ニック・デ・フリースとは - わかりやすく解説 Weblio辞書 (original) (raw)

ニック・デ・フリースNyck de Vries
TOYOTA GAZOO Racingのニック・デ・フリース(2024年9月撮影)
基本情報
国籍 オランダ
生年月日 (1995-02-06) 1995年2月6日(30歳)ヘンドリック・ヨハネス・ニカシウス・デ・フリースHendrik Johannes Nicasius de Vries
出身地 オランダアイトウェリンガーガ(英語版
基本情報
略称表記 DEV
F1での経歴
活動時期 2022-2023
過去の所属チーム '22 ウィリアムズ'23 アルファタウリ
車番 21
出走回数 11
タイトル 0
優勝回数 0
表彰台(3位以内)回数 0
通算獲得ポイント 2
ポールポジション 0
ファステストラップ 0
初戦 2022年イタリアGP
最終戦 2023年イギリスGP
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ヘンドリック・ヨハネス・ニカシウス・"ニック"・デ・フリースHendrik Johannes Nicasius "Nyck" de Vries, 1995年2月6日 - )は、オランダフリースラント州アイトウェリンガーガ(英語版)出身のレーシングドライバー

ニック・デ・フリースNyck de Vries)の名で主に知られている。

2019年FIA F2のドライバーズチャンピオン、2020-21年フォーミュラEのドライバーズチャンピオンを獲得。また、フォーミュラ1(F1)、スーパーフォーミュラFIA 世界耐久選手権(WEC)など様々なカテゴリで活動している。

経歴

レッドブル・リンクでのデ・フリース。(FIA フォーミュラ2選手権)(2018年)

シルバーストン6時間レースでのデ・フリース。(2018年)

2023年オーストリアグランプリでのデ・フリース。

カート時代のデ・フリースは、2008年に2つのタイトルを獲得(「WSK・インターナショナル・シリーズ - KF3」「ドイツ・ジュニア・カート・チャンピオンシップ」)[1]2009年には、3つのタイトルを獲得した(「ドイツ・ジュニア・カート・チャンピオンシップ」「WSK・インターナショナル・シリーズ - KF3」「CIK-FIA ヨーロピアン・チャンピオンシップ - KF3」)[1]2010年2011年には、「世界カート選手権」で連覇を達成する[1]

2012年

カートを離れ、フォーミュラ・ルノー2.0 シリーズへとステップアップし四輪レースにデビュー。2014年ユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0およびフォーミュラ・ルノー2.0 アルプスシリーズでダブルタイトルを獲得した[2][3]

2015年

フランスのDAMSに移籍し、フォーミュラ・ルノー3.5 シリーズへステップアップ。最終戦ヘレスで優勝し、総合3位を獲得[4]

2016年

ARTグランプリに移籍しGP3シリーズへステップアップ。2勝を挙げランキング6位。

2017年

FIA フォーミュラ2選手権にステップアップ。第6戦モナコでF2初勝利を挙げる。2018年にF2強豪の一角であるプルタミナ・プレマ・セオドール・レーシング(現プレマ)に加入すると3勝を挙げシリーズ4位となる[5]2019年シーズンにはGP3時代に所属していたARTグランプリへと復帰し、4勝を挙げて同シーズンのF2ドライバーズタイトルを獲得した[6]

9月11日、「フォーミュラE」に新規参戦するメルセデスEQ・フォーミュラEチーム(当時はメルセデス・ベンツEQ・フォーミュラEチーム)に加入。2019-20シーズンから参戦を開始[7]。2年目となる2020年-21年のフォーミュラEシーズンで自身初のドライバーズタイトルを獲得した[8]

また2020年にはWEC(世界耐久選手権)のLMP1クラスに参戦するTOYOTA GAZOO Racingのテスト兼リザーブドライバーとなった[9]。2021・2022年はLMP2クラスのプライベーターから代役としてル・マン24時間レースにエントリーした。

F1

2022年

第6戦スペインGPのフリー走行1回目でアレクサンダー・アルボンに代わり参加[10]。第12戦フランスGPではメルセデスからルイス・ハミルトンに代わり、フリー走行1回目に出場[11]。第16戦イタリアGPではアストンマーティンからフリー走行1回目に出場した[12]。同グランプリを虫垂炎により欠場したアルボンの代役としてウィリアムズからレースデビュー[13]。予選は13番手(グリッドは8番手)、決勝は9位でゴールしデビュー戦でポイントを獲得した[14][15]

10月8日には、来季より、アルピーヌへの移籍が発表されたピエール・ガスリーに代わり、アルファタウリのレギュラードライバーとして出走することが発表された[16]レッドブル・ジュニアチームに未所属から参戦するのは、チームではトロ・ロッソ時代のセバスチャン・ボーデ以来14年ぶりのこととなる。

2023年

スクーデリア・アルファタウリから2ndドライバーとしてF1に参戦。しかし、成績面でチームメイトの角田裕毅を下回ることが多く、モナコGP前にはシート喪失の噂が出るようになる[17]ヘルムート・マルコも「彼にカウントダウンも最後通告もしないが、我々は状況を見て、必要であればどんな形であれ対応するつもりだ」とコメント[18]。結局、イギリスGP後にダニエル・リカルドと交代することが発表され、シートを失うことになった[19]

F1後

2024年

F1のシートを失ったデ・フリースは、2023年9月にフォーミュラEへ復帰すると共に、マヒンドラ・レーシングへの加入を発表[20]。さらに11月にはWEC復帰と共にトヨタ・ガズー・レーシングへ加入し、トヨタ・GR010 HYBRID 7号車の正ドライバーとしてマイク・コンウェイ / 小林可夢偉とトリオを組むことが明らかになった[21]。2024年8月、スーパーフォーミュラへの参戦を発表[22]ITOCHU ENEX TEAM IMPULの19号車ドライバーとして第5戦から第7戦まで参戦する[22]

備考・補足

2010年から2019年まで[23]マクラーレンの育成プログラムであるマクラーレン・ヤング・ドライバー・プログラム(英語版)のメンバーへ在籍していた。2018年には、アウディ・スポーツ・レーシング・アカデミーにも籍を置いた。

マクラーレンを題材としたアニメーショントゥーンド」にて、2つのエピソードに出演経験がある。

レース戦績

略歴

ユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0

フォーミュラ・ルノー3.5 シリーズ

GP3シリーズ

FIA フォーミュラ2選手権

フォーミュラE

チーム シャシー パワートレイン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 順位 ポイント
2019-20年 メルセデス・ベンツEQ・フォーミュラEチーム SRT05e メルセデス・ベンツEQ Silver Arrow 01 DIR6+ DIR16+ STI5+ MEXRet+ MAR11 BER4 BERRet+ BER18 BER4 BER14 BER2+ 11位 60
2020-21年 メルセデスEQ・フォーミュラEチーム メルセデスEQ Silver Arrow 02 DIR1G+ DIR9+ RMERet+ RMERet+ VLC1 VLC16+ MONRet+ PUE9+ PUERet+ NYC13+ NYC18+ LON2 LON2 BER22 BER8 1位 99
2021-22年 DIR1+ DIR10+ _MEX_6+ RMERet+ RME14 MON10+ BER10+ BER1+ JAKRet+ MAR6 NYC8 NYC7+ LON6 LON3 SEORet SEORet 9位 106
2023-24年 マヒンドラ・レーシング Gen3 マヒンドラ・M9Electro MEX15 DIR17 DIR15 SAP14 TOKRet MIS14 MIS15 MON12 BER BER SHA7 SHA16 POR12 PORRet LON4 LON16 18位 18

フォーミュラ1

スーパーフォーミュラ

チーム シャシー エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 順位 ポイント
2024年 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL ダラーラ・SF23 トヨタ SUZ AUT SUG FUJ MOT13 FUJ FUJ SUZ SUZ NC* 0*

FIA 世界耐久選手権

ル・マン24時間レース

ル・マン24時間レース 結果
チーム コ・ドライバー 使用車両 クラス 周回 順位 クラス順位
2019年 レーシング・チーム・ネダーランド フリッツ・ヴァン・イアード ギド・ヴァン・デル・ガルデ ダラーラ・P217-ギブソン LMP2 340 26位 15位
2020年 フリッツ・ヴァン・イアード ギド・ヴァン・デル・ガルデ オレカ・07-ギブソン 349 19位 15位
2021年 G-ドライブ・レーシング ロマン・ルシノフ フランコ・コラピント アウルス・01-ギブソン 358 12位 7位
2022年 TDSレーシング x ヴァイヨン マティアス・ベシェ ティメン・ヴァン・デル・ヘルム オレカ・07-ギブソン 368 8位 4位
2024年 トヨタ・ガズー・レーシング ホセ・マリア・ロペス 小林可夢偉 トヨタ・GR010 HYBRID ハイパーカー 311 2位 2位

ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ

脚注

  1. ^ a b cNyck de Vries”. DRIVER DATABASE. 2019年9月17日閲覧。
  2. ^Formula Renault 2.0 Eurocup 2014 standings”. DRIVER DATABASE. 2019年9月17日閲覧。
  3. ^Formula Renault 2.0 Alps 2014 standings”. DRIVER DATABASE. 2019年9月17日閲覧。
  4. ^Formula Renault 3.5 Series 2015 standings”. DRIVER DATABASE. 2019年9月17日閲覧。
  5. ^STANDINGS - DRIVER STANDINGS (2018)”. F2 - FIA FORMULA 2 CHAMPIONSHIP™. 2019年9月17日閲覧。
  6. ^F2ソチ・レース1:デ・フリーズ完勝で今季王者に輝く。松下信治6位”. motorsport.com (2019年9月29日). 2019年12月5日閲覧。
  7. ^メルセデス、初のフォーミュラEカー『シルバーアロー01』の正式カラーを披露。ドライバーはバンドーン&デ・ブリーズ”. auto sport Web (2019年9月12日). 2019年9月17日閲覧。
  8. ^F1昇格を視野に入れるフォーミュラEチャンピオンのニック・デ・フリース”. TOPNEWS F1 (2021年8月20日). 2021年8月21日閲覧。
  9. ^ トヨタWECチームがF2王者デ・フリースを獲得。テスト兼リザーブドライバーに
  10. ^フォーミュラE王者ニック・デ・フリース、ウィリアムズからF1週末デビュー…スペインGPで”. Fomula1-Data (2022年5月16日). 2022年9月15日閲覧。
  11. ^メルセデス、F1フランスGPでニック・デ・フリースを起用…ハミルトンに代わりFP1へ”. Fomula1-Data (2022年7月20日). 2022年9月15日閲覧。
  12. ^ AT&A, AKAI Taro /. “なんと今季3台目…ニック・デ・フリース、F1イタリアGPのFP1でアストンマーチンAMR22をドライブ”. Formula1-Data / F1情報・ニュース速報解説. 2022年9月11日閲覧。
  13. ^アルボン、体調不良でF1イタリアGPを欠場へ。ウイリアムズは代役にニック・デ・フリースを起用”. auto sport Web (2022年9月10日). 2022年9月15日閲覧。
  14. ^混沌過ぎる…罰則乱舞のF1イタリアGP公式グリッド、角田裕毅含む9名が降格”. Fomula1-Data (2022年9月11日). 2022年9月15日閲覧。
  15. ^デ・フリース、”安堵”の戒告処分でF1デビュー入賞維持!直前の交代劇を考慮したスチュワード”. Fomula1-Data (2022年9月12日). 2022-0912閲覧。 エラー: 閲覧日が正しく記入されていません。
  16. ^ アルファタウリF1、ニック・デ・フリースの加入を発表。2023年からガスリーの後任として角田とタッグ www.as-web.jp(2022年10月8日)2022年10月9日閲覧。
  17. ^ autosport web Translation: autosport web/AKARAG (2023年5月26日). “アルファタウリのデ・フリース、シート喪失の噂に動じず「これがF1。ミスが多すぎるのは事実だが、学習過程の一部」”. autosport web. 株式会社三栄. 2023年7月12日閲覧。
  18. ^ 滑川 寛; Nimmervoll, Christian(取材・協力) (2023年5月30日). “必要とあらばクビ宣告。レッドブルF1重鎮、シート喪失の危機デ・フリーズに「最後通告はしない」後任最有力にローソンと岩佐歩夢”. Motorsport.com. Motorsport Network. 2023年7月12日閲覧。
  19. ^ Ricciardo to replace De Vries at AlphaTauri from the Hungarian Grand Prix www.formula1.com(2023年7月12日)2023年7月12日閲覧。
  20. ^ 元アルファタウリF1のデ・フリーズ、マヒンドラからフォーミュラE復帰「故郷に戻ってきたような気分」チームメイトはモルタラ - motorsport.com 2023年9月28日
  21. ^ TOYOTA GAZOO Racing、2024年のWEC参戦体制を発表。ニック・デ・フリースが7号車に加入 - オートスポーツ・2023年11月20日
  22. ^ a bニック・デ・フリースのスーパーフォーミュラ参戦が決定。ITOCHU ENEX TEAM IMPULから3戦に出走”. autosport Web. 株式会社 三栄 (2024年8月7日). 2024年8月29日閲覧。
  23. ^F1昇格に黄色信号? F2参戦中のデ・フリーズ、マクラーレン育成から外れていた”. motorsport.com (2019年5月7日). 2019年9月17日閲覧。

関連項目

外部リンク

2024年-25年のフォーミュラE 参戦チームと出走ドライバー
アンドレッティ・フォーミュラE エンヴィジョン・レーシング ジャガー・TCS・レーシング タグ・ホイヤー・ポルシェ DS・ペンスキー マセラティ・MSG・レーシング
27 ジェイク・デニス 16 セバスチャン・ブエミ 9 ミッチ・エバンス 1 パスカル・ウェーレイン 25 ジャン=エリック・ベルニュ 2 ストフェル・バンドーン
51 ニコ・ミュラー 4 ロビン・フラインス 37 ニック・キャシディ 13 アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ 7 マクシミリアン・ギュンター 5 ジェイク・ヒューズ
ニッサン ネオム・マクラーレン キロ・レース・Co マヒンドラ・レーシング ローラ・ヤマハ・アプト
23 オリバー・ローランド 8 サム・バード 33 ダニエル・ティクトゥム 48 エドアルド・モルタラ 11 ルーカス・ディ・グラッシ
17 ノーマン・ナト 5 テイラー・バーナード 3 デビッド・ベックマン 21 ニック・デ・フリース 22 ゼイン・マロニー
その他参戦したドライバー
(ラインナップは2024-25年開幕前時点)
2024年のスーパーフォーミュラ 参戦チームと出走ドライバー
KONDO RACING DOCOMO TEAM DANDELION RACING Kids com Team KCMG ThreeBond Racing docomo business ROOKIE TEAM MUGEN
3 山下健太 5 牧野任祐 7 小林可夢偉 12 三宅淳詞 14 大嶋和也 15 岩佐歩夢
4 小高一斗 6 太田格之進 8 福住仁嶺 16 野尻智紀
ITOCHU ENEX TEAM IMPUL VANTELIN TEAM TOM'S VERTEX PARTNERS CERUMOINGING San-Ei Gen with B-MAX TGM Grand Prix PONOS NAKAJIMA RACING
19 テオ・プルシェール(Rd.1) ベン・バーニコート(Rd.2) 平良響(Rd.3-4,8-9) ニック・デ・フリース(Rd.5-7) 36 坪井翔 38 阪口晴南 50 木村偉織 53 Juju 64 山本尚貴
20 国本雄資 37 笹原右京 39 大湯都史樹 55 松下信治(Rd.1-3) 大津弘樹(Rd.4-9) 65 佐藤蓮