで、18きっぷの存在意義はなくなっていた

筆者はそうは考えていません。確かにムーンライトの乗客は18きっぷを乗車券とする利用者が多かったと思いますが、だからといって18きっぷ利用者が皆ムーンライトに乗車していたかというとそうではありません。JRの路線が青い森鉄道やIGR、えちごトキめき鉄道といった第三セクター鉄道に変わりましたが、首都圏の路線に乗車できなくなったというわけではなく、それらも全体から見たらごく一部です。ほかに自動改札が利用できないなど様々な不便さがありましたが、それでも旧18きっぷの価値は十分あったと考えます。

北海道&東日本パスは連続7日間ではないか

こちらはJR北・東に加えて青い森鉄道・IGR・北越急行にも乗車可能と条件が異なり、1日当たりの価格は18きっぷよりも安いです。7日間普通列車に乗り続ける人は相当少ないと思いますが、どのような意図で販売しているかは不明です。

18きっぷの代わりになるものはあるか

18きっぷを無理して使おうとしなくとも、他の選択肢があります。さすがに18きっぷほどフリー乗降範囲が大きいものは無いですが、いくつか例を挙げます。

JR東日本の首都圏であれば、休日おでかけパスとか、週末パスとかでしょうか。それぞれ有効期間は1日、2日ですが、18きっぷと異なり、別に料金券を買えば特急などにも乗車可能です。休日おでかけパスはりんかい線東京モノレールに、週末パスはJR以外の第三セクター長野電鉄鹿島臨海鉄道など多数の私鉄にも乗れる点も優れています。

他にも新潟地区であればえちごワンデー・ツーデーパス、JR東海の静岡地区は休日乗り放題きっぷ、名古屋地区は青空フリーパスJR四国は四国フリーきっぷや週末乗り放題きっぷなど、会社ごと、地区ごとに本当に様々な企画乗車券が販売されており、18きっぷより使いやすいものもたくさんあります。

エリアを跨いだ時に新たにフリー切符を購入しなければならないなどの手間がありますが、一日ごとに各地区ごとで切符を購入する方が柔軟な旅行ができるかもしれません。

おわりに

18きっぷは、妥協の産物ではなく惰性の産物でした。JR旅客6社跨ぎの切符で調整が大変だったとは思いますが、マーケティングなどは一切考えず、知名度のある切符の名前だけ維持してJR側の都合を押し付けた結果として、どの利用者層にも嬉しくない頓珍漢なきっぷが出来上がりました。

「今後も事業を安定的に継続し続ける」というのももちろん重要なのですが、これは単に事業者の都合を最優先に考えて、似たようなきっぷを販売継続するだけありがたいと思えと言わんばかりの舐めきった態度、大げさに言えばやる気のない殿様商売の態度が見えただけです。

2024年10月某日の日曜日に、近所の庚申塚でお祭りが開かれると聞いたため、参加しました。住所が特定されると困るので詳細はごまかして記録します。

きっかけ

町内会の回覧板で「庚申祭」を開催するので参加者募集との案内があり、暇だったので参加しました。

今の場所には長年住んでいるのでその庚申塚の前は何万回も通っておりますが、特別案内があるわけでもなく、ただ石碑と金木犀が植えられているだけで、詳しいことはよく知りませんでした。地元の事を知るいい機会だということで、朝9時からのお祭り参加名簿に名前を記入し、回覧板を回しました。

庚申祭の様子

朝9時のちょっと前に会場に行くと、飾りつけを行っている途中でした。赤白緑紫の旗がそれぞれ塚の区画の角に立てられ、旗の棒を使って、四角形に細いしめ縄が吊るされていました。一辺に4つずつ、しめ縄を一度部分的に緩めて紙垂(しで)を付ける作業が残っていたのでそれを手伝い、会場は完成しました。

庚申塔の前には机が用意され、その上には玉串、大きな魚、日本酒(御神酒)、ナスやバナナやリンゴなど、豪華なお供え物が、机の下にはお賽銭箱が用意されていました。机やお賽銭箱は普段見たことがないので、お祭りに合わせて設置したのだと思います。

庚申祭それ自体はお祭りといっても、儀式は10分ほどで終了する簡単なものでした。庚申塚自体も住宅街の道路に面しており、その道路は1分に1、2台は車が通るようなところで交通量がままあり歩道もないため、あまり多くの人が集まれるようなものではありません。参加者は合わせて15名弱でしたが、お祓いを受け、代表者2名(町内会の会長と副会長)が玉串奉奠をして二礼二拍手一礼を行い、あとの参加者はそれに合わせて二礼二拍手一礼を行いました。その後御神酒がふるまわれ、儀式としては終了しました。

塩尻峠には参加者が礼をして終わる「日本一短い祭り」があるが、うちの庚申祭も負けていないと思います。

そのあとは皆でしめ縄や旗の片づけをして、すぐ近くの公民館へ移動して直会が開かれました。直来も公民館の大部屋で机と椅子を並べて、御神酒の余りとお茶、お弁当の配布があり、そこで1時間弱雑談するだけでした。

地元の話

直会では、普段会う機会のない高齢の方から、いろいろ興味深い昔話を聞けました。直接聞けた話は太字で、筆者個人のコメントは緑字で記載しています。

長い間今の地区に住んでいますが、全然知らないことばかりで驚きました。配達料金の話は図書館などで調べれば、詳しい料金体系などを確認できるかもしれません。今は余裕がないのですが、今後時間があるときに確認に行くかも。

冒頭の画像はCopilotを用いて生成しました。

この記事は2024年10月14日に作成されました。最新の状況とは異なる場合があります。

2024年に新設されたJRE BANKでは、一定の条件を満たした利用者にJR東日本グループで使用できる特典を配布するキャンペーンを恒常的に行っています。口座開設など一回限りで特典を得られるキャンペーンではなく、また特典の内容も太っ腹であるため、サービス開始時に話題になりました。

記念すべき第一回目の特典判定日は2024年8月25日で、その日の判定分の特典が全て揃ったので記録します。いちいち記録するのは今回だけです。

判定日は3の倍数の月(3・6・9・12月)の各25日に設定されています。ただしJRE BANKは2024年6月ごろにサービスを開始したため、2024年度の判定日のうち6月と9月分はそれぞれ8月と10月に移動しています。2024年12月判定分からは通常通りの予定です。また各判定日でもらえる特典や特典をもらうのに必要な条件は異なります。ここでは詳しい条件は一部省略しています。

おことわり

以下では特典の転売や譲渡の話が出てきますが、筆者個人として転売や譲渡を推奨するものではありません。こういった特典は自分で自分のためや家族・友人のために使うのが一番お得です。ほかに高額チケットの転売で小銭を稼いでも、悪銭身に付かずです。チケットや商品の定価を超える高額販売や転売には、強く反対しています。

また、規則で転売や譲渡が禁止されている場合もありますので、確認をお願いします。

特典1 JRE BANK優待割引券(4割引)

4割引

2024年10月12日にメールで到着しました。判定日の判定日の資産残高が300万円以上で、かつ期間内にビューカードの引き落としがあった場合に2枚もらえます。この特典だけは他の特典と異なり、年2回の判定です。

筆者としてはこの特典が一番嬉しいです。

JR東日本管内の鉄道路線の乗車券と、新幹線や特急、グリーン席などの料金券がまとめて片道1回4割引きです。今回は2枚貰ったので、往復で2枚使うことができます。1枚だけでも、片道で東日本を大きく回る一筆書きの切符を発券して使うこともできると思いますが、料金券の割引は1枚につき一列車限りです。

今すぐ使う用事は無いのですが、有効期限は比較的長いので使う日を楽しみします。

ところで、JR東日本には株主優待制度があります。優待の一つに株主優待割引券があり、内容は「JRE BANK 優待割引券(4割引)」と同じ(株主優待券の有効期間は1年間とJRE BANK優待券に比べて長い)です。しかし、割引券をもらうための条件が異なります。株主優待割引券は、例えば300株以上で1枚もらえます。

東日本旅客鉄道 (9020) の株価は、記事作成時点では2024年10月11日終値2,934円50銭。直近1年間ではだいたい2.5千円から3.1千円で推移しています。300株を購入すると、90万円近く支払わなければいけません。なお長期保有株主向けの優待制度もあります。100株以上を継続して2年以上保有していれば、300株に達していなくても株主優待割引券を1枚もらえます。

株主優待割引券は紙で届けられ、使用者は株主でなくとも窓口で割引券を提出すれば4割引きで購入できるため転売や譲渡が容易で、よく金券ショップで取引されています。一方でJRE BANK優待割引券はJRE POINTに紐づいたえきねっとから購入するときのみ使用可能なため、転売は容易ではありません。家族用や友人に頼まれて本人が操作・購入すれば、譲渡も可能といえます。

特典2 どこかにビューーン!2,000ポイント割引クーポン

どこかにビューーン割引

2024年10月2日にメールで到着しました。判定日の資産残高が50万円以上で、かつJRE BANKの口座から、前回判定日から1回以上ビューカードの利用代金の引き落としが行われていた場合に、1枚もらえます。

JR東日本の新幹線駅のランダムな行先への往復切符を出せるサービスです。通常JRE POINTが5,000または6,000ポイント必要ですが、このクーポンで2,000ポイント分割引してくれます。

筆者にとっては、この特典は今のところ要りません。いくら2,000ポイント割引されたとしても、東京駅発着の場合はなお4,000ポイントも必要です。現金で4,000円ではなく、JRE POINTで4,000ポイントなので簡単ではありません。年4回判定日があるのですが、「どこかにビューーン!」を年4回も使う人はそう多くないと思います。

行き先決定と購入はJRE POINTに紐づいたえきねっとから行います。

特典3 在来線普通列車グリーン席無料券

グリーン席一回無料

2024年10月1日にメールで到着しました。判定日の資産残高が50万円以上で1枚もらえます。

JR東日本の在来線普通列車のグリーン席が片道一回無料になります。この特典の判定日は年4回あるため、グリーン券の有効期限も3か月分しかありません。また、グリーン券はJRE POINTのアカウントに紐づいたモバイルSuicaでのみ受け取ることができるため、本人が操作できない場合には家族や友人に譲渡することも困難です。

特典を得るために用意したこと

第一回の特典を得るために行ったことを整理します。特典を得るには大きく3つの項目があり、各特典によって条件が複数設定されています。

条件1 資産残高

資産残高の用意は判定日だけで構いません。つまり、判定日以外は残高ゼロで、判定日の日だけ50万円、ないし300万円あれば、資産残高の条件はクリアできます。

実際に筆者も2024年8月25日の判定日に合わせて、念のため前後1週間程度は300万円を預け入れていましたが、その前後はほとんど預け入れておらず記事執筆時点でも残高は数万円ほどしか用意していません。株の権利確定日と同様、そのタイミングだけ残高条件をクリアしているので問題ありませんでした。

なお、同じ優待を株主優待の方で獲得しようとするとけっこう大変です。長期保有ボーナス含めて年4枚となると最低600株、記事執筆時点で購入しようとすると約180万円必要です。300万円と180万円を比べると株主優待の方が安いように見えますが、株主優待は株を買って保有し続けなければならないため、資金が拘束されます。また当然株価は日々変動します。権利付最終日までに買って権利確定日後に売る方法や優待クロス取引という方法もありますが、株価の変動や証券会社に支払う手数料があります。一方でJRE BANKの場合は300万円は判定日のその日だけ拘束されますが、それ以外の日は引き出して自由に使うことができますし、判定日を跨いだら300万円が減るということもありません。無論、株には配当金もあり他の株主優待サービスもあるため、JRE BANK優待との単純な比較は難しいですが、参考情報として記載しました。

条件2 ビューカード利用代金の引落

ビューカードの引き落とし口座をメインバンクからJREBANKに変更しました。現在筆者はビューカードSuicaモバイルSuicaへのチャージにのみ使用しているため引き落とし額がそれほど大きくないとはいえ、JRE BANKの残高にも気を配る必要はあります。

条件3 給与・年金などの受け取り

この条件はスキップしました。現在のところJRE BANKをメインバンクにするつもりはありません。

JRE BANK優待券の獲得条件として給与など受け取りが必須になったら検討しますが、現在はオプション条件(受け取りをしていると提供枚数が増える)なので、見送っています。優待券を何が何でも獲得できる最大枚数欲しいわけではないので、今はこれでいいです。

終わりに

JRE BANKの特典は結構太っ腹でした。ただ、いつまで続くかわかりません。特典の変更や条件の変更も十分考えられます。

このような恒常的な特典が後によりおいしくなるケースは稀ですので、おいしい特典を受け取れるうちにどんどん受け取って使用するのがよいでしょう。

2024年11月3日追記

口座開設キャンペーンのプレゼントとして、10月30日にJRE POINT4,000ポイントを受け取りました。

4,000ポイント

定常的な特典とは別に、口座開設キャンペーンが実施されており、私が口座開設した時期は第1期に当たりました。「3万円以上の資産残高」「JREBANKからビューカード代金引き落とし」の二つの条件をクリアしたので、それぞれ3,000ポイント、1,000ポイント、合わせて4,000ポイントです。

このポイントは「家族メンバーポイント移行」で早速家族に譲渡しました。JREPOINTはSuicaにチャージすれば1ポイントは1円の価値ですが、「どこかにビューーン!」のほか「新幹線eチケット(JRE POINT特典)」「在来線チケットレス特急券JRE POINT特典)」で使用すると1ポイントが1円以上の価値になります。ただこれらの商品は一度にある程度まとまった量のJREPOINTが要求されます。例えば新幹線eチケットの場合は、100kmまでの区間で2,160ポイントが必要です。*1

JREPOINTを有効に使うとなるとポイントは一つの口座にまとまっていた方がいいと筆者は考えています。そのため、今のところは貯まったJREPOINTは全て家族メンバー移行で譲渡しています。

移行しました